人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

捨てる

2015年04月27日 | 日記
人生の階段も

そろそろ底に行きつきそう

だから

のこされた人たちの

迷惑にならないよう

持ち物をいろいろ

捨てねばならない。

ずいぶん捨てた。

本、衣類、溜めこんださまざまなもの。

でも、

まだちょっと捨てられないものが

ある。

幼い息子たちと共に暮らしていた

過去の日記。

捨てるつもりでちよっとだけ

読みなおしてみたら

ああ、あの生き生きとしていた日々の

わたしの言葉が

飛び込んできた。

ああ、まだもう少し

もう少しだけ

日記を捨てずにいようか。

こういうのを

執着って言うんだろうな。

でも、日記を捨てるのは

人生を捨てるような気がする。

もう少し。

もうすこしだけ。