ちょっと前に、姫野カオルコの『ああ正妻』を読み終えた。で、その感想をファンサイトの掲示板(http://otd1.jbbs.livedoor.jp/26984/bbs_plain)に書いた。そしたら、なんと主人公である「小早川正人」氏のレスが!
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●『ああ正妻』読了 トッパ 2007/03/31 12:40
『ああ正妻』、読了しました。
北朝鮮やオウム教団みたいな「真っ当な価値観や道徳観念が通用しない組織」に放り込まれた人間のドキュメンタリーを見ているような気がしました。
想像を絶する世界は特殊な場所にあるのではなく、平凡な社会のそこかしこに存在する、ということかもしれませんね。いや、あくまで僕の勝手な解釈ですが(笑)。
●Re:『ああ正妻』読了のトッパ様へ 小早川正人(本人です) 2007/04/01 16:58
トッパ様のコメント、わが意を得たりでした。そういう恐怖なんですよね。
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いやはやビックリ。ミュージシャンや作家の公式サイトにカキコして、そのミュージシャンや作家さん本人が返事を書いてくれることは何度かあったけど、小説の作中人物によるレスは初めてである。
と、ここまで書いても『ああ正妻』を未読の方にはチチンプイプイ、じゃなくて、ちんぷんかんぷんだろう。えっと、少し説明させていただくと、この『ああ正妻』という小説は、小説という体裁ではあるものの、作者いわく「事実度が非常に高いもの」であるらしいのよ。「ノンフィクションとして出すつもりですらいた。小説の形にしたのは、主人公のプライバシーのためである」とエッセイで語っているほどなのだ。つまり、主人公の小早川正人という人物は実在するのである(もちろん仮名だろうが)。
で、内容なんだけど、ごく簡単に言ってしまえば「平凡で純朴な男の結婚生活」を描いたものである。小早川正人は一流出版社に勤めており、収入は平均以上。仕事の能力もなかなかのものであるし、容姿も悪くない。だが、家庭という場では途轍もない不幸に見舞われている。しかも厄介なことに、それはなかなか第三者には気付いてもらえない類の不幸なのだ。とにかく、問題は妻。どんな妻なのかと言うと……ま、実際に『ああ正妻』を読んでお確かめください。集英社刊、税込1680円です。
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