建築家のおじちゃんが家に来て、話すのは面白くて話が尽きません。
建築とは、人間工学、心理学の要素も多分に含んでいます。建築家は、動線や構図によって人の行動を導く術師です。
彼は、私のピアノ部屋(お客さんと過ごす部屋 参照:書くこと)に、外周のデッキに出る全身窓を作る意向でした。
出入りができることで、デッキが生活と一体になって活きてくると。
また、おじちゃんはいつでも風の通り道を重視して設計されます。沈滞、閉塞した空間を作らないように。
今のその部屋は、十分窓があるのですが外に出られる全身窓はなく、今の出窓を全身窓に変える意向でした。
でも私はその東の出窓は気に入っていて、このままにし、デッキに出たい時には、洗面所の扉から
出入りすると言いました。東の出窓は、花や貝殻や拾ってきた綺麗な石やウィンドチャイムなどを飾って
光を楽しむ精神的な空間になっていますが、全身窓にしたら、その場はなくなってしまいますし。するとおじちゃんは
「人は、出られるからふらっと出るのだ。出られないのにわざわざ洗面所回りで出たりはしない」と言いました。
人は、わざわざ はしない。だから動線や構図によって行動を導く
と。でも私はわざわざを、わざわざと思わずにやる方です。
祭壇的な空間の出窓を潰したくないし、ピアノにとっても、腰下が壁な方が保護されるので
デッキに出たい時には洗面所から回ります。お客さまにもそう言おうと思います。ついては、洗面所を通りたくなるような空間にします。
この会話でふと、私は、わざわざをわざわざと思わずにやる方だと思いました。
買い物の時も、「これを買え」という段に並んでいるのではなく、棚の下の方に陳列されている昔からある商品を買うようにしています。
流れに乗っていたら、その流れがおかしい場合、生活がおかしな方向に巻き込まれてしまいます。
わざわざくぐり抜けて選ばないと、いつの間にか偽物に囲まれて生活することになります。
先日ホームセンターで、ガラス風のプラスチックの照明シェードが、5千円近くで売っていました。
------ -- - タイル風 石風 磁器風 アイアンテイスト 木調 すりガラス風 の プラスチック------ -- -
私は、偽物を「わざわざ」選びたくないので、腰をかがめたり、つま先立ったりして選びとるようにしています。
ただ失敗もあります。聞いたことのない石鹸会社のボディソープを買ってみたら、肌に赤い出来物ができてしまいました。
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