青年 第二集は昭和44年に刊行され、202句が収録されている。作者26歳である。この年の熊日川柳大会の選者も務めておられる。第二集から15句。
馬鹿になりきれずセールスせず戻り
青春のひと日の青春らしい日よ
平和とは男に髭が伸びてくる
ピエロにもなれず奈落に貌があり
殺したい女死にたいなどと言う
安全な場所で社長のヘルメット
僕に似た痩せ犬視界から消えろ
ゴキブリを仕留め貧しさあからさま
耳飾り可愛い耳と気付かせる
プライドを掲げ薄給にしがみつき
虹二つそんな日もあるから生きる
素うどんの男鞄を抱いて食べ
デパートの屋上孤独な猿がいる
青春の偶像地蔵に首がない