[2020年5月4日 更新]
先月、都立高校の偏差値が8年前とどう変わったかを取り上げた。
<過去記事:8年で、偏差値がどう変化したか<旧3学区>>
上昇が著しい鷺宮、下降が目立つ杉並。
その理由を考えてみた。
まずは両校の数字を並べてみよう。
実倍率以外は、各高校の学校経営シートから集計した。
参照:杉並高校HP
参照:鷺宮高校HP
◆実倍率は鷺宮が高い
2017~2020年度、一般入試の実倍率を並べている。
杉並・男子 1.29→1.11→1.27→1.23
鷺宮・男子 1.55→1.49→1.64→1.51
杉並・女子 1.44→1.35→1.15→1.24
鷺宮・女子 1.51→1.94→2.02→1.56
どの年度でも鷺宮の方が倍率が高い。つまり受験生が集まっているということだ。
2009年度は男女とも杉並の方が実倍率が高かったのだが、2010年度以降はずっと鷺宮の倍率の方が高い。なお2009年度の実倍率は以下の通り。
杉並・男子 1.72
鷺宮・男子 1.49
杉並・女子 1.74
鷺宮・女子 1.62
◆卒業後の進路は
次に進路実績、卒業生がどういう進路を選んだかを比べる
2017~2020春の順に並べる。
杉並・大学 67%→55%→63%→66%
鷺宮・大学 64%→50%→58%→55%
杉並・その他 19%→29%→15%→21%
鷺宮・その他 8%→22%→13%→12%
"短大進学"は両校とも2~4%の間なので、残りは専門学校に進んだということ。
"その他"は進路未決定者で、浪人も含む。
大学進学率では杉並高校に一日の長がある。
が、高校入学基準が同じくらいになってきたことから、鷺宮が杉並を食う日が来る可能性はある。
◆学校満足度には差がある
生徒アンケートによる、学校生活に満足している生徒の割合。
これも2016~2019年度の結果を並べた。
杉並 87.5%→81.5%→83%→84.5%
鷺宮 54%→66%→75%→74%
杉並高校は「生徒、保護者の学校生活満足度 」なので、生徒が満足度低く・保護者は高いということも考えられるが、それを差し引いても杉並が優秀。
2016年度の鷺宮高校はひどかったね。よく持ち直したものだ。
◆部活動加入率
両校とも90%を目標としている。
こちらは2017~2019年度の3年分あった。
杉並 96%→90%→90%
鷺宮 83.6%→81.5%→80%
杉並の方が高いが、これは学校選びには重要とは思えない数字である。
無視していい。
(60%以下の低すぎる学校は問題があるが)
◆結論、武蔵丘を目指せ
さんざん比較しておいてこの結論だ。すまん。
杉並や鷺宮を目指すなら武蔵丘の方がずっといい。
むろん理由がある。
武蔵丘の卒業後の進路は昨年度のものだが「大学74%、その他11%」だった。
生徒の学校満足度は86%、部活加入率は88%と悪くない。
そして一般入試実倍率もお手頃。男子1.59倍、女子1.44倍。
男子は鷺宮と同じくらい。女子は鷺宮よりずっと低い。
参照:武蔵丘高校HP
また、数字ではなく学校を見ても分かるはずだ。
「高校卒業後を考えれば、杉並・鷺宮・武蔵丘のどこに行くべきか」という視点で見てほしい。
偏差値は杉並、鷺宮よりやや上だが目指す価値はある。
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