石油、コンクリート産業といった巨大利権による支配で、自然素材でできた健康的な建築がなくなっていき
逆の方向に猛スピードで走っている現状はとどまることを知りません。スクラップ&ビルドの繰り返しで、
永持ちしないプラスチック由来の住宅が消費されています。人間の営みの場である建築物が、消費物になっている。
そんな惨状に異議を唱えている建築関連の人達やジャーナリスト達がいます。
「自然に帰る」という哲学をもった建築家のおじちゃんも、1人で闘い続けています。
このような現状の中、材木屋は運営が立ち行かずに廃業して行っています。木を育てて売るというのは、目先の利益にパクつく
コスパ思考の反対の商売であり、永いスパン、大きなサイクルで物事を見る業種なのだとおじちゃんに教わりました。
今改築している家に使う木材も、代々続く材木屋で買ったもので、そこは現在非常に厳しい逆境にあり、潰れる瀬戸際で
やっています。おじちゃんと日田(林業の土地で特に日田杉が有名です)まで木材を見に行った時、(関連:地形のこと)
迎えてくれたそこの現当主は、元気のなさ、先の見えなさ、希望のみえなさが漂っていて、哀しみをおぼえました。
彼の父親が当主だった時は、もっと活気や力強さがあったとおじちゃんは言います。
天ケ瀬温泉と日田杉の山
三角形に尖っているのが杉です
そこで買った柱や床や天井の木材(杉、桧)を使って、改築しているところです。
食堂には、そこで出会った円柱形の丸い柱が立っていて、おじちゃんや私のお気に入りです。
桧(ひのき)はとてもいい匂いがして、好きです。
木に付き合う仕事は、一代では結果を見ることが出ないと言ってました。