少年トッパ

<2013年5月31日・6月1日公開作> 『オブリビオン』など

 週末恒例、「名古屋で公開される新作映画の注目作はコレ」のコーナー! ☆・◎・○・無印の順で……以下略。

『オブリビオン』(アメリカ)126分
 トム・クルーズの新作。SFみたいですね。それ以外の情報は何も持たずに観たいと思ってましたが、監督が『トロン:レガシー』の人だと知って、すげー不安感が……。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ109シネマズ名古屋イオンシネマ・ワンダー中川コロナシネマワールドTOHOシネマズ名古屋ベイシティワーナー・マイカル・シネマズ大高

『はじまりのみち』(日本)96分
 『二十四の瞳』などで知られる木下惠介監督の若き日々を描いた伝記ドラマ……らしい。監督は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』の原恵一。今回が初の実写映画だそうです。主演は加瀬亮。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマTOHOシネマズ名古屋ベイシティ

『言の葉の庭』(日本)46分
 『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』などで知られる新海誠監督の新作。男子高校生と年上の女性との淡い恋を描いているそうです。うーん、観たい。しかし、ベイシティは遠い……。
※上映館/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ

『グランド・マスター』(中国)123分
 ブルース・リーの師匠、イップ・マンの知られざる姿を描いたアクション・ドラマ……らしい。監督は『ブエノスアイレス』『マイ・ブルーベリー・ナイツ』などのウォン・カーウァイで、イップ・マンを演じるのはトニー・レオン。他にチャン・ツィイー、チェン・チェンなどが出演。
 すっかりイップ・マン=ドニー・イェンのイメージになっちゃったので、今さらトニー・レオンに演じられてもなぁ。でも、かなり見応えありそう。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ109シネマズ名古屋イオンシネマ・ワンダー中川コロナシネマワールドTOHOシネマズ名古屋ベイシティワーナー・マイカル・シネマズ大高

『リアル 完全なる首長竜の日』(日本)127分
 昏睡状態になった恋人を救うため、最新医療技術を使ってその意識下に潜入した青年の姿を描いた異色作。監督は『アカルイミライ』『トウキョウソナタ』などの黒沢清で、主演は佐藤健と綾瀬はるか。
 これ、実は試写で観ました。感想はのちほど、時間があれば。
※上映館/ピカデリー109シネマズ名古屋イオンシネマ・ワンダー中川コロナシネマワールドTOHOシネマズ名古屋ベイシティワーナー・マイカル・シネマズ大高

『バレット』(アメリカ)91分
 シルヴェスター・スタローン主演作。もちろん、アクションものですね。監督は『ストリート・オブ・ファイヤー』『ウォリアーズ』『48時間』などのウォルター・ヒル。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマTOHOシネマズ名古屋ベイシティワーナー・マイカル・シネマズ大高

『イノセント・ガーデン』(アメリカ)99分
 父の死を機に奇妙な事件に見舞われる娘の姿を描いたスリラー……らしい。監督は『オールド・ボーイ』『渇き』などのパク・チャヌク。ハリウッド進出1作目だそうです。
※上映館/伏見ミリオン座TOHOシネマズ名古屋ベイシティ

『監禁探偵』(日本)103分
 見ず知らずの若い男女が殺人事件の解決に挑むさまを描いたサスペンス・ミステリー……らしい。主演は、『桜並木の満開の下に』で好演していた三浦貴大と、思い出すだけで不愉快になるNHKの朝ドラで主演していた夏菜。まあ、彼女に罪はないわけですが。
※上映館/センチュリーシネマ

『タイガー 伝説のスパイ』(インド)132分
 インド映画のスパイものだそうです。面白そう。
※上映館/シネマスコーレ

『旅立ちの島唄 十五の春』(日本)114分
 南大東島を舞台に、高校通学のために島を出る少女とその家族を描いた感動作……らしい。主演は『グッモーエビアン!』の三吉彩花。
※上映館/伏見ミリオン座

『TOKYOてやんでぃ』(日本)102分
 寄席の楽屋裏で繰り広げられる大騒動を描いたドタバタコメディー……らしい。主演は「劇団はえぎわ」のノゾエ征爾。
※上映館/シネマスコーレ

『ある会社員』(韓国)96分
 商社を装った殺人組織のヒットマンが組織から抜け出そうと苦闘する姿を描いたアクション・ドラマ……らしい。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ

『李藝 最初の朝鮮通信使』(日本/韓国)71分
 朝鮮王朝時代の外交官・李藝の足跡を通して日本と韓国の交流の歴史を見つめたドキュメンタリー……らしい。
※上映館/名演小劇場

<寺山修司 映像詩展>
 『書を捨てよ町へ出よう』『田園に死す』『さらば箱舟』『上海異人娼館』『草迷宮』といった代表作に加え、実験映画の短編も上映されるそうです。
※上映館/名古屋シネマテーク

*     *     *     *     *

 この1週間で観た映画は3本。サラッと感想を。

●中学生円山

 『あまちゃん』も絶好調なクドカンの3本目の監督作。前2作では「クドカン、脚本だけだといつも面白いのに」と大いに落胆させられたわけですが、今回は及第点に達していたんじゃないでしょうか。少なくとも僕は楽しめました。
 なぜ今までのがダメだったかというと、要は持ち味を出しすぎていたわけです。自分のセンス、趣味嗜好が全面的に出まくっていたわけですね。つまり「100%自分の世界」なのかもしれませんが、そういうのって大抵の場合、面白くありません。わかりやすい例が松本人志の映画。テレビの時は諸々の制約の中でコントを作っていて、だからこそ多くの人にウケるようなものを作ることができたんでしょうが、その制約がなくなって「やりたい放題」になっちゃうと、極めてまとまりのない独りよがりなものになってしまうわけです。
 なので『中学生円山』も、けっこうヒヤヒヤしながら観ていました。ほら、『真夜中の弥次さん喜多さん』だって序盤はすごく楽しかったのに、中盤以降はやたら怪奇的だったり露悪的だったりして、まったく面白くなかったじゃん。なので「今のところはそれなりに面白いけど途中から思いっきりダメになるんじゃないか」と思っていたわけです。そしたら、結果的には大きく踏み外すことはなく結末を迎えたので、一安心。はっきり言って「面白かった」というより「安心した」という気持ちの方が強かったです。オレ、クドカンの友達でも何でもないのに。
 途中ちょっとビックリしたのは、野波麻帆が出ていたこと。まったく知らなかったので、すごくトクした気持ちになりました。まあ、すぐに……あ、ネタバレになるので書かない方がいいですね。

●くちづけ

 知的障害者とその家族を取り巻く現実を描いた作品。とはいえ決して重くなることはなく、ユーモアたっぷりに描いています。それはそれで大いに評価できるんですが、出来映えには大いに不満が残ります。
 最大の欠点は、原作者でもある宅間孝行の演技。知的障害者を演じているわけですが、ものすごくワザとらしい演技にしか見えません。もちろん本人は真剣に大真面目に演じてるんでしょうが、大げさな動きをするたびに観ている側はゲンナリしてしまうわけです。まあ、これは好みの問題かもしれませんが。
 もうひとつ良くないのは、かたくなに「一幕もの」にしようとしていること。どうやら舞台劇が原作らしく、それに倣って映画でもグループホームのみを舞台に話を進めたのでしょう。それはそれで悪くないんですが、たとえば途中で「浮浪者や囚人に知的障害者が多い」というような話題を出す場合は、実際にそういう人たちの姿を見せた方がより説得力が増すのではないでしょうか。外で散歩をしている時、それらしきホームレスを見かける、とか。
 あと、後半に「障害者に偏見を持った女子高生」が登場するんですが、このキャラクターの造形は安直すぎ。もちろん娯楽映画の中で分かりやすい悪役は必要となるわけですが、この映画が少なからず「啓蒙」の役割を果たそうとしていることを考えると、ここはもう少し現実味を持たせた方が良かったんじゃないでしょうか。その女子高生が典型的なブスであることも含めて、安直に笑いを取りに行った結果の大失敗、という感じです。
 以上、批判的なことばかり書きましたが、こういう題材を取り上げたこと自体は素直に称えたいと思っています。

●リアル 完全なる首長竜の日 ※試写

 自殺未遂で昏睡状態になった恋人を救うため、最先端の医療技術を使ってその意識に入り込む青年が主人公。演じるのは今をときめく佐藤健! 眠り姫、じゃなくて眠っている恋人は綾瀬はるか! まさに旬な組み合わせです。しかし、おのおのの魅力が活かされていたかといえば、それは何とも微妙。というより、そもそも話がまったく面白くありません。確かに凝ってはいるんだけど、どの人物も薄っぺら(まあ、仮想空間の中では薄っぺらなのも当然でしょうが)だし、社会派チックな部分も中途半端だし。
 でもまあ、旬な二人を大スクリーンで見られる、という意味では一見の価値があるかも。すんません、試写でタダで観させてもらったのに褒めなくて。

 読み終えた本は3冊でした。

●実録! あるこーる白書/西原理恵子・吾妻ひでお・月乃光司

 アルコール依存症になった経験を持つ吾妻ひでおと月乃光司、そしてアルコール依存症の男と結婚していた西原理恵子。この三者による鼎談をまとめた本。赤裸々な体験が語られていて引き込まれました。
 特に印象に残ったのは、アルコール依存症である作家や芸術家を無闇に賞賛することへの抵抗。実際、ファンにとっては素晴らしいアーティストでも家族にとっては迷惑きわまりない存在、ってことは多々あるんでしょうね。

●小さいおうち/中島京子

 昭和初期の東京で「女中」として生きた女性による回顧録。今、山田洋次監督による映画化が進められているそうですね。読んだあと、みじみと心が潤い、でもどこかざわざわした気分になりました。複雑な読後感を持たせる小説という意味では名作と呼んでいいのではないでしょうか。僕ごときがこの作品について偉そうに語るのは十年早い、とも思います。

●モンスター/百田尚樹

 ちょっと前に公開された高岡早紀主演作の原作。映画はかなり絵空事っぽくてずいぶん安っぽい印象でしたが、原作の方はもうちょいリアリティーがありました。というか、「いろいろと取材してるなぁ」と素直に感心しました。それでも「ものすげーブスが本当に絶世の美女になれるんか?」という疑問は拭えませんでしたが。あと、この主人公、確かに顔立ちはすこぶる不細工だったわけですが、後になって「体型には恵まれていた」「すごく肌がきめ細やかだった」ということが明らかにされていくわけで、それってずいぶん都合のいい展開じゃん、とも思えたりして。
 ちなみに僕も美女には徹底的に弱いので、整形前と整形後でまったく異なる態度をとる男たちがまったく他人とは思えませんでした。わはは。





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コメント一覧

トッパ
海くんママ、どうも~。『くちづけ』、ご覧になりましたか。

近くにいる人の感情表現がオーバーすぎると困りますよね。土曜日に『はじまりのみち』って映画を観た時は、やたらとスクリーンに向かって文句を言う爺さんがいました。「お前、ひとこと多いわ」とか。それはアンタ自身のこと!(笑)

あのデブの女、いかにも「悪口を言うための役」って感じですよね。舞台ではそれで成立しても、映画だとまったく説得力がありませんでした。

で、僕も素直に感動して泣きたかったんですが、残念ながらこれっぽっちも涙が出てきませんでした。冷血漢になっちまったのかも(笑)。
海くんママ
「くちづけ」観ました。
後ろの席の人が泣き過ぎで困りました。(笑)

デブの女性、普通にはないだろう。あのキャラと思った。

まあいろいろと思うことはあるけど、やっぱり普通に泣けました。
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