キネ旬ベストテン、そしてオレ様のベストテン。

　すでにご存じの方も多いでしょうが、キネマ旬報の2006年ベストテンが発表されました。

【日本映画】
1位　フラガール
2位　ゆれる
3位　雪に願うこと
4位　紙屋悦子の青春
5位　武士の一分
6位　嫌われ松子の一生
7位　博士の愛した数式
8位　明日の記憶
9位　かもめ食堂
10位　カミュなんて知らない

　うん、まあ、妥当。特に1位と2位は選ぶべくして選ばれた、という感じです。3位以下に関しても「なんでコレが？」というのは入っていないので、まずは順当だと言えるでしょう。しかーし！　このベストテン、よく見ると……いや、よく見なくても、肝心な作品が入ってないじゃん！　それはアカンて！

　何も僕にとって2006年ダントツのナンバーワン作品である『シムソンズ』が選ばれていないから怒っているわけじゃありません。『ラブ★コン』『タイヨウのうた』『小さき勇者たち～ガメラ～』『テニスの王子様』が入っていないのも、これまた仕方ないでしょう。でもさ、でもでもっ、『ストロベリーショートケイクス』が入っていないのはアカンじゃろがっ。
　と思っていたら、なんと『ストロベリーショートケイクス』は次点だって。つまり11位。なんちゅう残酷な。何票差なのか分からないけど、もしもベストテンに入ったら、それを売りに拡大公開できたかもしれないのになぁ。「キネ旬ベストテン作品」ってのは、今でも少しは宣伝効果があるんだから。だよね？

　そんな風に思うのも、『ストロベリーショートケイクス』が「届けられるべき客層に届いていない」ように感じたからなのよ。いや、映画好きの間で高く評価されているのは分かってる。シネマテークへ足繁く通っているような者たちの間では相当強く支持されているだろう。しかし、そのシネマテークでさえ、僕が観た時は、客の大半が男だった。別に「女性が主人公だから女性向け」とは言わないけど、これはやはり女性にこそ観られるべき作品じゃないか？
　同じようなことは昨年2月に公開された『欲望』の時も感じた。つまりね、「エロ目的の男が客の大多数」ってこと。無論、それが悪いなんてことは全然ない。エロ目当て、大いに結構。しかし、エロい匂いを嗅ぎ付けた男たちが大多数ってのは、この映画にとって少々不幸なことのように思えるのよ。女性客が大半を占める劇場で男たちは肩身の狭い想いをしながらエロい場面を楽しむ、というのが本来のあり方なんじゃねえの？
　しかし、こんなことを書くと『ストロベリーショートケイクス』が思いっきりエロい映画みたいだけど、そうじゃないのよ。いや、エロい場面も多いけど、なんちゅうか透明感のあるエロさというか何というか……まあ、気になって仕方ない人は上映館を探して観に行くように！

【外国映画】
1位　父親たちの星条旗
2位　硫黄島からの手紙
3位　グエムル　漢江(ハンガン)の怪物
4位　ブロークバック・マウンテン
5位　麦の穂をゆらす風
6位　太陽
7位　カポーティ
8位　グッドナイト＆グッドラック
8位　クラッシュ
10位　マッチポイント

　イーストウッドが1位と2位。これは前代未聞の快挙ではないでしょうか。アッパレです。あとはまあ、『グエムル』が予想していたより上位だった（って予想を立ててたわけじゃないけど）以外は、これはまた順当かな。しかし『プルートで朝食を』と『僕の大事なコレクション』も入ってていいんちゃう？

　ちなみに、今回のキネ旬ベストテン作品は、一本も洩らさず観ている。ここ数年、必ず3本ぐらいは未見のものが入っていたけど、今回はパーフェクトである。その要因は、まあ、仕事場から歩いて行けるところに伏見ミリオン座がオープンしたからだろう。20本のうち7本を伏見ミリオン座で観たわけだからね。

　で、遅くなったけど、僕が選んだ2006年の映画ベストテンも発表します。日本映画と外国映画で10本ずつってのはまた「映画バカ一代」で選出させていただくことになると思うので、ここでは観た作品全部から10本を順不同で。

シムソンズ
ストロベリーショートケイクス
プルートで朝食を
ラブ★コン
タイヨウのうた
僕の大事なコレクション
ゆれる
小さき勇者たち～ガメラ～
テニスの王子様
もしも昨日が選べたら