いつにもまして個人的な好き嫌いにフォーカスしたレビューでもなんでもない記事であることを事前に予告。
個人的な感じなんだけど、
アスラン復隊/ミーア絡み(セイバー搭乗)-アスラン脱走/ミーア絡み(セイバー破壊を経て)-アスラン再起/ラクス絡み(インジャス搭乗)
運命最大の仕掛け、偽の自己、真の自己。力が自分ではなく、想いこそが自分である。
ある意味キラが出した結論(力だけが僕のすべてじゃない)をアスランも別ルートでたどった軌跡
それを知る者。
そのメイン軸が、個人的に感銘を受けなかった理由は(ネットで見る限り、このあたりの話数(10話・36話・42話)はかなり人気高いけど
(特にアスラン(ザフト)が好きな人は。その辺りのアスラン好きな人は、AMAL好きな感じだし。(個人的には二大地雷だけど)
責任、という観点がきれいに抜け落ちているからだと私は思ってる・・・
マクロ的ミクロ的に、すべてのことに責任がとれてるキャラなんていないけれど。
このあたりの展開で、なぜアスランもミーアもラクスがどう思うか?という「想像」がまるごと欠けているのか。
特にアスラン。
個人的にラクスはわかってくれる、と思っていたとしても、
ラクスは先の戦争で、三隻同盟の事実上の盟主だったわけで、アスランもその旗の下で、ザフトと戦ったわけでしょう?と。
いくら現状は隠棲状態とはいえ、そのトップの偽物をほとんど無批判に受け入れるってありえないくない?と思うわけで。
それに現状、アスランは、オーブ元首の特使、という形で来てるわけで、その立場に対する無頓着さってなんなの?と。
この行動で、アスランはラクスとカガリの顔に泥を塗ったと思ってる。私は。
この時点で、アスランが、オーブやアークエンジェルに帰る、という道は途絶えたといわずとも、
大幅に狭まったとみるべきじゃないのと?
百歩ゆずって、この時点で市民をなだめるには必要って思っても、
今後のミーアの言行動を注視する視線、(先の戦争で、自身が反逆者として追われ、父を失ってまで訴えた内容が違ったら困るだろう普通に。それを見定める視線はあったのか?)
そしてなにより、本物のラクスが狙われたという時点で、ろくに心配もしない。
議長だと決まったわけじゃないだろ?という部分に固執して、狙われたこと自体、同胞に殺されかけたラクスの心情についてはまるで無配慮。
いまだに、ラクスはアスランの婚約者だったのに、キラはどう思ってるんだ?視点あるけど、
アスランはすでに(間接的とはいえ)ラクスを搾取した側だと思うよ。(ミーアが亡くなったあと、ラクスがこうだって、決めつけられるのは困るって、”アスランに”釘さしてるし)
アスラン常に、”偽のラクス”には、困惑顔、ないしは不機嫌な感じで、
アスランも肯定的には見てないですよ。否定的中立ですよ。この部分には否定的でも、理屈的に(相対的に)連合側より議長の方が正しく思えたから、ザフトに組したのですよ、的な都合のいい”落としどころ”で済むと製作者が思ってたのか?という・・・
しかもアスランは、キラやシンと違って、組織を背負うキャラって位置づけだよね?
この復隊、ラクスやカガリに対して”事後報告”じゃ絶対ダメなレベルだと思うよ
(アスラン的には、議長の”申し出”に対して、そんな一度地球に戻って相談してきます、なんて長期保留はかけられない、と思ったのかもしれないけれどさ。顔を立てなければならない相手を完全に間違えてる。カガリやラクスに対する身内意識に甘えてると思う)
それにセイバーでオーブに向かったのも、ミネルバと合流する為であって、カガリやラクスと話すためじゃないしね。
そして、偽物を立てるというやり方を容認したことで、評議会の信頼・威信に対してリスクのある方法を、
さして検討もせずに見過ごした。シーゲル・クラインの生き筋にも泥を塗ったと思うよ。この時点ではまだリスクの段階とはいえ。(うまい方向に回収できる可能性もあったのは事実だけど)
アスランとミーアの行動は、根は善良だけど、思慮が足りず虚栄心の強い子供が、再度、国が間違えるのに協力してしまった、
というどうしようもなさがある気がするんだけど、
(議長が評議会の支持をうけたわけでもない運命プランの為に、国家武力を私物化し、自分に都合のいい世論形成の為に、
地球やプラントへ行われる破壊を見過ごした事実。(ユニウスセブンについての関与(放置含む)については不明とはいえ、
Xナンバー情報漏えいや、デストロイやレクイエムの放置はほぼ明言してるかなと)
アスランとミーアは、いい子健気な子!悪いのは議長!なにもしなかったキラとラクス! みたいな演出がかえってさ・・・興ざめ感がある。
本編はまだしも、補完媒体(小説や特にジエッジ)は特にね。
その辺りの”責任”への言及は、本家脚本が逃げた部分だと思うけれど、
そのあたりの媒体は、その逃げをさらに補強したイメージ。高山版も含めて、
キラやラクスより、公式投票的に、アスラン、シン、ミーアの支持が弱いのが彼らの”被害者のしての側面”が伝わっていないからと思ってそうな気配感じるけど、個人的には逆だと思ってる
あと、男女間描写のグダグダさ。
今回、アスランにミーアが抱きついてタジタジになってるわけど・・・あれを微笑ましいと思うつもりは一切ないよ。
ミーアは、アスランは、ラクス様にはやさしくてラブラブなんだろうな~って思ってるわけで・・・
その大好きな人の婚約者に抱きついてアピールしてどうすんの?って思う。ラクスが傷つくという視点はないの?
アスランもアスランで、もしこの光景を見たらカガリがどう思うの?とか少しは思わないの?と。
それに、ラクスにしてもすでに別の男性を選んで人生を共にしだしてるのに、
自分と同じ姿、同じ名前の人間が、かつての婚約者とべたべたしてるの見てどう思うの?とか、
その類の想像が二人にまるごと欠けてるのがね・・・なんだか。
普通に二人とも、人の痛みがわからない人、になってる。それを人間臭いなんて言い換えしないでほしい。
アスラン的には、俺は肯定したわけじゃないし、歓迎してるわけじゃない、困っていた、と思っているんだろうけど、
所詮は内心のみ根拠ののエクスキューズだよね?その辺りの認識も甘い。自己完結したうえでで、”わかってくれない他者”に責任転嫁してる。
これは偽ラクス容認に対しても同一の問題。
アスラン、女性の立場や面子や心情を守るために戦ったり、泥をかぶったりしない人だなーと思えてしまう・・
(カガリこそユウナを振り切れていなかったじゃないかという視点はあるだろうけれど、
じゃあ、それならこれはカガリへの復讐なのか?というう視点はでてこないか?と)
ミーアとの絡みで→アスランはやっぱりラクスがよかったんじゃない? メイリンとの絡みで→アスランはやっぱり家庭的な落ち着いた女の子がいいよね? という感じは、実際のキャラの心情とは違ったところでその視線はでてくると思うし、
これはカガリ立場ないわ。
カガリとうまくいくパターンは、「”カガリが”脱走兵としてまたコーディネイターとして、オーブで孤立しがちなアスランの心身を、アスランを十分立てつつケアし、なおかつ、閣僚すべてを説き伏せて、地球の主流論調の逆風の中でも、オーブの地球の近隣国との関係を保ち、オーブの国土と国民生活を守れたら」あり得る。という超高ハードル。
これはないだろ・・・と思えてしまう・・・