都立に入る!

都立中高一貫校の合格実績

◆都立中学は順次、高校募集を停止する
併設型都立中学の高校募集は今後停止され、中等教育学校となることが発表されている。
今回は都立中のある高校についてまとめた。
2020年度入試では受験可能なので、今の中学3年生は安心してもらいたい。

2021年度以降の募集停止(現中学2年生以下は受けられない)
富士高校 武蔵高校

2022年度以降の募集停止(現中学1年生以下は受けられない)
大泉高校 両国高校

理由は簡単。
「高校受験の倍率が低く、一貫生に比べて質の高い高入生を取ることが困難なため」である。
もちろん公の理由ではないが、実質倍率を見れば明らかだ。受験者全員が入れた年すらある。


「都立中学」とも言われる都立中高一貫教育校には2種類ある。
 1.中等教育学校
・6年間の一貫教育を一つの学校で行う。
・最初の3年間を前期課程、後の3年間を後期課程といい、
後期課程からの入学者募集はない。
・各学年 4クラス

いわゆる「完全中高一貫校」である。
私立でも武蔵、駒場東邦、麻布、海城、攻玉社、芝、早稲田、桜蔭、女子学院、雙葉、白百合学園、渋谷教育学園渋谷などが完全中高一貫校だ。
武蔵中は都立と私立があるが、今後出てくる「武蔵」は「都立武蔵」を示す。

都立は以下の5校。
小石川中等教育学校
桜修館中等教育学校
立川国際中等教育学校
南多摩中等教育学校
三鷹中等教育学校

 2.併設型(都立中学校+都立高校)
・都立中学校と都立高校を接続して6年間の一貫教育を行う。
・都立中学校の生徒は無条件で高校に進学できる。
・他の中学から入るためには高校入試に合格する必要がある。
・各学年 中学校3クラス、高校2クラス

中学からの内部進学生と高校からも入る生徒が混じるのが併設型。
私立の最難関と呼ばれる中学では併設型が少ない。
開成、豊島岡女子、巣鴨、城北、早稲田実業、渋谷教育学園幕張、栄東などがある。


なお私立本郷中学校・高等学校は2021年度入試から高校募集を停止する。
2020年1月・2月入試まで実施。
つまり現在の中学3年生はぎりぎり高校受験できるが、中学2年生以下は高校受験できなくなる。
本郷高校についてはまた記事にしたい。

◆進学実績の差は高校の偏差値?
各高校の入学偏差値は
67 両国
66 武蔵
65 大泉
64 富士
62 白鴎 (Vもぎ 80%合格偏差値を独自に編集)

となっているが、大学合格実績を見ると
武蔵
両国
白鴎
大泉
富士
の順と言えるだろう。

musi578.png

5校とも各学年の生徒数はほぼ同じ。
高入生(高校受験で入った生徒)と一貫生の内訳は不明だが、国立大も私立大も武蔵の圧勝と言えよう。

国公立大の合格実績で武蔵が他を圧倒している理由は何か。
分析してみた。

◆武蔵の強い理由 
結論から言うと、「多摩には他に強い都立中、国立中はないから」だ。

都立中受験(受検)をする層と国私立中受験をする層は大きな違いがある。
その一つが「経済的な事情」だ。
都立中受検生の多くは都立中に落ちたら、地元の市区立中学校に入る。

一方、国私立中受験生は「複数回受けて、受かった中学校へ行く」傾向が強い。
私立中受験は早ければ小学3年生になるタイミングから受験準備を始める。
4年間受験勉強をしてきて第一志望に受からなかった場合、「じゃあ3年後に高校受験すれば言いか」とはなり難い。中学受験勉強のハードさを3年後にもう一度味わうのは、受験生本人も保護者も参ってしまうだろう。

多摩地域でトップの都立中は武蔵。23区なら小石川だ。
都立中を目指すトップ層の小学生が集まるのが武蔵と小石川。
開成、麻布を目指せる能力の子でも、多摩から通うのが難しいという理由であきらめるケースも少なくない。
そういった子の受け皿になっているのだ。

区部では優秀な生徒が受ける私立中高一貫校の選択肢が多い。経済的にも多摩より余裕がある。
よって、優秀な小学生は区部では私立中に流れる。
多摩は経済的な理由から、優秀だが私立中には行けない子の割合が区部より高い。
自然と優秀な子の選択肢は都立中、その中でも最も優秀な子は武蔵という選択をする。

私立難関中を受ける子にとって、都立中も受けるメリットは少ない。
だったら検査日である2/3に他の私立中を受けた方がよい、と考えるだろう。

武蔵と競合するのが国立(こくりつ)の東京学芸大附属中だが、例の不祥事から人気は絶賛ダダ下がり中である。

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