ズボンドズボンの『ズボンドズボン』の音源を隠密裏に入手(は)(いや普通の手段でですけど)したので、『ズボンドズボン』から『扉』まで順番に聴いて、ズボンドズボンの歴史と音楽性の変遷を無駄に分析しようという試みです。
・『ズボンドズボン』
2000年録音、2001年1月よりライブ会場で発売開始。
メンバーは土屋礼央、黒崎純子、斎藤真哉、ボーカルの植村伸、キーボードの唐沢寧、ベース、ドラムの計7人。
礼央さんの一人二役おしゃべりに始まり、バランス、メロディ(歌詞違いver、作詞は純子さん)、夜散歩、上品なマスター、とどかない少女(作詞作曲植村伸)、foolish man、そして罰当たりなアホきわまりないネタ曲で終わる。
特筆した以外は作詞作曲は礼央さんです。
(以上、詳細情報をいただいたので加筆・訂正しました。がっちゃんはこの時いなかったんですね!へー!)
・・・一言で言うと、土屋礼央と唐沢寧。以上。
楽器演奏の稚拙さや楽曲のありえない唐突な展開などを差し引いても、土屋礼央の作る曲を題材に、唐沢さんのキーボードが楽曲をすべて構成している、としか言いようがない。
礼央化ラジオをカツカレーなんて言ってましたけど、言うなれば納豆カレー。(素)
くせのある納豆と、がつんと味の印象が強いカレーの組み合わせ。
それは、美味しいと思う人もいればダメな人もいるでしょうな、という話です。
礼央さんの声と唐沢さんのキーボードもまた合ってないんですが。
とにかく礼央さんの独特なメロディと、キーボードの印象がすべてです。
純子さんは、いつ歌ってた?と思ってしまうくらい存在感がありません。
バランスなんかでハモってはいるんですが、明らかに礼央さんに合わせて控えめにおとなしーく歌っています。
foolish manで純子さんのソロパートがあるんですが、覚醒前の声。いかにも歌いこまれていないことがよくわかる声です。
ただ礼央さんと比較すると、当時と今を比較して礼央さんの声は基本から変化したのに対し、純子さんの基本は今と同じです。そのまま歌いこんで現在に至る。
いかにも大学のジャズ研出身の人が作りそうな音楽で、影響を受けた音楽をそのまま踏襲しているかんじがします。
とどかない少女は礼央さんじゃなくて植村伸さんが歌ってるんですが、友人はオリジナルラブの歌い方そのまんまだって言ってました。オリジナルラブを一瞬たりとも聴いたことがないので比較できませんが、私はこの曲は昔の山下達郎の影響ばりばりだと思いました。メロディや、楽器と歌の距離感が。
余計なことを一切考えていなかったんでしょうね。
歌い方、演奏の仕方、メロディ、詞、構成、すべてにおいて素直です。
本能的です。
結論:インディーズの人が自主制作したCDだな。
・『スカート』
この時メンバーは6人になります。今の4人、キーボード、ベース。
楽器演奏が格段に洗練されて、音質も全然違います。当たり前ですけど。
特筆すべきは、純子さんの存在感です。
純子さんの声がはっきり聴こえない曲はない。
礼央さんと半々とまではいきませんが、かなりのパートを歌っているしソロパートもとても多い。
「すずしげなハーモニー」で間延びするほど純子さんが長く歌っていることからもわかるように、意識して純子さんパートを作ったんだと思います。
まぁその分、礼央さんとの声の相性の悪さも際立つんですけども。
音楽的に支配しているのはやはり唐沢さんのキーボード。
というより、キーボードを軸に楽器隊を作っているイメージだと思います。
『ズボンドズボン』ではギターがとにかく弾きまくったりとかして、楽器隊合わせる気なかっただろ、というくらいバンドとしての一貫性はありませんでしたが、ここではキーボードを中心に楽器隊がまとまっている。
相変わらず礼央さんの声とキーボードも合っていないんですが、楽器が出張るところは出張って礼央さんは引いて、といったメリハリがつくようになって、多少洗練されたイメージになりますね。
逆に考えると、そのミスマッチが売りだったのかな、というふうに考えることも出来ると思います。
礼央さんと純子さんの声や、礼央さんの声とキーボード、そういうミスマッチが合わさって、さらに演奏するメロディがあの摩訶不思議な耳につくメロディ、日本語かどうかもあやしい歌詞、すべてが合わさると、混沌とした独自の世界が出来上がる。
それがズボンドズボンらしさであり売りであったと思えます。
結論:礼央さんと純子さんの声質が合わないのって、それが味だったんですねー。
このあたりで一旦切ります。
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かなり興味深い。
私は音楽的なことが全く分からないので
ズボに関しては「これはこういうものだ」と思って聴いていました。
でも「スカート」結構好きなんですよね。
なるほど・・・ミスマッチの妙か・・・
続きが本当に楽しみです!!
まだまだ先は長い…。
>サラさん
私の独断と偏見のみに基づいておりますのであしからず。
こういう聴き方もできますよー、という一つの例です。
私も音楽的なことなんて全然わからないんですよー、特に楽器バンドに関しては。
…いい加減ですみませーん。
続きも頑張ります。