新・まちづくらーの地域づくり日記

日々取り組んでいるまちづくりやむらづくりの様子をご紹介していきます。

単なる“都市計画”ではないまちづくりの世界・・・

2012年07月26日 16時16分07秒 | まちづくり
今、和歌山へ向かう車中なのです。行きは南海、帰りはJRというのが、最近のパターン。
またまた久しぶり更新です。
和歌山市が市街地総合再生計画を策定するにあたり、まちづくり(特に中心市街地)に関するフォーラムやワークショップを開催するということで、今日は2回目のフォーラムです。
講演者・コーディネーターは、タフ・コーポレーション社長で森ビル顧問の藤後氏です。
1回目を拝聴し、どうしてもその続きが聞きたくて、忙しい最中をぬって何とか時間をつくったというところです。

さてさて、今、ほんとうに疲れています。
私事ですが、先週末、何を想ったか、およそ15年振りに一級建築士の試験(学科)を受けてきました。結構、試験を受けるのって、しんどいですね。しかもこの歳になると・・・15年前のバリバリ20代の時と比べたら・・・
でも、その分だけ技術も知識も積み重ねていますから、その当時よりは出来は良かったかな・・・でもやっぱり構造と施工がネックですね。
まぁ、今年は勉強する時間もほとんどとれていない中で、しかも自分自身、勉強時間が足りず、タイムオーバーの想いは強く感じていたので、とりあえず、無事全ての学科を受けてきた(耐えきれた)ことを良しとしましょう。
まぁ、来年をお楽しみに!!

そして、次は来週末の技術士試験です。
今回は、いよいよ本丸の「建設部門-都市及び地方計画」の受験です。
技術士試験は、これが4本目となります!
これも一級建築士と同様に、どうしても最近の仕事上、必要になってきた資格で、私が所属する事務所の(私よりは)若いスタッフが通ってくれていれば受けるつもりはなかったのですが、なかなか通らないので、私も受けることにしました。
Tくん、いざ“勝負!”だね

私のコンサルタント業の師匠であり、前の会社の上司であったS氏から、突然メールを頂きました。今はご実家のある新潟に帰郷され、地元の大手コンサルタント会社に勤務されています。
S氏もたいへん若くして技術士を持たれた方なのですが、今の会社でどうしても「都市及び地方計画」の技術士が必要となり、自分も受験されるとのこと。
そこで、まちづくり・都市計画のプランナー、もっと広く捉えると“土木屋さん”としてのあるべき姿、考え方、今の時代にあった(ホットな)技術論を戦わせたくて、私宛に技術論に関する諸々のお考えをメールされてきました。

私も久しぶりに多岐にわたった技術論に関する意見交換をさせていただき、刺激をもらいました。
様々なジャンルにアンテナを張り、それを糧に既成概念にとらわれない、ほんとうに相応しい未来をデザインする・・・
決して都市計画やまちづくりの学術書だけでは得られない、多彩で多様な考えをベースにした計画技術。
この大切さを教えてくれたのが、この師匠であり、今の私の考え、行動のルーツを培ってくれたと言っても過言ではありません。
50代を迎えた(おそらく・・・間違っていたらゴメンなさい!)今もなお、この考えを持って行動されているパワーに、やはり私の師匠はこの人だ、と思わずにはいられません。
まだまだ越えてはいないのでしょうが、一日も早く追い越せるように日々精進したいと思う今日この頃です。

複雑化、輻輳化し、人間の価値観も大きく変化している時代(すなわち人間が暮らす社会自体が大きく変化している時代)にあって、“まちづくり”は、都市計画の教科書だけではほんとうに語れなくなってきています。
政治、経済・金融、福祉・医療、教育・・・可能な限り多様なジャンルの事象を捉え、知識・情報を吸収し、総動員していく。

結構しんどいけど、“まちづくり”に携わるならやっぱり当たり前のこととしていく。
もし、まちづくりやむらづくりに関わる気持ちがあるのなら、ここを疎かにしないでほしいですね。とは言え、専門的な、テクニカルなものがベーシックなところとしてあった上ですが・・・

いろいろ師匠とやりとりした内容をご紹介したいと思っていますが、それは次の機会に。
あと1週間ほどですが、今度は技術士試験モードにシフトしていきます。それが終わったら、来年の一級建築士に向けてかな・・・
では、また。

“むらづくり”“まちづくり”って何??

2012年07月15日 23時38分50秒 | まちづくり
あいかわらずあっち行き、こっち行きしています。
さて、今年もいくつか新しい地域にアドバイザーとして参ったりしています。
単なるアドバイザー、相談役として行く場合もあれば、むらづくり計画策定のお手伝いに参る場合もあります。

いつも、初めて地域地区に参った際には、集まった住民の方々(多くは真剣に地域に向き合い、地域の将来を危惧して、いてもたってもいられないという意識の高い方々)に、

“むらづくり”“まちづくり”って何ですか??

と、何の情報も与えていない真っ白な状態の時に、問いかけるようにしています。

果たして“むらづくり”“まちづくり”って何なのでしょうか?

これまでは、地域力を高める“活動・運動”を行うこと・・・と申し上げてきました。
これは一つの正解だと思います。
こうやって話を聞いてもらい、いざ地域の問題点・課題を拾い上げ、その解決策を、ああだこうだ議論しながら、一つの地域づくり計画としてまとめる。
それなりに地域が考えた、オリジナリティ、地域らしさが出た計画にはなります。
ただ、実際にその計画、プランに従ってむらづくりが進むかというと、必ずしもそうではない・・・

地域の課題・・・
「農業の担い手が減り、耕作放棄地が増え、農地が荒れている・・・」
「住民がいなくなり、空き家が増えている・・・」
「子どもが減っている・・・」
等々。確かにどれも地域の課題です。

しかし、よくよく考えてみると、だからといって今住んでいる人が住めないような地域になっているかというと、現実に住んでおり、おそらくこれからも住み続ける・・・

だから、
自分自身が農業ができなくなり、自分の農地が荒れてきている・・・
自分の家の隣が空き家となっていて、物騒で仕方がない、雑草などが自分の家にも入り込んできて、何とかしたい・・・
自分の子どもが通わせている小学校が、いよいよ複式学級になってしまう、統廃合で遠くの小学校まで通わさねばならない・・・
といった自分自身に降りかかってきている課題であれば、それなりに真剣に考えるだろうが、あまり自分自身とは関係のない話であれば、いくら地域全体で見たときには確かに課題であっても、真剣に向き合うことはない。おそらく・・・(多くの人は、そんな余裕は無いはず)

だから、一生懸命地域のことを考えて作った計画でも、全部が全部上手くは進まない。
やはり個々人が大切なんだ!と
まずは、個々人が抱える問題や課題を考える。
そのムラ、地域で住み続ける上で困っていること、悩んでいること。
ここでのポイントは、“そのムラ、地域で住み続ける上で”ということ。
あくまで、地域の中にある自分自身と自分の家族、について考える。
おそらく、自分自身のことを動機としないと、多くのことが進まない。

最近は、そう考えて、地域の方々に問いかけるようにしています。

“ムラの構造改革”にいよいよ着手した豊岡市日高町羽尻区は、今までみんな気にはなっていたが、慣習や慣例に流されて、なかなか手を付けてこなかったことに、いよいよ真剣に取り組んでいます。
つい先日も地域の皆さんと議論してきたところです。
これは、このままでは自分自身の負担(労力的にも経済的にも時間的にも)が無限大に大きくなりかねない、という危機感を多くの方々が感じていたからに他ならないと思います。
ケンケンガクガク、ほんとうに真剣にみんなが向き合い、地域のあるべき姿(地縁組織のあり方)を模索しています。
新しいムラの形態、これからもみんながそれなりの適度な負担の中で生活できる集落をどこまでデザインできるか、まだま分かりませんが、どこの地域地区でも絶対に避けては通れない話。
何とか一つのモデルを創り上げたいと思っています。