ベテランズデイ

今日１１月１１日はアメリカではVeterans　Dayの祝日でお休みです。ここノースカロライナには今台風が近づいているようで朝から雨と風がすごかったものですから店は暇になるかなあと思っていたのですが予想に反して朝から忙しいです。

昨晩娘と話をしていて今日が「退役軍人の日」なのは聞いていました。娘曰く、

アメリカのために戦ってくれた兵隊さんたちに感謝する日なの

おそらく学校でそう先生から教わったのでしょう。

娘はもう１１になります。親子の会話には日本語を使いますが生まれも育ちもアメリカの娘は「私はアメリカ人」というアイデンティティーが芽生えていることを時折言葉の端々から感じさせるようになりました。

娘や息子を含め、アメリカで生まれた人はアメリカ人であることに何の疑問も持ちませんが日本生まれでアメリカに住んでいるだけの立場の私は彼らとはかなり違ったものの見方をすることが出来ます。

そういう人間の意見に耳を傾けるアメリカ人もいるのですからその辺りはさすがだなと思います。

そんな寛容あるアメリカ人の知り合いの一人にDavidという初老のおじいさんがいます。年齢は私の父と同じ。彼もうちの店の近くで商売を営んでいますからほとんど毎日のようにコーヒーを買いに来てくれます。

Hey　今日のコーヒーはサービスしてくれよ　これだよこれ

そういって見せてくれたのはDavidが４０年前軍隊にいたときに身に着けていた陸軍の身分証でした。

私が商売で悩んでいたときには助言だけでなく金銭的にも助けてくれようとしてくれた人です。その人が今日のコーヒー代は払わないよというのです。今日は退役軍人の日。そう、俺を大事にしろと言いたいわけです。もちろん冗談だってわかる顔をしながらですが。

彼に会うまでは「アメリカは日本と昔戦争をした」のだし、「お互い犠牲が出ている」のだし、などなど難しいことを考えていましたが、彼の笑顔を見て、事を難しく考えてばかりいる私がなんかばかばかしくなってきました。

代わりに今日は今は亡き海軍軍人だった私の祖父にこう言いたいですね。

おじいちゃん、国のために戦ってくれてどうもありがとう