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種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

三隻同盟

2014-08-03 10:22:56 | SEED DESTINY
運命での、アスランとの再敵対。カガリが二年で成長できなかったこと、キラとラクスの葛藤。その根っこは三隻同盟にあるのではないかなーと。



三隻同盟、アークエンジェル、エターナル、クサナギ。
三隻の艦と、4人のメインキャラという構図から単純に見えることは、一人余る。

アークエンジェル代表は、キラ。唯一絶対のエースパイロット。
エターナル代表は、ラクス。クライン派代表。
クサナギ代表は、カガリ。アスハを継ぐ者。

問題となるのは、その艦と、その代表者との間には、利害の不一致があること。

キラはAAを守るという立場にあるけれど、彼個人の戦いたくない、アスランと殺しあうようなことはしたくない、ラクスを側で守れない、という部分で反目する。
ラクスは、クライン派という組織に対する責任は、何もせずに静かに暮らしたい、キラを戦場に出したくない、という想いと反目する。
カガリは、”現状は”能力的にも心情的にも、そこの艦を努める器量がない。

そういう意味では、AA/キラ エターナル/ラクス、クサナギ/カガリ という段階で、
すでに「6個の立場」がある。

そして、AA⇔キラ、 キラ⇔ラクス、エターナル⇔ラクス、クサナギ⇔カガリ AA⇔ラクス、 エターナル⇔キラ キラ⇔カガリ等々の組み合わせにおいて、
要求が必ずしも一致していない。
例えば、クライン派にとっては、キラは ラクスが引き入れた凄腕パイロットでしかない。
逆にAAにとっては、ラクスは、キラの彼女、くらいの立ち位置だろうし。
キラが、カガリを守るか、ラクスを守るかで、運命では板ばさみになっていた。
そのあたりを押さえておかないと、運命でのキララク描写での13話や39話でのラクスの憂い顔(罪悪感)の出所がわからないし、
26話(とくにスペエディでの)キラの必死さの意味合いがわからない。
キララクとか、AA派とか、オーブ側とかで一緒くたにしちゃうと、
ただの旧陣営VS新陣営の2色になっちゃうのではないのではと。


ただ、そこでは、アークエンジェルはキラのホーム、エターナルはラクスのホーム、クサナギはカガリのホームという現実もまたあり、
同時にアスランには、”ホームがない”という実情がある。

AA/キラ エターナル/ラクス クサナギ/カガリ
というのは、組織と個人であり、基本的に、キラもラクスもカガリも、その”組織”(それが法的公的に存在根拠を持つものでなくても)に従属する立場であり、
”合流した”アスランがやるべきことは、”どの組織が”自分の望む道に一番近いか、ということを見定めるか、
もしくは、第四の道を自ら築き上げるか、だったんだと思う。

アスランが、戦後、居場所を作れなかったのは、
もともとアスランのホーム、だけがなかったことと、
同時に、自分の居場所を、キラか、ラクスか、カガリかという個人対個人の関係に求めた部分だと思う。
それぞれ、幼馴染、元婚約者、そして敵から、知己へ。親友の姉から、恋人へ。
ただ、そこには、アスラン自身が、”そこにある価値観”にたいして自分自身が、どう居場所を定めるか、の意識(覚悟)がない。
もともと利害が完全に一致してるわけではないこの三隻を繋ぐ”平和への想い”というものが、アスランもまた求めたものだったけれど、
広義でみえば、それを追うなら、それこそザフトや連合も含まれる。
自分(達)にとって都合のいい状態で固定された世界を平和というなら、すべての陣営が平和を求めていたわけではあるし。

キラ達が、どう彼らの所属する”組織”に、どう”縛られれているか”の理解がなかったこと。
そして、なぜカガリとアスランが、三隻同盟時代に関係が近づいたといえば、
二人の気持ちの触れ合いと”並行的に”
カガリが、自身のホームから逃げていたという現実がある。

父を亡くした後のカガリは、今までのカガリ、とは違っているのだと思う。
キラの身を案じて泣き崩れるカリダの姿を見ていながら、その彼女と明らかに別人の”母親”の写真を、あっさりキラに見せてしまったり、
倒れた直後のキラに、その写真を手に詰め寄ろうとしたり。
不思慮で無神経な行動を見せている。
父の死の衝撃、自分がウズミの実子ではないこと、目前にせまった、オーブ代表としての立場。
軍服を着ようとしない、艦長席に座ろうとしない、ある程度大きな戦闘の後、自艦をすぐに離れて、キラ達のところに来てしまう。
カガリの”逃げ”については、そう思わせる部分がある。
ルージュに乗る段において、ある程度腹をくくったのだと思う。
「カガリのお父さんはウズミさんだよ」「すこしまってやれよ・・・あいつ、ボロボロだ」
キラに期待した部分はあったと思う、ウズミの代わりを。
だけど、キラを庇ったアスランとラクスによって、カガリは”兄妹に頼る”道を塞がれた。
「守るから、弟かもしれないあいつも」
それは本心でもあるし、決意でもある。アスランの中の気持ちが、組み変わるほどに、”またカガリに惹かれた”(無人島や43話に続いて)のは、その姿勢だろうなと。
ただ、そこには、カガリが、諦めさせられた(キラ=兄か弟か、に頼ること)からこそ、そう決意せざるをえなかった側面もあるし、
強がり、もあるとおもう。
アスランはそこには気付ききれなかった部分あるのだと思う。
カガリの中の、父の不在の大きさに。カガリにとっては、ただの庇護者ではなく、自身がオーブ元首という立場を埋めなければならない。


キラとラクスとカガリの”背後にある組織=責任”
戦後、アスランはオーブを選んだわけだけど、これは、ただキラとラクスが”くっついた”ことにより、
アスランが、戦前からの付き合いのキラやラクスと一緒にいられなかった、ばかりでもないと思う。

三隻同盟のそれぞれの立場はなんだったのか、そしてそれは、なにを敵としていたのか、という部分でみると、一面ではわかりやすい。

AA→アスランが理解するという意味では論外。ひとつには、AA自体には背負う思想があるわけではない。ハルバートンの意思を継ぐ、というマリューの意思がメインではあるが、
それを他のクルーが共有していたとは思いがたい。
マリュー、ムウ、ナタル。
マリューは、ハルバートンの遺志を継ぐ。ナタルは、軍人としての勤めをはたす。
そして、AAの”空気”を一番方向付けていたのは、ムウだったかなとも思う。
ある意味において、自分たちが生き残ること自体を自己目的として、
そしてそこに搭乗してるクルーの個々の感情的な対立や共感、縺れ合いを経て、AAという艦を作っているので、
それを”共有している”人間同士でしか、AAという艦の価値観を持つことはできない気がする。
そのあたりは、連合(ハルバートン)の思想を脱し、ウズミの思想をいれ、望んで残ったオーブ解放戦以降においては、そのあたりも薄れたし、
運命においては、カガリの艦としての意味合いを強めていくから、また話が変わってくるけど、無印段階ではまだアスランが、理解、共存できるようなものではない。

エターナル→コーディネイターのアスランが所属するならここだろ、と思いそうだけど、実はそうではない。
なぜなら、クライン派が”対していたもの”は、ようは、やや乱暴に言うなら、”差別主義者のコーディネイター”だったから。

AAの敵はザフト、エターナルの敵は、主戦派(というか、ナチュラル殲滅派)のコーディネイター。
では、クサナギの敵は誰か、といえば、アスランが”経験した範囲”でいえば、それは連合である。

クサナギ=オーブの思想自体は
「他国を侵略せず、他国に侵略させず、他国の争いに介入しない」
「種族を問わず、オーブの法と理念を守る者なら誰でも受けいれる」
というやり方で、今の世界のやり方に対して、自分の立場を宣言し、ナチュラル対コーディネイターという図式を解体しようとする立場であり、
純粋にその思想に対していえば、決してアスランと価値観(=コーディネイターがナチュラルの上)と親和性の高いものでもない。
ただ、この段階において、連合を敵としていた(連合に攻め込まれた)という点でみれば、アスランにとっては、AAやエターナルよりとっつきやすいように誤解するのも無理はないのではと。
三隻同盟中は、ジャスティスパイロットとして、エターナルに所属していたアスランだけど、
戦後は、オーブに身をおき、カガリの側で力になることを選んだわけだだけど、
ただ、戦後は、連合(地球の国国)と”仲直り”することになるオーブ、
そして敗戦国として、弱い立場にあるオーブでは、アスランが自分の居場所を感じるのはまた難しかったのではと。

アスランは、陣営移動を繰り返したというけれど、こと”連合を敵とする組織に身をおいてきた”という見方だとわりと一貫してる。
(無印4クールでは、連合という枠組みを超えて、対ナチュラルまで裾野は広がってしまっていたし、
逆に運命1クールでは、オーブが連合に屈することになり、ザフト側は、より核をしぼった”対連合_”状態になるし、
(それが狙いだと思わないが)
母の仇(正当な怒りと恨み)自分達に害意を持つ、自分たちより劣ったものが(差別意識)巨大な武力を擁している。
アスランの戦いには、プラントを守る、世界をよりよくする、キラやカガリを守る、いろいろあるけど、
根っこの部分で「ぜんぶれんごうがわるい」という感覚は本音かもなと。

キラが、AAを守るという義務、から外れたのは、39話が心情的な部分だけど、
アークエンジェルが正式にオーブに編入された45話かと思う。
んで同じ話数で、連合が敗北し、ブルーコスモスの盟主が死んだ。(とどめは48話として)
キラとアスランが戦う理由が実質なくなった話数で、
キラとアスランがかつて共に過ごした月を見ながら、一緒に話をし、
ふたりの対立を初期から見守ってきたラクスがそれを見る。
・・・・といっても、そういう見方もできるかもしれないレベルだけど。

無印でのアスランAA合流と、運命でのダーダネルスでの、ムウとキラのアスランへの問いかけは、
アスランを仲間に引き入れたいわけでも、アスランを心配してるわけでもなくて、
あれは、AA代表としてのアスランの”意思確認”に過ぎなかったと思う。
無印では、「とりあえず味方として扱う」と判断し、
運命では、「敵として扱う」として判断したんだと思う。
そのあたりは、トップを女性として掲げつつ、だからこそそのあたりの判断を男側代表(無印はムウ、運命はキラ)
をしてんだろうなと。

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