元旦はいつもの通り「霞ヶ浦の日の出」です。
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クローゼットファイル 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介の感想
「仕立屋探偵桐ケ谷京介」シリーズ第二弾。阿佐ヶ谷署の南雲と八木橋京介が味方になっちゃってるではないか。そして小春とのコンビの特殊能力が色々と炸裂する。第5話で「内釜」から採取した微量のゴミから成分を割り出して生地を特定するなんぞ、身震いがした。うまいし面白い。ただの苦学生が紬を手に入れるのは相当大変だとは思うのだが、それも背景づくりだから。シリーズの続くことを祈るばかりである。
読了日:12月28日 著者:川瀬 七緒
ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介の感想
「美術解剖学」というジャンルがあるようだ。人により筋肉の付き方は異なるが、病的な部分があればそれは体型に現れ服装のシワに出てくるというのだ。なかなかの視点で面白かった。著者の専門を生かした「仕立て屋探偵」という設定が素晴らしい。近年のRPGゲームを反映させたヴィンテージショップ店員の水森小春も良い動きをしている。「無戸籍者」は民法の「嫡出推定」の規定が大きな要因とのことだが、法務省が把握しているだけで3235名存在するらしい。国や自治体の支援を受けられないので、餓死した例がウエブに載っていた。痛ましい。
読了日:12月24日 著者:川瀬 七緒
乱鴉の空の感想
このシリーズが面白くて好きだ。「おりん」の事を忘れていたが、きちんと思い出で登場させているのには頭が下がる。遠野屋清之助もいつの間にか木刀を振るっているのには驚いた。新たな奉公人「まれ吉」もおぞましいその頃の伝手だ。そして初お目見えの「斗滑衆」が説明される。なかなかすごい技術集団なのに、そんな仕事しかさせてもらえないのはなんとも悲しい。小暮進次郎、「梅屋」伊佐治そして「遠野屋」清之助の3人が解決する江戸の事件は今後も続くのだろう(と期待している)。そうそう「お菰さん」て今どきの若者は知らないだろうなぁ。
読了日:12月23日 著者:あさのあつこ
競争の番人の感想
今日(2022/12/13)もJ&Jへの公正取引委員会の立ち入り調査がニュースになっている。公正はとても難しいと思う。そんなことを防ごうと各メーカー団体では公正取引協議会などを設置して事前に不正を防ぐ努力をしていることも顕してほしかった。ストーリーはちょっと残念なことに、ライトノベルの域を超えるものではないと感じた。登場人物のキャラクターも本来はもっと生き生きと描けるのだはないかと感じるのだ。つづきでは、そのへんが改善されていることを期待したい。
読了日:12月13日 著者:新川 帆立
閉店時間 (河出文庫)の感想
1963年に上梓された作品の文庫化。なぜ2022年に?と不思議な感じがする。源氏鶏太の作品を想起させる時代と構成だが、男女差への目線がある分、呑気なサラリーマン小説とは一線を画している。同じ高校を3年前に卒業して同期として入った東京デパート。呉服売り場と惣菜売場そしてエレベーターガールとして中堅となったデパートガール3人の物語である。お店の隠語には説明がついているが、衣替えで空色のブルーズから純白のブラウスになるというのだが、ブルーズがわからない。フランス語で上っ張りでブラウスもそこに含まれるようだ。
読了日:12月09日 著者:有吉佐和子
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千葉県香取神宮
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