人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

手紙

2016年12月13日 | 日記

久しぶりに

「手紙」をもらった。

美しい和紙に

ていねいに書いてあり

封筒にも趣味が溢れてて

なによりこまやかな

その文章・・・

いまどき

「手紙」なんて若い人たちには

言葉すらないのでは?

けれども昔残された「書簡集」は

「手紙」の存在の意味を語っています

リルケは若き詩人に手紙を書きましたが

それは今も

詩を書こうとする人

およそものを書こうとする人にはバイブルの

ようなものになっていますし

漱石の手紙だってどんなに貴重な資料と

なっていることでしょう、

今はメールで簡単にすんでしまって

「やりとり」にイマイチ

熱が感じられず

例えば昔、息子が世界を放浪していたとき

旅先からはときどき手紙が来て

それは今も私の引き出しの中に

宝石よりも輝いています

今、彼からはヨーロッパからだって

元気だよとケータイに入ってくる

消息がリアルタイムでわかる便利さ

に引き換え

失ったものは

「手紙」のなかの

熱となつかしさ

のような

えも言われぬ「ぬくもり」・・・

なのでした。

 


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