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“オフコン商売”が新しい? 日米でのワンパッケージ・ビジネス

2005-05-11 17:48:39 | ITビジネス
 昨日、キヤノン販売とオラクルが、中堅・中小企業向けのERPパッケージを発表した。オラクルのEBSをベースに独自の味付けをした商材を、キヤノンブランドの製品として販売しようというものだ。OSとしてMIRACLE LINUXをバンドリングしており、ハードやサポートなども込み込みで販売するという。

 筋のよいソリューションだと思う。なにも、キヤノンの調達先企業という“基礎票”が期待できるという理由だけではない。中堅・中小企業マーケットをERPベンダーは新規市場として位置づけるが、なんのことはない旧オフコン市場である。つまり、かつてのオフコン市場に対してERPをオフコン的に売るということだ。それなら売りやすく、買いやすい。自社ブランドであることと相まって、これならキヤノン販売の営業部隊も動くだろう。

 ところで昨日は、SRAがオープンソース事業の拠点を日本から米国に移すという発表を行っている。一見、キヤノン販売・オラクルの発表と全く異なる内容だが、結構深いところで文脈がつながっている。SRAはPostgreSQLの販売・サポートなど既存のビジネスだけでなく、いわゆる“スタック”の提供にビジネスの可能性を感じているようだ。

 スタックというのは、OSをはじめDBMS、アプリケーション・サーバーなど様々なレイヤーのオープンソース・ソフトを、アプリケーション・ソフトも含めてワンパッケージ化したもので、いわばアプライアンス製品だ。行政や教育など特定業種のバーティカル・マーケット向けにカスタマイズして提供するのだが、米国ではそれなりのニーズがあるという。当然、ハードも合わせて提供することになる。

 これを、オフコン商売のモデルとまでは言わないが、日米でユーザーのニーズに同じ基調が感じられる。スタック、ワンパッケージ、アプライアンス、まあなんと言ってもいいだろう。なんだったら日本のオフコン時代の用語を使い、ターンキーと呼んでもいいだろう。そんな手軽さへの志向、そこにビジネスチャンスを見出したIT企業の動きがこれらの発表なのかもしれない。

1 コメント

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message (Mobile Application)
2021-10-03 00:47:45
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