ラヂオデパートと私

ロックバンド“ラヂオデパート”におけるギタリストとしての津原泰水、その幾何学的な幻視と空耳。

忙中閑あり

2007-12-22 23:56:17 | 録音
 やっと閑あり。
 ブログ本来の趣旨に鑑みるに、ご報告すべき事項がたんとある。

 録音環境が大きく変わった。まずドラム録り。KORGのD888というレコーダーをバンドで購入し、録音スタジオではなく練習スタジオで自由に録れるようになった。同時録音トラックが限られるしマイクも特別なものは用意されていないから、当然品位は劣るのだが、高いスタジオ代に怯えながら演奏する必要がないのは、一切自腹のアマチュアには嬉しい。
 以前も中古の前身機で似たようなことはしていたのだが、パソコンとの連携に難があり苦心を強いられていた。アナログ機材を扱うようにトラックごとにMacに録りなおし、トラック間のタイミングのずれは耳を頼りに補正する必要があった。この作業に辟易して、金も無いのに「これからは金で解決する」等と嘯いていたのだ。
 D888はパソコンとUSBで繋がって、ハードディスクが自動的にスレイヴされる。さっき録音してきた物がそのままMacの書類になってくれる訳で、この簡便さといったらない。高級機ではかねてから当然の仕様だったけれど、学生鞄程度のサイズの民生機で、この恩恵に浴せるのは有り難い。

 ヌートリアス〈きっと食べてね〉のドラムはこれで録った。スタジオにはShureのSM58しかなく、仕方なくそればかりを六本並べた。Mac上で再構成すると、なかなか迫力のある音像が得られた。
 どの機材は仕様が何ビットの何ヘルツだから使える使えないといった話が好きな人がいるけれど、はっきり云うぞ。大差ない。上手い演奏が下手に録れる機材も、その逆も世の中には存在しない。D888も然り。
 価格が落ち着いて今や「安いほう」のマイクであるSM58も、じつに優秀な設計だと今にして感じる。むろんアンビエントくらいは別の、高音に強いマイクで録ったほうが後の処理が楽だが、かといって高級マイクである必要は感じない。商品に高級低級はあるが、音に高いも安いもない。要するに、ちゃんと録れていれば宜しい。一万円くらいのステレオマイクでも試してみようと思っている。

 酷使してきたパワーブックG4に老いを感じはじめたこともあり、自宅での録音環境も一新した。これは別項に記す。