かぐや姫のひとり言

今日楽しいことを1番に、日々暮らしています。

リリーのすべて

2016-04-17 01:55:01 | 日記

  


  『 リリーのすべて 』


史上初めて、性別適合手術を受けたデンマーク人の
実話をモデルにした小説を映画化。

主役のリリーを演じるのは、約1年前に見た
「博士と彼女のセオリー」で話題になったエディ・レッドメイン。
洋画の記憶があまり残らない私ですけど、鮮明に覚えています。
あの映画、良かったねぇ。
でも、今作はそれ以上に私好みでした。

時代は今からおよそ90年前の1926年。
今でこそ同性結婚が認められたりしているけれど、
当時はそんな世の中であるはずもない。

これは病気なのだろうか、隠せるものなら伏せておきたいその衝動。
しかし、一度湧き上がってしまった思いは、
自分でもどうすることもできなくなってしまった。

「リリー」と呼ばれ、鏡に映る自分の姿に
本来の自分を見出してしまった彼・アイナー。
口元や視線の動き、その指先ひとつとっても
だんだんと自然に女性になっているところは素晴らしい。
たとえ死の危険を伴ってでも、「自分は女になりたい」と心に決める。


しかし、昨日まで普通の夫だった人がいきなり女性に目覚めたら・・、
はたしてその時、妻はどうだろうか。
愛する夫が夫でなくなる、それ以上に男でなくなろうとしている。

自らに正直に生きようと決断した男も凄いけど、
妻の立場を失ってでも愛する人の思いを支えようと決めた女はそれ以上に凄いよね。
その心の葛藤は計り知れないほどに・・。
感情移入してしまうのは、間違いなく奥さんのゲルダでした。
そして、どちらもその美しいことと言ったら・・・。


夫と妻、男と女、その二人ともが主役のいい映画。
お互いの静かな愛がひしひしと感じられます。
今年の指折り、秀逸でした。

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