YOUTH

青春とは人生のある期間ではなく 心の持ちかたを言う
by Samuel Ullman

11月の読書は10冊でした

2021年12月26日 | Weblog

11月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3564


金の角持つ子どもたち (集英社文庫)金の角持つ子どもたち (集英社文庫)感想
田舎育ちの私には幼稚園さえなかったし、市立の小学校中学校に通うのが当たり前だと思っていた。そして第2章に出てくる担任の先生のように、小学生が通う塾に関しては否定的であった。だが、この作品を読んでみて(主人公の少年が出来すぎではあると思うのだが)考えが少し変わった。小学2年生の孫娘が中学受験をしたいと言い出したら・・・。などと夢想してみた。
読了日:11月28日 著者:藤岡 陽子


ぼくらはアンぼくらはアン感想
井戸まさえ氏のノンフィクション『無戸籍の日本人』では1万人以上いるのではないかと表現している無戸籍者。その様な子どもたち4人を中心においた作品だが・・・。M資金なんてワードも出てきておやおやと思った。嘗て勤務していた会社の社長が特別背任罪で起訴されたときにある一部でこのM資金の話が出て戦後は終わっていないなと感じたものだ。出だしがシリアスだったのだが、後半にはこの戦後隠蔽物資やら、それを追う政治家などが登場し、物語は一転活劇に変わってしまった。構成も大変良くできており大いに楽しめた。
読了日:11月28日 著者:伊兼 源太郎


JR上野駅公園口 (河出文庫)JR上野駅公園口 (河出文庫)感想
福島県常磐市(現いわき市)で小学校期を過ごした身であるが、鹿島町は知らなかった。内郷と小名浜の間を抜ける街道を鹿島街道と言っていたが、それと関係があるのだろうか。解説の原武史氏は天皇制を強く意識した書き方をしているが、私は時代背景を表現したモチーフだと感じながら読んだ。人それぞれにいろいろな人生があるわけだが、ホームレスの心情を中心として描いたのはなかなかの観点だ。上野恩賜公園は都立美術館、上野動物園、東京文化会館くらいしか行かないが、いつ頃からかたしかにホームレスのハウスを見ることが少なくなった。
読了日:11月26日 著者:柳美里


禁じられたジュリエット禁じられたジュリエット
読了日:11月26日 著者:古野 まほろ

 


永遠をさがしに (河出文庫)永遠をさがしに (河出文庫)感想
テレビ朝日の番組で元プロ野球選手の長嶋一茂氏がチェロを弾いていた。チェロを独りで抱えることもできず、弓を安定してこすることのできない姿を見て、難しそうだなぁと改めて思ったチェロの演奏。カザルスの無伴奏チェロ・ソナタは我が家の棚にも鎮座しているが、コンサートで聞いた堤剛のドヴォコンはすごく印象に残っている。突発性難聴という病は中山七里の「岬洋介」で知ったが、音楽家としては気の毒でならない。雨の月曜日、じっくりと若き音楽家の物語に浸った。
読了日:11月22日 著者:原田 マハ


黒牢城黒牢城感想
戦国時代、老いも若きも、おんな子どもも大勢が犠牲になった。そんな舞台背景で有岡城主荒木村重と小寺官兵衛が、知略を尽くして謎を解くのである。こういう形式は連作短編というようだが、最初からなかなか物語りに入り込めなかったが、読み終えてみればなかなか深いところに意味を持たせた作品だと感じさせられた。
読了日:11月19日 著者:米澤 穂信


新任巡査(下) (新潮文庫)新任巡査(下) (新潮文庫)感想
第二章の「警ら・職務質問II」で早くもアキラの育ち方がわかっちゃった、と思ったのだが・・・。お仕事小説ではない本格ミステリの幾重にも編み込まれた仕掛けがすごかった。小説全体を構成する伏線、新任巡査に関わる伏線。夫々において予断を許さぬ展開で実に楽しかった。警察官というお仕事の大変さが伝わるし、階級というヒエラルキーも見事に描いていた。解説の村上貴史氏の勧めに従い、「禁じられたジュリエット」「新任刑事」「女警」を読んでみたいと思っている。
読了日:11月12日 著者:古野 まほろ


新任巡査(上) (新潮文庫)新任巡査(上) (新潮文庫)感想
「新任警視」を読み終えてから「新任巡査」「新任刑事」の作品があることを知り手にした。やはり創作順に読めばよかった。こちらのほうが随分と読みやすい。とはいえ、回りくどい表現の仕方は扱う組織が組織だけに狙っての表現なのだろうが、やっぱりまどろっこしくてわかりにくい。上原頼音巡査と内田アキラ巡査、上巻では愛予警察署勤務に選ばれた理由の半分しか知らされない、一つには課長の重視している回答の「喫煙所」のやり取り。そしてもう一つは・・・。
読了日:11月08日 著者:古野 まほろ


わたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイスわたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイス感想
私の身の回りに聴覚障害の方がいないので具体的なことは何も知らない。厚生労働省の統計によると聴覚障害者の数は平成28年で31万人に上るということだ。これらのみなさんが聴者(作中でこの言葉が使われている)とのコミュニケーションに不都合を感じているのだからなんとかしなければならない。本書では2020年のコロナ禍には触れているが、パラリンピックには触れられていない。そして国際聴覚障害者スポーツ協会(ICSD)は独自にデフリンピック( Deaflympics )を開催している。この辺までは知りたかった。
読了日:11月05日 著者:丸山 正樹


正欲正欲感想
団塊の世代と呼ばれ、常識人として数々の枷に囚われて生きてきている私には、なかなか理解できない世界を見せつけられた。読みすすめるのもしんどかった。LGBTQのQ、「QUEER」という単語の持つ意味も色々あるのだろうと考えるには至ったが、それでも私はそういう人々を"QUEER"と見ることだろうと思うのだ。
読了日:11月02日 著者:朝井 リョウ

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