南波多中ブログ

伊万里市立南波多中学校の日常を 保護者及び南波多町内外の皆様にお知らせします。

今年の校長会会報への投稿より・・その2/2  テレビ会議システムの導入

2018-01-05 06:19:58 | 校長の話・・・全校集会等における校長講話

 テレビに向かって・・「じゃんけん、ポン!」


 オーストラリアの学校へテレビを通して剣道の紹介(剣道部員によるパフォーマンス)

 テレビ会議システムの導入

 平成25年度、26年度の2年間、呼子の小川島にある小川小中学校に校長として赴任した。当時、児童生徒数あわせて27人ほどの離島の学校である。田舎の漁村で、子どもたちは素直にすくすくと育っている。しかし、中学生が私用で島を出るのは月に1回程度だということだった。ましてや、同年代の子どもたちと接する機会が極端に少ない。「地理的に外の世界を見ることができないのはやむを得ない。しかし、考え方や視野まで狭くならないようにしてあげたい。」という思いが強くなった。そこで、Skypeを利用して隣の加唐島とつなぎ、合同朝の会を仕組んだ。次に、自分たちと全く違う環境の「都会の子どもたち」と交流しようと考え、横浜市のある私立中学校と交流した。特筆すべきは、その時期に広まり始めた「ビブリオバトル」をいち早く体験できたことである。

 ひょんなことから高性能のテレビ会議システムを導入していただいた。専用のアダプターとカメラをつないでくっきりした音声と画像でやり取りができた。さっそく、メキシコ時代の同僚が校長をしていた東京の小学校とつないで交流した。お互いの紹介から始まり、さまざまなやり取りをして交歓した。突然、小川小の1年生が「じゃんけんしよう!」と言い出した。実際に画面に向かって『じゃんけん、ぽん!』・・じゃんけんが成立した。画面の乱れや音声の時間的ずれもほとんどないくらいすごい性能だということがわかった。北山小中学校とつなぎ、研究発表会を合同で行った。合同授業のあと、北山校での研究発表や講演の模様を小川に中継してもらい、研究会に参加することができた。活用可能性と広がりを感じた。

 オーストラリアの大学の仲介で、小中一貫校を紹介していただき、日本語専攻のクラスとテレビ会議システムを使って交流することができた。生徒にとっては、生きた英語の体験になり、相手にとっては日本語を試す場になった。「島の外の世界を見せてあげたい」という思いが「国の外の世界」に広がってしまった。さらに、『国際交流授業』とも呼べる経験をすることができた。シドニーオリンピックパークを起点に、『渡り鳥』についての授業を受けた。生徒は、オーストラリアから2校、韓国から2校、そして日本から小川中学校が1校参加、テレビ画面を分割してそれぞれの国のそれぞれの学校の様子を目で見ながらやり取りをした。「オーストラリアから東南アジアを通って中国、韓国、日本、シベリアまで行く渡り鳥がいるはずですが、実際はどうですか?」という質問に対して、「韓国には○○という渡り鳥がいます。」という返事。次に、小川の生徒が、前もって調べていた鳥の名前を英語で、「○○がいます。」と答えた。オーストラリアの先生は、「やっぱりそうですね。渡っているんですね。」発言した生徒は自分の英語が通じてうれしそうである。

 通信機器が発達した今、『今回の取り組みは未来の授業の一例かもしれない。』と思った。近い将来、このような授業が当たり前になればいいな、とわくわくする思いがわきあがってきた。

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