東葛人的視点

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新商材“ブレードPC”ってどうよ?

2005-01-11 19:48:19 | ITビジネス
 日本でも、いよいよ“ブレードPC”が商材として登場する。ブレードPCは、ブレード・サーバーのフレームにクライアントPCのブレードを差し込んだものだ。クライアントPCのブレードのほか、サーバーやストレージのブレード、ネットワークのすべてが同一のフレームに収容可能で、クライアントPCのブレードは複数のユーザーでシェアすることも可能になる。エンドユーザー側にはディスプレイ、キーボードなどの入出力しか置かないが、従来のシンクライアントに比べ物理的にはPCが存在するため、利用環境は従来のPCとほとんど変わらない。

 来月にはHPが日本でも発表する予定だし、日立をはじめ日本のメーカーも順次製品化するはずだ。このブレードPCのメリットは、なんと言ってもセキュリティ面にある。ブレードはセンターに集中されるので、物理的なセキュリティは万全だし、エンドユーザー側に置く入出力をディスプレイとキーボード、認証機器に限定すればシンクライアントと同等の安全性を確保できる。エンドユーザー側から言っても、使っているクライアントPCがダウンしても代替リソースが即座に提供されるなら、こんな結構なことはない。

 このように様々なメリットがあり、日本でもユーザー企業の関心が高いため、メーカーはかなり強気の価格設定をする見通しだ。クライアントPCは完全にコモディティ化し、価格とボリュームだけのビジネスになって久しい。私などは、こうしたハードに関心を失っていたが、久しぶりにわくわくするような新商材だ。まあ、製品が出れば、馬脚をあらわし「こんなはずじゃなかった」となるのが世の常。どれくらいの市場を創れるか、注目しておくことにしよう。