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2020年度 都立高校入試の仕組み<2> 推薦入試とは

都立高校入試は大きく2種類に分けられる。

学力検査を課さない「推薦入試」
学力検査のある「一般入試」

今回は「推薦入試」を詳しく説明する。
以下の内容は令和2年度入試のものなので、翌年度以降は変更の可能性がある。
また、例外もあることをご承知いただきたい。

◆推薦に基づく選抜 
ふつうは「推薦入試」と呼ぶが、正式には「推薦に基づく選抜」である。
このブログでも「推薦入試」と言っている。

都立高校の募集定員は各校とも6~8クラス、300名前後。
そのうちの20%を「推薦入試」で合格させる。
残り80%が「一般入試」の枠だ。

◆合否の決め方 
以下を点数化して、その合計点(=総合成績)の高い順に合格者を決める。

1. 調査書(=通知表の点数)
2. 集団討論+個人面接
 3. 小論文 または 作文
 4. 実技検査

1. 調査書(=通知表の点数)
中学3年生二学期の通知表。9教科の点数(5~1)を足し算するだけ。
オール5なら満点の45。オール1が最低で9となる。
どの教科も点は平等である。

2. 集団討論+個人面接
詳しくは別記事で説明する。

3.小論文 または 作文
これも別記事を作る。
学力下位の高校では間違いなく「作文」である。
専門学科も「作文」がほとんど。工業科などは「作文」すらない高校が半分以上だ。
理由はあえて言わない。
専門学科で「小論文」を課すのは国際高校、科学技術高校、千早高校のみだ。
千早は「小論文」を課すことで、進学に力を入れているアピールをしているのだろう。

4. 実技検査
普通科高校では実施しない。
駒場高校と野津田高校の体育に関する学科や、総合芸術高校は、調査書よりも実技検査の方が高得点である。



◆得点配分は学校ごとに違う
普通科の「推薦入試」は、
「調査書」「集団討論+個人面接」 「小論文(または作文)」の合計点(=総合成績)で決まるが、その点数配分はまちまち。

共通のルールは"総合成績に占める調査書点の割合の上限が50%"というものだけ。

いくつかの普通科高校の点数配分を見てみよう。
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ほとんどの都立高校の点数比が
調査書 : 集団討論+個人面接 : 小論文(または作文) = 2:1:1
である。

「集団討論+個人面接」 「小論文(または作文)」の配分にも規則性はない。
上位校ほど「小論文(または作文)」を重視する傾向があるが、例外もいくつかある。
白鴎高校、上野高校、豊多摩高校、大泉高校などだ。


◆調査書が高得点なのは当たり前
「推薦入試」は「一般入試」よりも先に実施する。
よって、ダメでもともとだと受験する者も少なくない。だから倍率は一般入試よりも高くなる。

本来ならもっと上のレベルの高校に行けるような好成績の子も「推薦入試」を受けることがある。
だから
調査書点が高いのに落ちる受験生 は珍しくない。

逆に
調査書点が低いのに逆転合格する受験生 は存在しない。
抜群に作文が上手い、面接や討論での弁が立つという生徒をイメージするかもしれない。
でもそういう子はおしなべて通知表の点数、つまり調査書点もいいものだ。経験上、そう思っている。例外はまずいない。

「推薦入試」は、ダメでもともとが通用する世界ではない。
受験料と時間のムダなので、実力相応校を受けるのなら一般入試に賭けるべきだ。 

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