新・まちづくらーの地域づくり日記

日々取り組んでいるまちづくりやむらづくりの様子をご紹介していきます。

但東地域づくり大会

2014年03月25日 10時33分59秒 | NPO活動
今日は朝から大阪・箕面、豊中方面です。

さて、先週末の21日(金・祝)に豊岡市但東町で「地域づくり大会」がありました。

冒頭、中貝・豊岡市長の挨拶から始まり、広島・川根振興協議会の辻駒会長の基調講演、但東町内3地区の活動報告、そして、島根大・作野先生を交えてのパネルディスカッションという運びで進められました。
中貝市長は、この日の午前中は出石町奥山の滞在型拠点施設「奥山ほたるビレッジ」と交流拠点施設「一輪亭」の竣工式に出られて、その足で午後は但東町にということでした。
かく言う私も、午前中この竣工式に出席して、午後は但東町に移動したのです。開会前に控え室でちょっとだけですが島大・作野先生と久しぶりに歓談させていただきました。(先生、今後ともご指導お願い申し上げます。そして中貝市長、ありがとうございました。)

中貝市長の挨拶の中で、公民館の位置づけを変えていくことが披露されました。
H26より公民館を教育委員会管轄から市長部局に異動させ、順次、管轄事業を広げ、H29には完全に“地域づくり”の拠点に刷新していくというものです。
まさに国交省が進めている“小さな拠点”機能を、この公民館に持たせようとするものですね。実は、その先駆けが高橋地区なのです。高橋は、昨年の振対協改変の折りに、公民館を事務局に持ってきましたから。
これからは、地域の拠り所である公民館が、社会教育系だけでなく、地域づくり、地域再生全般を担う“前線基地”になっていくということですね。良い感じです!!

さてさて、辻駒さんのお話。まぁ、ゆったりとした語りかけるような口調で、川根での苦労話をお話されていました。なかなか面ろいオヤジです。リーダーとしての資質を持っておられますね。決断力、レスポンス・・・

そして、各地区の報告。
もちろん、私がお手伝いしている高橋振興対策協議会の田口会長も活動報告されました。
このほか、合橋(あいはし)地区、資母(しぼ)地区の報告も。

これまで、いろいろご紹介してきましたが、高橋は振対協に実行力を持たせた事例。
この高橋振対協には、それまでの活動部隊から発言力のある区長会まで、高橋地区に関連する全てと言っていいほどの団体、人材が、ほぼ並列(優劣無く)に構成員として配置されている、決断力と実行力を兼ね備えた地域づくり組織なのです。これって、結構重要ですよ。
それに対して合橋や資母の地域づくり組織は、振対協とは別に組成された、所謂、“この指止まれ!”型の実行部隊。その意味では、発言力のある地縁組織との折り合いが、今後の課題でしょうか。おそらく、いろいろな活動を進めていく中で障壁にぶち当たるのでしょうね。
まぁ、組織なんかは熟度や時代とともに変えていけば良いのです。

そして、パネルディスカッション。

最後に、作野先生がまとめをされました。
自らの地域は自らが築いていくことを力説されていました。行政お任せの時代は、もうとっくに終わったのですね。それと、改めて地域の魅力に気付くこと・・・
まさに、“地域力”を高める運動なのですね地域づくりというものは。

作野先生、地域のみなさん、川根の辻駒さん、ご苦労さまでした。

ということで、ひとまず但東での地域づくり大会のご紹介でした。
ではでは。

ひょうご田舎暮らしセミナー

2014年03月16日 09時05分14秒 | NPO活動
今日も朝から外に出ております。午後からは兵庫県庁(公館)で地域再生大作戦の「元気交流会」があり、私もいちおう出席予定です。

さて今日は、先々週の土曜日に大阪・堺筋本町で開催された「ひょうご田舎暮らしセミナー」についてのご報告。
兵庫県での田舎暮らしをサポートする協議会が開催する今年のセミナーは、県内への移住者をお招きして、いろいろな体験談をお話いただくというものでした。
ご参加いただいたのは、そうですね20名ぐらいでしょうか。大阪の方、兵庫の方等々。

当日は、丹波篠山の方がインフルエンザのため急遽ご欠席となったのですが、但馬・朝来、西播磨・佐用、淡路・南あわじから3名の移住者がお越しになり、貴重な体験談、経験談をお話くださいました。
佐用の方は、目高という“超”小規模高齢化集落への移住者で、いちおうリタイアされた方。まぁ言ってみれば移住の“上級者向け”。朝来の方は、旧朝来町・多々良木への移住者で、仕事を朝来市内で持たれているちょっと“中級向け”。南あわじの方は、所謂別荘地エリアへの移住の方で、大阪での仕事を辞め、農業従事されている方。仕事はともかく、移住先としては、まぁどなたでも踏み出せそうな“初級向け”の移住スタイル、と言ったところでしょうか。

いちおう、私をコーディネーターに約1時間ちょっとのパネルディスカッションとなりました。

根掘り葉掘り、いろいろお聞きしましたが、移住のスタイルもいろいろあり、ほんとうに三者三様。
共通して言えるのは、やはり移住後のライフスタイルをそれなりに満喫、謳歌していること。
そして、何よりも地域に溶け込む努力をされていること。

田舎暮らしのコツとしては、この辺りにあるような気がします。

まだまだ集落、地域地区のコミュニティが強固な兵庫の田舎にあって、所謂“ヨソ者”が暮らしていくには、都会的な感覚では難しい・・・人との付き合いが、そこそこ楽しめるような方でないと、本拠を移す・・・というのは、ちょっとしんどいかもしれませんね。
核家族的、個人主義的な感覚だと、たぶんつまらない田舎暮らしになると思いますよ。飽きてくるし、都市部が恋しくなる・・・(よっぽど、個人で閉じこもって暮らす目的や意図が無い限りは・・・)
その部分は、真剣に考えておいた方が良いと思います。
3名の方とも、地域の方々とお付き合いし、“地域に貢献”する意欲、意識をお持ちでした。すると、たぶん受け入れる地域の側から近づいてくる。助けてくれる。
この相互扶助、互助の考え方、意識が田舎で暮らす一つのポイントとも言えます。

そのほか経済的なこと、子どもさんの教育のこと等々。お答えにくいテーマもあったかもしれませんが、3名の方、ほんとうに上手にお話いただき、感謝申し上げます。
まぁ、いずれにせよ、完全に本拠を移すとなると、気になるのは元々の土地家屋の処分の問題。やはり、それなりの貯蓄があった方が上手くいきそうだな、という印象を受けました。それと、田舎への移住を真剣に考え始めたら、早めに処分する動きに出ること。その後は時流、タイミングを待つ!ということでしょうか。

巧く時流に乗れると、すんなり行ける。そんな印象を持ちました。
ご参加者いただいた方からのアンケートを見ると、セミナーへの満足度は概ね高かったようですから、まぁ及第点というところでしょうか。
拙いコーディネートで、お聞き苦しいところもあったかもしれませんが、お付き合いくださり、ありがとうございました。

ということで、先般の田舎暮らしセミナーのご報告でした。

それと最後に私事で恐縮ですが、先日、兵庫県の井戸知事より感謝状をいただきました。
これは兵庫県の県民生活審議会に委員として2年近く関わり、そのお礼とのこと。

『・・・卓越した識見と豊かな経験を生かし県民生活行政の推進に大きな貢献・・・』だそうです。ほんとうに恐れ多いことで・・・
まぁ、これからも体壊さない程度にボチボチやっていきます。

ではでは。

「小さな拠点」づくりフォーラムin高知(その1)

2014年03月06日 09時50分30秒 | NPO活動
いよいよ3月に入りましたが、ここへ来てまた寒くなってきていますね。

さて今日は、2月末に高知へ行ってきた時のお話。
今、国交省が進めている“新しい”農山漁村、過疎対策の『小さな拠点づくり』に関するフォーラムと現地視察がありました。
兵庫県下の農山村集落、地区を複数お手伝いしていますが、ややもすると自分の殻に閉じこもった、狭い世界での指導・助言にとどまってしまいそうなので、久しぶりに県外へ出て、しかも場所によっては強烈に人口減少、少子高齢化が進む地域に参って、その実態を今一度確認してみようということで高知の山奥に行ってきたという次第です。

初日はフォーラムで、基調講演、事例報告、パネルディスカッションなどがありました。
冒頭、高知県の尾崎知事から高知の現状報告と県での過疎対策についてプレゼンがあったのですが、この尾崎知事。たいへん雄弁です。しかも結構お若く見える・・・見事なまでのプレゼンでした・・・頼もしい知事ですね。(見た目だけの判断ですので、実際の政治力、政策実行力は知りません・・・あしからず。)
県の事業の内容より、知事の語りに酔いしれたかな??
高知県は県主導で、“集落活動センター”みたいなものを県内の過疎地域に100箇所設けることを目標に事業を進めているようです。小学校の廃校跡などを活用し、地域のサービス機能を拠点に集約しようとするものです。今年度中に12箇所が開設されるそうです。
兵庫なんかでは、公民館がそれに類似する施設と思われますが、ちょっと違うのは、分野横断的に機能集約しようとしていることでしょうか。縦割りではない“拠点づくり”ですね。
まぁ、将来的には散在している小規模集落を、地域地区の中心に何とか持ってくるための伏線に過ぎないと思うのですが・・・国交省の『小さな拠点』も、たぶん同じだと思っています。

国交省は、この小さな拠点を中心に、既存の小規模集落をネットワークできれば、小規模集落は生活の場として維持できる。これを維持しないと国土の良さ、多面的機能は保全できない・・・と言っていますが、果たしてそうなのか・・・そんなことを言っていては基礎自治体の方は耐えられないと思うのですが?みなさんは如何ですか??

次に、明治大学の小田切徳美先生の講演がありました。講演終了後、少しだけ談笑する時間があったのですが、温厚な良い感じの先生ですね。
直接“4つの空洞化”をご教示いただきました。兵庫でも但馬はほとんど縁が無いとおっしゃっていましたので、機会があればお招きしたいと思います。

そして、事例報告、パネルディスカッション・・・島根中山間センターの藤山浩さんの進行で進められました。
高知、島根隠岐、広島三次の方が発表されていました。面白かったのは島根・隠岐の社会福祉法人の取り組みかな・・・あとはまぁまぁよくあるタイプ。

この『小さな拠点』という概念。私がH22の国交省の研究助成で提言した集約再編方策の仕組みの中のハード部分と捉えられます。農山漁村地域の処方箋としては、おそらく誰もが考えるものだと思われますが、気をつけなければならないのは、この拠点づくりだけで終わってはダメだということ。
この拠点づくりとネットワーク化が最終形ではない・・・対策の一つのステップに過ぎない・・・ここで終わったのであれば抜本的対策にはならない・・・厳しいようですが、やはり集落移転、再編は考えておかなければならない。私は、そのように思っています。

ということで、前半部分のご紹介。
会議中なので、ここらで切り上げます。後半の視察の部分は次回に。いろいろありますよ・・・“お手盛り”地域づくりです。(高知は羨ましい・・・)
ではでは。