ここ1ヶ月ぐらいの間は、本業のコンサルタント業の方が忙しく、なかなか更新する機会と内容が無く、申し訳なく思っています・・・
今日は終日、大阪市内におりますが、今はちょっと休息のため、何か更新をと。
さて、ここ数年ご支援してきている豊岡市出石町奥山の方は、各拠点施設の整備と運用がじょじょに軌道に乗り始め、いろいろな事業を仕込みつつあります。
こちらの方は、奥山観光ほたるの郷の公式ウェブサイトをご覧ください。
さて、今日は私を含め、地域再生研究センターの何人かのスタッフがお手伝いし始めている“新しいコミュニティづくり”について、私なりに注意していることを記載しておきたいと思います。
その多くは豊岡市がモデル事業として始めた「コミュニティ協議会」組成のお話が元ネタです。
豊岡市では、平成29年度に全地区公民館を「コミュニティセンター」に改組すべく、地域づくりの新しいコミュニティ形成を始めており、先行実施していた但東町(私がお手伝いしている但東町高橋振興対策協議会も、この一事例)以外の各町では、今年が初年度ということになっています。
そして、この春からは行政側(豊岡市役所)も機構が変わり、公民館の所管が教育委員会から市長部局に移りました。これらのスキームは、島根大学の作野広和教授(先生は、この春に准教授から教授にご昇進されました。おめでとうございます!!)を座長に、検討を重ねてこられた結果によります。
これから約3年をかけて、全地区(=全小学校区)に地域コミュニティ協議会を立ち上げ、地域づくり計画を策定しようとしています。
公民館は、地域の拠り所となる“場”となっていることが多いですから、ここを巻き込んでいくのは重要です。
私は出石町の弘道地区(弘道小学校区)に入り始めており、先般、初めて協議会設立検討会に出席してきました。
この設立検討会、メンバーは区長会の役員方と公民館、そして出石支所の担当課で構成されています。設立検討段階の組織構成を見て、まずその地区の特徴が見えます・・・
お聞きしてもやはり、この地区は区長さん(区長会)をトップに進めることが上手く行く、そのような地域柄なのだそうです。
まぁ、言い換えれば、それだけ区長さんをトップにした地縁団体が、まだまだ元気で、様々なところで機能しているということですね。このような地区は、区長会、地縁団体を大事にしながら、新しいコミュニティのあり方を考えていくことが重要ですね。
とは言え、5年後、10年後を考えた時に、地縁団体の体力に自信がない・・・地区(小学校区)のスケールメリットを生かして、様々な諸問題に対処していく・・・これは、消滅自治体なんかが取り沙汰される世間にあって、もう一つ小さな、住民に最も“身近な”地域単位=コミュニティとして、遅かれ早かれ考えないといけない姿なのですね。
さて、この新しいコミュニティを考える際、重要になることが幾つかあろうかと思います。
スケール、構成単位の変化については、“大・中・小ユニット”として、私の国土形成関係研究支援事業のレポートの中で述べていますので、規模の理論についてはそちらに委ねるとして、ここではそのプロセスの中での留意点について。
まず、
①先のように、その地区で最も機能しうる、または影響力のある組織、人材は何なのかを考えること。
区長会であれば区長会、既に地域づくり系の協議会があれば、その協議会など・・・財産区や○○組合・・・なんていうところがあるかもしれませんね。
その上で、その地区には、どのような既往の組織(地縁団体も、テーマ型組織も、官民、大小問わず)が存在しているのかを拾い上げてみること。
これが、そこの新しいコミュニティの構成員になっていきますね。
そして、
②それら組織や人材が、地域において、どのような部分、どのような分野、どのような活動において動き、影響力を持っているのかを今一度見つめ直してみること。
公民館であれば生涯学習、営農組合であれば農業、PTAであれば子どもたちのこと・・・
その中で、もしマルチに(=多分野横断的に、広範に)活躍している組織、人材があれば、間違いなく新しいコミュニティの中核になっていきますね。
できれば、この段階でどのような人材が、どのような部分で重複して活躍しているのか、ちゃんと把握していることが重要です。地方の、しかも小さな村落にあっては、キーマンは、あっちでもこっちでも駆り出されているという状況が常ですから。
その上で、
③どのような役割分担、組織形態であれば、地域の諸問題に対処しうるのか、一度組織デザインしてみること。
この時、重要なのが並行して、新しいコミュニティが、まずもって対処していく分野、ジャンルを考えること。
要するに、地域コミュニティの初動期において、核となる、柱となるテーマは何なのかを考えておくこと。すなわち、これが初版版の“地域づくり計画”の基本方針となるのですね。
さらには、この内容が所謂、新しいコミュニティの規約(もしくは定款)の目的、設立趣旨になるのですね。
重要!としたのは、将来的には、地域の諸課題を広く対処していくことになると思いますが、萌芽の段階にあっては、いきなり全部をカバーしていくことを考えると、重荷になり、頭でっかちになり、押し付け合い、疲弊していくという悪循環に陥ってしまうことが往々にしてあるからです。
よって、先の②の部分とこの③の部分が、ほんとうに重要なのですね。
組織デザインと計画(戦略)、規約は全てリンクします。
ここから、次のステップですね。
④組成の取り組みと併せて、一度『地域づくり計画』を立ててみること。
やっと、この段階で「まちあるき」や「検討ワークショップ」なるものが出てくるのですね。
弘道地区でもご相談があったのですが、「まちむらたんけん=『まちあるき』を企画したいのですが、どのようにすれば良いですか?」「住民にアンケートを取りたいのですが、どのようにすれば良いですか?」と・・・
何を目的とするのか、そうそう、どのようなコミュニティを考えていくのかで、全く進め方が違ってきます。
いきなり、“課題が重要だ!!”といって、その課題探しのために「まちあるき」や「ワークショップ」を仕込んでも、そもそも、それらが何のために始まったのかが、参加者に十分に理解されていないと二度手間です・・・
ゆっくり時間をかけて地域のあり方を考えます・・・という場合は、大いに有りですが、時間的な猶予が無い、危機感一杯の場合は、やはりコアなメンバーで、下絵を描いた上で動き始めないとダメですね・・・
その危機感や、目的意識さえも共有できない・・・これがもっとも重要なのですね。回り道のようで、実は最短距離・・・そう感じています。
さて、これらの下準備ができて、いよいよコミュニティ形成に動き出す時、
⑤プレイヤー(活動者、実践部隊)とプランナー(企画者)は、できるだけ重複しないようにすること。それぞれ得手不得手がありますから・・・
加えて、
⑥行政組織(=公民館や小学校など)を上手く歯車(組織)の中に組み込むこと。地域によっては、ここで地域外の組織(NPOや大学等)や議員の先生方の組み込み方を考えるところがあるかもしれませんね。
さてさて、次は・・・
いろいろ留意点がありますが、それは次の機会に・・・制限時間いっぱいです・・・これから会議に入ります。
ということで、次回をお楽しみに。ではでは。
今日は終日、大阪市内におりますが、今はちょっと休息のため、何か更新をと。
さて、ここ数年ご支援してきている豊岡市出石町奥山の方は、各拠点施設の整備と運用がじょじょに軌道に乗り始め、いろいろな事業を仕込みつつあります。
こちらの方は、奥山観光ほたるの郷の公式ウェブサイトをご覧ください。
さて、今日は私を含め、地域再生研究センターの何人かのスタッフがお手伝いし始めている“新しいコミュニティづくり”について、私なりに注意していることを記載しておきたいと思います。
その多くは豊岡市がモデル事業として始めた「コミュニティ協議会」組成のお話が元ネタです。
豊岡市では、平成29年度に全地区公民館を「コミュニティセンター」に改組すべく、地域づくりの新しいコミュニティ形成を始めており、先行実施していた但東町(私がお手伝いしている但東町高橋振興対策協議会も、この一事例)以外の各町では、今年が初年度ということになっています。
そして、この春からは行政側(豊岡市役所)も機構が変わり、公民館の所管が教育委員会から市長部局に移りました。これらのスキームは、島根大学の作野広和教授(先生は、この春に准教授から教授にご昇進されました。おめでとうございます!!)を座長に、検討を重ねてこられた結果によります。
これから約3年をかけて、全地区(=全小学校区)に地域コミュニティ協議会を立ち上げ、地域づくり計画を策定しようとしています。
公民館は、地域の拠り所となる“場”となっていることが多いですから、ここを巻き込んでいくのは重要です。
私は出石町の弘道地区(弘道小学校区)に入り始めており、先般、初めて協議会設立検討会に出席してきました。
この設立検討会、メンバーは区長会の役員方と公民館、そして出石支所の担当課で構成されています。設立検討段階の組織構成を見て、まずその地区の特徴が見えます・・・
お聞きしてもやはり、この地区は区長さん(区長会)をトップに進めることが上手く行く、そのような地域柄なのだそうです。
まぁ、言い換えれば、それだけ区長さんをトップにした地縁団体が、まだまだ元気で、様々なところで機能しているということですね。このような地区は、区長会、地縁団体を大事にしながら、新しいコミュニティのあり方を考えていくことが重要ですね。
とは言え、5年後、10年後を考えた時に、地縁団体の体力に自信がない・・・地区(小学校区)のスケールメリットを生かして、様々な諸問題に対処していく・・・これは、消滅自治体なんかが取り沙汰される世間にあって、もう一つ小さな、住民に最も“身近な”地域単位=コミュニティとして、遅かれ早かれ考えないといけない姿なのですね。
さて、この新しいコミュニティを考える際、重要になることが幾つかあろうかと思います。
スケール、構成単位の変化については、“大・中・小ユニット”として、私の国土形成関係研究支援事業のレポートの中で述べていますので、規模の理論についてはそちらに委ねるとして、ここではそのプロセスの中での留意点について。
まず、
①先のように、その地区で最も機能しうる、または影響力のある組織、人材は何なのかを考えること。
区長会であれば区長会、既に地域づくり系の協議会があれば、その協議会など・・・財産区や○○組合・・・なんていうところがあるかもしれませんね。
その上で、その地区には、どのような既往の組織(地縁団体も、テーマ型組織も、官民、大小問わず)が存在しているのかを拾い上げてみること。
これが、そこの新しいコミュニティの構成員になっていきますね。
そして、
②それら組織や人材が、地域において、どのような部分、どのような分野、どのような活動において動き、影響力を持っているのかを今一度見つめ直してみること。
公民館であれば生涯学習、営農組合であれば農業、PTAであれば子どもたちのこと・・・
その中で、もしマルチに(=多分野横断的に、広範に)活躍している組織、人材があれば、間違いなく新しいコミュニティの中核になっていきますね。
できれば、この段階でどのような人材が、どのような部分で重複して活躍しているのか、ちゃんと把握していることが重要です。地方の、しかも小さな村落にあっては、キーマンは、あっちでもこっちでも駆り出されているという状況が常ですから。
その上で、
③どのような役割分担、組織形態であれば、地域の諸問題に対処しうるのか、一度組織デザインしてみること。
この時、重要なのが並行して、新しいコミュニティが、まずもって対処していく分野、ジャンルを考えること。
要するに、地域コミュニティの初動期において、核となる、柱となるテーマは何なのかを考えておくこと。すなわち、これが初版版の“地域づくり計画”の基本方針となるのですね。
さらには、この内容が所謂、新しいコミュニティの規約(もしくは定款)の目的、設立趣旨になるのですね。
重要!としたのは、将来的には、地域の諸課題を広く対処していくことになると思いますが、萌芽の段階にあっては、いきなり全部をカバーしていくことを考えると、重荷になり、頭でっかちになり、押し付け合い、疲弊していくという悪循環に陥ってしまうことが往々にしてあるからです。
よって、先の②の部分とこの③の部分が、ほんとうに重要なのですね。
組織デザインと計画(戦略)、規約は全てリンクします。
ここから、次のステップですね。
④組成の取り組みと併せて、一度『地域づくり計画』を立ててみること。
やっと、この段階で「まちあるき」や「検討ワークショップ」なるものが出てくるのですね。
弘道地区でもご相談があったのですが、「まちむらたんけん=『まちあるき』を企画したいのですが、どのようにすれば良いですか?」「住民にアンケートを取りたいのですが、どのようにすれば良いですか?」と・・・
何を目的とするのか、そうそう、どのようなコミュニティを考えていくのかで、全く進め方が違ってきます。
いきなり、“課題が重要だ!!”といって、その課題探しのために「まちあるき」や「ワークショップ」を仕込んでも、そもそも、それらが何のために始まったのかが、参加者に十分に理解されていないと二度手間です・・・
ゆっくり時間をかけて地域のあり方を考えます・・・という場合は、大いに有りですが、時間的な猶予が無い、危機感一杯の場合は、やはりコアなメンバーで、下絵を描いた上で動き始めないとダメですね・・・
その危機感や、目的意識さえも共有できない・・・これがもっとも重要なのですね。回り道のようで、実は最短距離・・・そう感じています。
さて、これらの下準備ができて、いよいよコミュニティ形成に動き出す時、
⑤プレイヤー(活動者、実践部隊)とプランナー(企画者)は、できるだけ重複しないようにすること。それぞれ得手不得手がありますから・・・
加えて、
⑥行政組織(=公民館や小学校など)を上手く歯車(組織)の中に組み込むこと。地域によっては、ここで地域外の組織(NPOや大学等)や議員の先生方の組み込み方を考えるところがあるかもしれませんね。
さてさて、次は・・・
いろいろ留意点がありますが、それは次の機会に・・・制限時間いっぱいです・・・これから会議に入ります。
ということで、次回をお楽しみに。ではでは。
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