◎『華麗なるギャツビー』(アメリカ)142分
フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』の映画化。謎の富豪ギャツビーをめぐる物語です。監督は『ムーラン・ルージュ』などのバズ・ラーマンで、主演はレオナルド・ディカプリオ。他にトビー・マグワイア、キャリー・マリガンなどが出演。
1974年に映画化された時、ギャツビーを演じたのはロバート・レッドフォードでした。正直言って物語自体にはさっぱり面白さを感じられなかったんですが、今回はどうなんだろ。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
◎『俺はまだ本気出してないだけ』(日本)105分
人気マンガの映画化。漫画家になると宣言した42歳のバツイチ中年男が起こす騒動を描いたコメディー……らしい。主演は堤真一で、監督は『コドモ警察』シリーズなどの福田雄一。『あまちゃん』が絶好調の橋本愛も出てるみたい。
※上映館/109シネマズ名古屋/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
◎『恐怖と欲望』(アメリカ)62分
スタンリー・キューブリックがデビュー前に作り、自身の手によって封印した作品だそうです。本人が見せたがらなかったものを引っ張り出さんでも、と思わなくもないですが、キューブリック作品なら観たくなるよね、やっぱり。
※上映館/名古屋シネマテーク
◎『インポッシブル』(スペイン/アメリカ)115分
地震による大津波から生還した家族を描いた人間ドラマ……らしい。スマトラ島沖地震の時の実話の映画化だそうです。主演はナオミ・ワッツとユアン・マクレガー。
※上映館/伏見ミリオン座/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
◎『二流小説家 シリアリスト』(日本)?分
売れない小説家が不可解な事件に巻き込まれていくさまを描いたサスペンス……らしい。原作はものすごく評判になった海外ミステリーだそうです。主演は上川隆也。
※上映館/ピカデリー/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
○『ハード・ラッシュ』(アメリカ)109分
裏社会から足を洗った元運び屋が家族を守るため再び危険な任務に挑む姿を描いたアクション作……らしい。主演は『ザ・ファイター』『テッド』などのマーク・ウォールバーグで、ケイト・ベッキンセイルが奥さん役だそうです。
※上映館/109シネマズ名古屋
○『サンゴレンジャー』(日本)100分
石垣島のサンゴを守る環境省自然保護官の奮闘を描いたハートフルコメディ……らしい。青柳翔、田中圭、佐々木希などが出演。
※上映館/センチュリーシネマ
『ファインド・アウト』(アメリカ)94分
謎の失踪を遂げた妹を捜す女性を描いたスリラー……らしい。主演は『レ・ミゼラブル』などのアマンダ・サイフリッド。
※上映館/センチュリーシネマ
『命ある限り』(インド)175分
ボリウッド映画。次々と降り掛かる試練に翻弄される男女の愛の軌跡を描いたラブロマンス……らしい。
※上映館/シネマスコーレ
『劇場版BUCK-TICK バクチク現象I』(日本)86分
BUCK-TICKのデビュー25周年を記念したドキュメンタリーの前篇、だそうです。後篇は翌週公開。
※上映館/109シネマズ名古屋
『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』(アメリカ)84分
世界中で親しまれているイームズ・チェアの生みの親として知られるチャールズ、レイ・イームズ夫妻の軌跡を追ったドキュメンタリー……らしい。すみません、イームズ・チェアっての、僕は知りませんでした。
※上映館/名古屋シネマテーク
『絶叫学級』(日本)77分
女子校を舞台にしたホラーだそうです。同時上映は『稲川淳二の銀幕夜話~恐怖談~』。
※上映館/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
『宇宙戦艦ヤマト2199 第六章「到達!大マゼラン」』(日本)?分
第19話から第22話まで、だそうです。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ
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この1週間で観た映画は3本。簡潔に感想を。
●オブリビオン
やっぱり絵になりますわ、トム・クルーズ。いや、ストーリー自体も面白かったんだけどさ、前半は肝心なことが伏せられたままに話が進んでいくので、ちょっとイライラしてくるのよ。なのでトム・クルーズみたいに華がある役者が主演でなきゃ、ちょっと間がもたなかった気がします。
真実が明らかになってからの展開は、定石通りではあるけど見応え充分。僕が好きなタイプのSFでした。「アイツはどうなった?」と思ってたら最後の最後に……おっと、これを書いたらネタバレになりますね。ハッピーエンドが好きな僕としては大満足できる結末でした。
●奇跡のリンゴ
観るつもりはなかったんですが、招待券を頂戴したので観ました。面白いじゃん。感動の実話の映画化っていうと、どうしても押しつけがましさを感じるし、観る側も変に構えちゃうわけですが、この作品の場合、深刻になりすぎず、かといって軽くもならず、ほどよいバランスを保っていたと思います。阿部サダヲと菅野美穂という組み合わせが良かったのかも。
●ぼっちゃん
ネタバレあり感想です。
秋葉原での連続殺傷事件を題材にした作品。とはいえ、事件そのものは描かれず、その直前で終わります。つまり「あんな事件を起こす前、彼に何が起こったのか」が描かれているわけです。
この主人公、貧相で運動がダメで、大した能力もないという典型的「負け組」の派遣労働者です。なので、同じような立場の者が観たら共感できるキャラ……かと思いきや、まったくそんなことはありません。ひがみっぽくて卑屈なのはともかく、自分より劣っているように見える者を見下したりなど、ものすごく性格が悪いのよ。友達になりたくないタイプ。
なので、観ていてシンドいです。ウンザリします。しかも演じているのは、ほとんど世に知られていない役者さん。ほら、ダメ男を描いた作品でも、ほとんどの場合、それを演じるのはそれなりに好感度が高い役者だったりするじゃん、浅野忠信とか堤真一とか妻夫木聡とか。でも、この映画の場合、無名の貧相な役者さんが演じているので、リアリティが半端じゃないわけです(とはいえ極端に不細工な顔ではなく、まあ平均レベルだと思うけど)。
映画は観客に安易な共感や同情を求めることなく進み、それが潔さを感じさせます。ただ、観ていて戸惑うのは、どこまでがギャグか分からないこと。「睡眠障害」の実態を詳しく知らないので何とも言えませんが、ホントにあんな風に何度も気を失っちゃうわけ? あのあたりの描き方がスラップスティックコメディっぽくも感じたんですが、笑っていいものかどうかちょっと途方に暮れちゃいました。
読んだ本は4冊半。なんだかんだで、いろいろと読んでおります。
●共喰い/田中慎弥(表題作のみ)
前から気になってた小説でしたが、映画化されて9月に公開されるということなので、その前に読んでみました。いやはや、土着的で濃密。主人公が「血の呪い」に囚われているというあたりも含め、中上健次に共通する雰囲気を感じました(って言うほど中上健次作品をたくさん読んでるわけじゃないけど)。
淡々とした筆致で進む物語ですが、これを映像化するとかなり凄絶になるんじゃないでしょうか。楽しみではあるけど、血なまぐさい映像が苦手なので、たぶんビビりながら観ることになりそうです。
●歌謡曲 時代を彩った歌たち/高護
60年代・70年代・80年代の歌謡曲の歴史を丁寧に綴った本。時には全体を俯瞰し、時には一曲の細部を分析・検証し、そこに込められた作り手の想いや先進性を讃えています。歌謡曲には安い大衆娯楽というイメージがあり、それは確かにその通りなんですが、実はものすごい実験性やチャレンジ精神に満ちた作品が多いことに改めて気付かされました。
●セックス・ドリンク・ロックンロール!/みうらじゅん
みうらじゅん自身の大学時代の体験談、だよね? いや、どこまで実話なのか分からないけど、未来への計画も希望も持たないままジタバタと悪戦苦闘する大学生の日常が描かれています。なかなか面白いんだけど、中途半端なところで終わってるのはちょっと残念。
●ふたたびの加奈子/新津きよみ
映画を観た時、「予想していた内容と違う!」と驚いたわけですが、そのあと原作を読んだら映画とはずいぶん違う印象の物語だったので、またも面食らいました。いや、決して悪い意味じゃなくて。
そもそも映画は「親子愛を描いた感動作」みたいな感じで宣伝されていたんですが、実際にはものすごくホラー色の強い話でした。で、興味を持って原作のことを調べてみたら、なんと「ハルキ・ホラー文庫」から出てるじゃん(その後、改訂版をハルキ文庫から刊行)。なーんだ、ハナっからホラーとして世に出た作品だったんだ、と納得したわけです。
で、そのホラー小説であるところの『ふたたびの加奈子』を読み始めたわけですが、これが一向に怖くないんですね。ホラー色、ほとんど感じられません。そのうち怖くなるのかと思いつつ読んでいても、その気配は一向にナシ。その代り、ちょっと驚くような展開が待っていました。
えっとね、映画でも娘は交通事故で亡くなっていたわけですが、原作ではそれが「ひき逃げ」になっているんです。で、当然ながら、最後の方で真犯人が明らかになるわけです。その展開に意外性があるかどうかはともかく、この小説はホラーよりもむしろミステリーに分類した方がいいように感じました。
●字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記/太田直子
映画の字幕制作者として知られる太田直子の2冊目の著作。前作『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』も痛快で大いに楽しめる一冊でしたが、今回も期待は裏切られません。最近の日本語の乱れを鋭く突き、かと思えば自虐ネタを披露し、もちろん業界の裏話も盛り込んでと、サービス精神旺盛です。映画が好きな人はもちろん、そうじゃなくても確実に楽しめる一冊。オススメです。
※太田さんのエッセイ、こちらでも読めます→http://www.tsuhon.jp/title/title_index.html
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小南泰葉の招待制ライブに行ってきました。場所は堀川沿いの洒落た雰囲気のレストラン。
会場に入った時、ロリータっぽい衣装の女の子からチラシみたいなものを受け取りました。スタッフにしては一人だけ気合いが入った格好してるなぁ……と思ってたら、開演時間になってステージに登場したのは、その子。あわわ、本人だったんだ。前にも公開録画で実物を見ているのに、まったく気付きませんでした。
ライブは1時間弱で、ボーカル&ギターの小南泰葉とキーボードの男性という編成。トークは軽やか、でも歌には情念と熱がこもっていて、音楽に向けるひたむきさがひしひしと伝わってきました。発言だけを聞いてると失礼ながら「ケッタイな女」という印象ですが(ホントに失礼ですね)、実はものすごく真っ当で素直で、なおかつ繊細な人なのでしょう。
ちなみに僕としてはカバー曲『希望』が一番聴きたかったんですが、今回はアルバムのプロモーションなので、それは当然ナシ。またどこかで聴けることを期待します。
※小南泰葉のサイト。試聴もできます→http://kominamiyasuha.jp/