雨の合間、自転車のパンク修理に行く。
5日前に前輪がふにゃふにゃと頼りなくなり
4日前に空気を入れなおしたのに
3日前には前より更にぺたんこになった。
2日前に自転車屋さんで虫ゴムを替えてもらい
昨日はやっぱりぺったんこに戻った前輪。
パンク確定。
雨に降られず無事にパンク修理をして貰い
帰ってきて、ホッとする。
瑣末な事だが、とてもホッとして有り難く感じる。
今日一日をすでに大きく感謝するほどに。
今年の終わりに自転車を買い替える予定。
愛着のある自転車だけれど、もう買い替えても惜しくないほどに
よく乗っている。
私の気持ちが離れてゆくのを察するようにパンクをして、
最後まで大切に乗るよ、とまた心を寄せた。
ところで、子どもの頃の話。
小学校低学年くらいの頃、AB型に憧れた。
どうしてかって、AやBやOに比べて少ないから。
少ないって、なんとなく格好いいと思っていたから。
きっと、そんな人は居たはず。
いや絶対どこかに居たよ。
そんな訳で、ある時。
母親がパンツを新調してくれる事になった。
下着売り場で好きなのを選んでね、と言われ
母親は他の売り場へ行ってしまった。
下着売り場には、子ども用の下着が3枚ひと組みで
売られていた。
色々な絵柄の中、血液型と女の子がプリントされた
ものも売られていた。
私の血液型はO型。でもAB型が欲しかった。
O型はショートヘアのボーイッシュな女の子、
AB型はウエーブヘアの女の子らしい女の子が描かれていた。
そこもなんだか癇に障ったのだ。
でも、O型の私がAB型のパンツを選んでいいのだろうか。
身内以外、誰も見ることもない、身内ですら誰も
気に留める事すらないパンツなのに、私は真剣に
何度も何度も自分に問うた。
本当はO型なのに、嘘をついていいの?と。
悩み抜いて決断したはずなのに、AB型のパンツを
穿く度、私はその後しばらくの間、
薄く罪悪感に苛まれた。
この頃、度々その時の事を思い出す。
小さな人が自分自身の血液型を
知りたい!
と時々口にするからだろうか。
また雨が降ってきた。
細野魚さんのTOKOSHIEを聴きながら
美味しいスコーンにたっぷりの
クロテッドクリームを付けて頬張る幸せ。
大人っていいな、と思う。
AB型のパンツからも卒業出来るのだから。