とんもの日記

いつか どこかの 本当のはなし

酢豚にパイナップルの意義を知ったように

2021-04-15 14:01:01 | 日々のこと

キャラメルコーンを買った。

数年ぶりに。

ビター、という文字に心惹かれたから。

ビター味のものが好きだから。

 

キャラメルコーンの思い出。

小学生の頃、キャラメルコーンが好だった。

そんなに頻繁に食べるお菓子ではなかったから

本当のところ、そこまで好きなお菓子では

無かったのかもしれない。

けれども

市民体育館の売店へ親に連れられてゆき、

何か一つ買ってあげるよ、と言われると

なぜか、キャラメルコーンのあの赤い袋が

特別に美味しい物のように映った。

 

体育館の黒い合皮の長椅子に座って

外を行く人々を眺めながら

買って貰ったキャラメルコーンを食べた。

 

特別に美味しいものを

独り占めしている幸せを

感じつつ。

 

そうして、いつも裏に書いてある

カロリーの高さに慄いた。

こんな高カロリーのものを

ひとりで一袋食べてしまっても

いいものだろうか。

食べながら、罪悪感にも苛まれた。

 

小さな時から体重を気にする

習い事をしていた事が関係している

かも知れない。

 

以来、高カロリーなものと言って

思い出すのはキャラメルコーンと

市民体育館の売店の思い出。

 

キャラメルコーン。

中に入っているピーナッツの美味しさを

意義を、大人になってから知った。

酢豚にパイナップルの意義を

知ったように。

 

ピーナッツに意義を見いだせる

ようになると、底に溜まってしまう

ピーナッツにどうしようもなく

もどかしさを感じた。

そうしてこんな風に思う。

 

キャラメルコーン

コーンをすっかり食べ尽くし

袋の底にぼんやりと溜まるナッツの

いとわろし

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