セイコー H610 電池交換のご依頼がありました。
その際ボタンの動きが悪く、デジタル部の時刻合わせに難ありましたので、お預かりしてボタン部の調整をします。
裏蓋を外した所です。見たのがいつ以来か分からない位、久しぶりに見るムーブメントです。
時計修理作業開始時にすることと言えば「巻き芯抜き」です。巻き芯が抜けなければムーブメントを取り出すことが出来ず作業が進みません。
一般的な巻き芯抜く方法として、受板に穴が開いていてそこを覗くと、凹みが見えます。その凹みを針状のモノで押すことで、巻き芯とくっついている「オシドリ」を外し、巻き芯を抜く方法が主流です。「オシドリ」の位置はムーブメント外側のこともあります。
今回のH610はその方法では抜けません、まず凹みが見当たりません。
良く観察していると
『↖TURN』の表記 がありました。
この時点で巻き芯の抜き方に関して、はっきりしない不安がありました。ネットで調べましたが、答えが見当たらず、自信や根拠ないまま作業してしまうと、リスクも上昇するので、一旦中断し、受板・回路を外し直接確認することにしました。それぞれの部品形状が判れば部品同士の作用の仕方も理解出来て正しい方法が判ると思ったからです。
時間を掛けて確認出来たおかげでこの方法が判明しました。
受板穴にドライバー差し込み回す(=TURN)ことで、巻き芯上両側の棒を広げます、その動作により巻き芯奥の溝に引っ掛かっている部分が外れ巻き芯が抜くこと出来ました。
判ると「あ~この方法か、このようなやり方もあったなぁ」と思いますが、気づくまでには時間がかかります、また機種自体の経過年数を考えると破損時のリスクもあることから、慎重な作業となりました。
古いお品物は手を掛けること自体にリスクを伴いますので、ゆっくり行います
無事終了しました
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