今日、場所によっては雪だそうですが、
父ちゃんの住んでるところには、朝から雨が降っています。
ばあちゃんには、厚着をさせてデイサービスに送り出しました。
みんみが、こっちに住んでた時、学校からもらってきた卒業記念樹の冬桜を、
二人で山のてっぺんまで持ってって勝手に植えて来たことがありました。
当初は庭の隅に植えようと思っていたんですが、
考えてみたら、散った桜の花びらが、
お隣の庭に落ちたら迷惑だろう、と気づいたわけです。
町を見下ろすその山は、上半分が全部桜の木というおめでたい山ですが、
咲き始めるまでは、枯れ木の山でしかありません。
何年かたって、枯れ木だらけの山の頂上に小さい桜が見えたら、
それは、みんみの冬桜というわけです。
他の人にはないしょで、こっそり見上げてうっとりしようという
素晴らしい計画を考え付いた父ちゃんです。
でも、もうちょっとよく考えてれば、
山のてっぺんまで水をやりに行くのは大変だとも気づいたはずです。
植えてから一度も水やってません。
今日、この雨をありがたがっているのは、町中で父ちゃんだけだと思います。
なごり雪 伊勢正三・イルカ・南こうせつ