ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

木綿着物のまたまた続き

2008-07-16 11:38:30 | 着物・古布
関係ない写真ですみません。ジサマにもらった「みずとくさ」と「シダ」です。
ちっとでも涼しく見えるものを…。
実は、シダ、このあと枯らしちゃったんですー。


忘れないうちにご質問にお答えしておこうと思います。
まずは「綿ちりめん」と「しじら」について。

まずちりめんというのは、先日も書きましたが「撚りの強い糸」を
経糸か緯に使った織物のことです。ごくごくおおざっぱな説明で言いますと、
糸に強い撚りをかけるとくりくりに硬くなります。これを伸ばして
糊で固めてしまって、それを糸にして織る、その後糊を洗い落とすと、
のばされていたものが元にもどろうとしてそれがシボになる、
というわけです。糸の太さや撚りの強さ、よりの方向やその使い方によって、
いろいろな特徴がでるわけです。
ちりめんの世界も複雑怪奇、いや奥が深くて、私程度の乏しい知識では
このくらいの説明までが限界です。

とりあえず、木綿でこの絹と同じように強い撚りをかけた糸を使うことで
シボ立てをしたものが「綿ちりめん」なのですが、
実は「明石縮」とか「楊柳」とか呼ばれているものも、
「強撚糸」を使っているわけで、糸の作り方、使い方はちりめんと同じわけです。
極端な言い方をすれば、絹だと「ちりめん」とよび、木綿だと「縮み」と呼ぶ、
そういう一面もあるわけです。ややっこしいですよねぇ。
そういうわけで「綿ちりめん」は、丹後が産地として有名な、
強撚糸を使ったシボのある織物、です。

次に「しじら」ですが、これは糸の撚りや太さの違いによるシボ立てではなく、
「織りの工夫」によるシボ立てです。基本的に、ですよ。
したがって、同じシボでもちりめんタイプとは、基本的なところで違います。
これはとぉーっても説明しにくいんで、ちょっと模型もどきを作ってみました。。


     


織ったときの糸の位置といいますか、形です。
黄色が経糸、赤が緯です。
真ん中三本の部分をのぞく両側が「平織り」、一番基本的な織り方ですね。
そして、真ん中の三本は、「三本を一本」として緯がくぐっています。
写真は糸の間がスカスカですが、実際にはこれできっちりと糸の隙間なく
織られるわけですね。そうすると、三本のところは当然太いですから
細い糸の中に太い糸が一本はいっているような状態です。
つまり、一本ずつの糸は同じものなのに、一箇所だけ太いと、
糸の張力が変わります。太い部分だけは出っ張って、布に凹凸ができます。
この凹凸が、しじらの「シボ」になるわけです。
これは基本的な形ですから、実際には麻と綿もありますし、
シボ立ての形のために糸の太さを変える場合もあるのではないかと思います。

いずれにしても、縮みやしじらは、普通のゆかたと違って、
使われている糸に特徴があったり、織りかたに特徴があったりで、
当然それだけ手間もかかります。
それがお値段にも反映するわけですが、元々が「木綿の夏の単」ものとして
考えだされたもので、基本的にゆかたとして作られたわけではありません。
ややこしいのですが、盛夏7.8月は絽か紗、というのは絹物のことです。
木綿の単は元々が普段着ですから真夏OKなわけです。

もうひとつ「木綿や綿麻の普段着物を浴衣風に着る」のは、いいかどうか、
というお尋ねもありました。
この場合は「モノによりけり」だと思います。
元々木綿は厚い薄いがあります。ゆかたを着物として着られるか、
というのを逆に考えれば言いわけで、しじらなどは「ゆかた」として
作られているものもあれば、どちらでも、というものもあります。
ゆかたはゆかた、木綿の単は木綿の単、なのですが、
その境目があいまいなものは、感覚で使えばいいと思うのです。
つまり「木綿の着物」ではなく「どんな糸を使ったどんな質の木綿着物か」
なのですよね。

着物の歴史は、明治以降急激な速さで進みました。
そのための「ひずみ」がいろいろ出てきたわけです。
今まで書いてきた木綿の位置づけもそうですが、
素材でいうなら、ほかにも以前にも書きましたがウールの位置づけ、ですね。
洋服なら高級素材のウールは、着物の世界では一番格下です。
それは「絹・木綿・麻」できた日本人にとって、
歴史の無いウールは「元々着物の素材じゃないもん」で、
絹と並ぶ高級反物にはしなかったわけです。

形で言うなら、帯の幅が変わったり、帯締めを使うようになったり、
おはしょりを最初から作って着るようになったり…。
細かいことで言うなら、髪を結わなくなって衿の抜き加減が
昔ほど大きくなくなり、そのため、袖付が長くなりましたし、
生活の状況がかわって「襲」が省略されて「比翼」なんてものになりました。

こういう少しずつかわっていったことが、ちゃんとリアルタイムで
親から子へ、子から孫へと伝えられていたら、その流れもわかり、
迷わずとも「昔はこうだったけど、今はこうよねぇ」と、
誰もが納得して当たり前に着てきたと思います。少々昔のままの人がいれば、
あら昔風ねぇ、クラシックスタイルがすきなのね、古いなぁ…でしょうか。
それが、戦争を境に着物が着られなくなってしまったために、
教えるほうも古いことしか知らなかったり、その人から教えられたことだけが
正しいと思ってしまったり、何もわからないからやってみちゃったり…。
だから今いろんなものが出てきてしまっているのだと思います。

先日のコメントでもいただいたのですが、
最近は「絵羽付けゆかた」ってのが売られるようになりました。
絵羽付けゆかた、確かに江戸時代にもありました。
しかし、そのあとを見てみれば、絵羽付けゆかたは一般的なものでは
なくなってきたのです。ほとんどの場合今は「踊り用」、もしくは、
それなりのオシゴトのかた…。
なんで減ってしまったか…。いろいろ理由はあるでしょうが、
ひとつには絵羽というだけあって、それこそ振袖や訪問着と同じように、
「裁って縫ったときに、柄があわなきゃならない」のです。
染めるときからして手間がかかるし、ズレの余分の長さもいるわけです。
しかも裾が傷んだから腰で切って上下逆さまにする、
なんてリフォームができません。不経済なのですよ。
それでいて、染めに手間がかかるから、当然価格も高くなります。
たかが「汗取り、暑さ対策のゆかたに絵羽はもったいない」というのは
当然だと思います。そんなことをしなくても、
ゆかたは普通の着物に比べて、ずっと大胆な色柄が楽しめるものなのですから。
絵羽柄ゆかた、「訪問着と同じように絵羽柄です」なんて説明が書いてあると、
着る人よりも、それを作る人に腹が立ちます。
その柄付の意味や、普通の柄付との違いをいちいち説明して
売っているわけではないでしょう。
着物を知っている人間から見れば「売れりゃ何でもいいってこと?」です。

昨日も書きましたが、今の若い着物ビトたちは、
残念ながら、着物の変化を知りません。
着方は着付け教室へ行けば教えてくれますが、
着付け教室でも、着物の歴史にまつわる「着方」は教えていないようです。
だからゆかたの衿からレースが出たり、重ね衿が出たりなんていう、
わけわからんものが出てきて、ただかわいい、ステキ、だけで、
何も知らないお嬢さんたちが、飛びついてしまうのです。
昨日書いた「かっこいいだろう」と背中に「台所」と書いたTシャツ着てる
外国のおにいさんと、同じになってしまいます。

着物を着たい、着ようという若い方々のすべてが着付け教室に行ったり、
着付けの本を買ったりして細かく調べて着るわけではありません。
ネットで誰かがやっていれば、あっ私もやってみよう、となりますし、
すべてのゆかたは、じゅばんを着て着物として着られるんじゃないか、とか、
訪問着柄なんだから、じゅばん着たら着物としてOKじゃないか、とか、
衿だけ半衿つければ着物に見えるんじゃないか、とか
そういう勘違いをする人だっているかもしれません。
今は昔とは情報量が格段に違います。テレビドラマの主人公が着ていたとか、
持っていたというだけで、全国でその商品があっというまに売れる時代です。
だからこそ、情報はきちんと発信してほしいのです。

「着物感覚で着られる」などと書いて「小袖ゆかた」とかいう、
袖丈が60~70センチくらいありそうな小紋柄のゆかたなども見ました。
袖の長いゆかたは、子供の着るものでした。
着物風にいくら形を作ってみても、ゆかたはどこまでいってもゆかたであって、
そのままでは普通の着物ではないのです。
そんなにわざわざ無理に着物風に見せることよりも、ゆかた本来の、
「ゆかたの、らしさ」を、まず楽しまなきゃもったいないです。
ほかに身につけなくていい気軽さ、素足で楽しめる涼しさ、着物では考えられない
大胆すてきな色柄、半幅という手軽で締め方をたくさん楽しめる帯、
ゆかたの魅力はゆかたというだけで「普通着物にはない魅力満載」なのです。

伝統を守るということは、かたくに変えない、ということではありません。
「基本を踏まえたうえで、その時代に、必要な変化を加えて」伝えていくことだと
私は思っています。ゆかたは普通の着物にはない魅力のある気楽な「湯上り着」、
それでいることが、ゆかたにとってもシアワセなことだと思います。
本当に着物の未来を考えるということは、
目先のかわったものを作って、若い人に迎合するものを
作ることではないと思います。
長い歴史を積み重ねられてきたた「着物」というすばらしいものは、
奇をてらったものなど作り出さなくても、十分今に通用するものです。
「売ること」ではなく「売るべきもの」を考えてほしいと思うのです。
そういう努力をしている呉服屋さんや職人さんが、必死でがんばっています。
なくなってほしくないものが、これ以上増えないように、
まずは「基本から」と、ずーっと言ってる私は
ただの「ふるーいおばさん」なのでしょうかねぇ。

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9 コメント

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Unknown (陽花)
2008-07-16 21:05:32
そんな事ないですよ~
誰かが言わなきゃ間違ったまま後世に
伝わってしまいますからね。
確かに浴衣は着物の知識のない若い方たちも
夏のものだということは分っていても、私たちが子供の頃のようにお風呂あがりにしか浴衣を着せてもらわなかったという時代を過ごしていないせいなのかもしれませんね。
でも、浴衣を着物として格上げして着るということはまだごく最近の事の様に思うのですが、
無理に着物に格上げせずともって思ってしまいます。
返信する
生物多様性条約 (うまこ)
2008-07-16 23:03:26
着物の伝統をいつまでも残す、後世に伝えていく、これは大切なことと思います。しかし、これは身分制度、食料、衣料自給、気候(平安時代は今より暑く江戸時代は今よりずっと寒かった)が違う時代の伝統でもあります。しかし、やはり生物の多様性を残すことが地球変化に対応できる技術であるように生きた着物の伝統を残すことは同じような意味で大切なことと思います。つまりファッションユカタは浴衣ではなく、伝えられた着物の伝統から発生したF1作物のようなものと理解します。第一それを否定したら誰が浴衣を着るのですか?世は暑すぎて昔のような浴衣の着方はできません。(とんぼさんも実感されたように)染めの木綿の着物として着るか、ひらひらぴらぴらちかちかのファッションユカタとして着るか、せいぜい花火、お祭りくらいしか着ることができなければ廃れるしかないように思うのです。夏の着物として手頃な値段で買った竹仙(字が無くてごめんなさい)や古渡り(ブランド名)の浴衣を浴衣として着るのは私でも一年に一回あるか無いかです。ファッション業界の人たちが今でも毎年密かに流行を作り出しているらしいことを実感して、とてもそのような努力に対して批判はできない私です。
返信する
たぶんどちらも (おつう)
2008-07-17 00:23:13
わたしは最近こちらにお邪魔するようになりましたが、うまこさんの着物部屋はかなり前から拝見してました。
格式や伝統に囚われず、暮らしに合わせて工夫し貪欲に利便性を追及されていくうまこさんの着物生活は尊敬しています。
とんぼさんの頑なともいえる歴史的背景や伝統、流行に流されずに着物文化を見るべきだという考え方もとても好きです。

ほぼ毎日着物を着ていると、実際に伝統やしきたりを無視して着ることもありますし、逆に自分なりに「ここは外したくない」という点も出てきます。
私は浴衣を朝から着ます。
夕方は仕事が終わって保育園行って買い物行ってご飯作って・・・、とシャワー浴びて着替える、なんて優雅な事は出来ないからです。
でもこれは逆に、通勤の無い家の中での仕事をしてるから出来ることで、電車に乗って通勤するなら朝から浴衣はやはり着ないでしょうね。
「夜の部屋着で外出しては恥ずかしい」と感じるからです。
ただのファッションだと割り切るなら、そんな事は無視したら良いはずですが。

それぞれの美意識に照らし合わせて、着物文化を自分の現代生活に合ったものに変えていくのは必要なことです。(着ない、と選択するなら別ですが)
ただそれには、着物に対する確固たる意思が自分に無いと難しいです。

あのファッションユカタが物悲しく悪趣味に見えるのは、着ている側に着物に対する美意識が感じられないからでは?
使い捨てのワンシーズンで飽きられる洋服と同じ扱いで着られている着物・・・

売って生き残って行く為とはいえ、あれを作っている人達の中に空しさを感じている人が居なければいいんですが。
ケバケバしいプリント浴衣が売れている中で、今年も老舗の染め屋さんが廃業されたと呉服屋さんが嘆いておられました。

変えていく事、古いものこそを守る事、「着物文化を残したい」という視点であるからこそ、とんぼさんもうまこさんも両方の意見が必要で、正しいように思いました。

横からすみませんでした。
返信する
質問させてください (セルボ)
2008-07-17 08:41:11
綿ちりめんの浴衣(着物?)の手入れの仕方に悩んでいます。

浴衣や木綿着物は手軽に自宅で洗濯できるものと思っておりましたが、
「綿素材のちりめんは、洗濯によって収縮することがありますので、十分にご注意ください。ドライクリーニングをお勧めいたします。」とタグに表記されています。
木綿はものによっては洗濯によって原型をとどめないほど縮み着用不可になることもある、と聞いたこともあり、クリーニングに出すべきか悩んでます。

綿ちりめんに触れていらっしゃったので、ご存知なら教えていただきたいと思い、書き込みさせていただきました。

ものは浴衣コーナーで見つけ購入したのですが、腰から下に裏地がついています。浴衣と着物は仕立て方が異なるので一目見ればわかるそうですが、着物初心者のため判別がつきません。すみません。

着物の歴史や文化、染や織について博識なとんぼさんのブログではいつも勉強させていただいてます。
よろしくお願いします。

返信する
凄い!!! (maymayman)
2008-07-17 16:05:55
とんぼさんのブログは、日本中の呉服屋が見なくちゃね!博覧強記に驚きです、また、使って身につけて小裂れまでを愛して・・・そう言う意味では呉服屋以上かも知れませんね・・・
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-07-17 18:14:57
陽花様
子供のころは、近所のオバサンが、
ゆかたでシゴトしてましたね。
そういうものを見られない、記憶にない、
というのは、さみしいことかもしれません。
木綿をじゅばんで着る、というのは、
絹モノが高いということもありますね。
そうそう着物は買えないから、
木綿をいろいろ工夫しよう…ですね。
これも実は「これはじゅばん着て
ふつうの着物にも着られます」と、
そういうことが言われたからというのも
あると思っています。
なにもかもが作る側の責任だとは
いいませんけれど。
実は、やたらおおきいところが(みんな倒産
しちゃいましたけどね)、外国で安く作って、
というようなことで、国内の職人さんや、
技術、伝統を大事にしなかったから、
というのも、大きな原因のひとつと思います。
もちろん「着物着なくなった」のが、一番
まずいんですけどね。


うまこ様
私って、いつも言葉が足りないんですね。
やたら長く書くわりに、全部は書き尽くして
いない、文章力の問題ですね。
F1作物、うまいことをおっしゃる、
ほんとにそうですね。
でも、一代限りで終わるもの、というのも、
それで忘れられてしまうのかなと
不安も残ります。着物着てくれるなら、
ぴらぴらでも、ハデハデゆかたでも
いいじゃないか、そこから始まってくれれば、
というのもよくわかります。
私も、最初にアロハシャツのようなゆかたを
見たときは、ギョッとしましたが、
それもまたよし…と思っています。
でも、F1で終わったら、もったいないですね。
私は「F1モノ」も「昔ながら」も、両方が、
共存したほうが選択肢が増えると思いますし
そこからさらに着物道を進んでくれる人も
増えるんじゃないかと思います。

今、新しいものを企画したりするのは、
やはり販売力のあるところが多いわけですから
そこが率先して新しい流行を作ることで、
昔ながらの仕事が減ったり、
技術が継承されないまま廃業したり、
という現状もしっていますので、
どっちも立ててくれないかなーと思うのです。
うまく書けてなくて、すみません。


おつう様
やっしゃる通りだと思います。
私は基本的に、着物は自由なものだと
思っています。
自分の生活と心情と、着物に対する思い、
その範疇で自由に着ればいいと思います。
新しいものもいいですけれど、
おっしゃるとおりの「その人の美的感覚」、
それを養うところが、今少ないですから。
結局は、着物を好きだといってくれる人の
学ぶ道、選ぶ道の選択肢が、
そんなに無いんですよね。

何かと大きいところが「今年はこれ」と
出してくる注文に「なんでこんなのを
ゆかたとしてそめなきゃならない」と、
嘆きつつ「染めにゃ食えない」とシゴトする
職人さんに、そりゃそーだよね、と思います。
呉服屋さんも「売りたくないのよね」と
言いながらケバケバゆかたを並べてる…、
ゆかたの反物を買おうと思ったら、
「売れないから置けないのよ」といわれて、
あぁそういう状況かと、思いました。
私たちも選択肢がなくなってる…。

「もうこの染め、これでなくなるから」なんて
そんな話ばかり聞いていると、
寂しくなります。


セルボ様
ようこそおいでくださいました。
まず先に「着物の裏」についてですが、
腰から下に、ぐるりと全部ついていますか?
それともうしろだけ、腰から下についている、
でしょうか。
ゆかたコーナーということですので、
たぶん、後ろだけ、だとは思うのですが…。

次に「綿ちりめん」ですが、
現物を拝見していないので、はっきりと
申し上げられないんです。
とりあえず、まず「ちりめん」の
基本的なことを申しますと、
ちりめんは、縮んだ状態にできあがったものを
機械にかけて「着物の幅になるように」
伸ばして成型して完成させます。ですから
元々水につかれば縮む、つまり元るのです。
この縮みはアイロンで伸ばすことができます。
ただし、シボをつぶさず全部同じ幅にするのは
なかなかたいへんです。
綿ちりめんになりますと、元々の木綿の
縮む性質(これは元に戻りません)が
ありますから、よけいに難しいです。

私は着物関係のものをドライクリーニングに
だしたことがないので、わからないのですが、
以前、母が「綿ちりめん」のワンピースを
ドライクリーニングに出したところ、
シボを全部きれいに伸ばされてしまい、
やり直しにだしたことがありました。

まず、今はいい洗剤も出ていますから、
家でドライ洗濯も可能ですが、
縮むことは免れないと思います。
それを元に戻すのは、手間がかかります。
できればドライクリーニングではなく、
呉服屋さんの「丸洗い」もしくは[生き洗い」
(呼び方の違いだけで、内容は同じです)に
おだしになるのが、一番安心かと思います。
大きなところではなく、街の中の普通の
呉服屋さんです。そういうところは
敷居が高いように思いますが、そういうものも
やってくれます。
今ならネットでも探せます。
「着物 洗い」で検索してみてください。
たとえばこんなところ、

http://www.kimono-tuji.com/?gclid=CMfwkt3JxpQCFRMJewodmkn2lg

たくさんありますから、価格もいろいろです。
遠いと送料がかかりますから、それもあわせて
見当してみてはいかがでしょうか。
ご心配でしたら、「地」がよく見える写真を
メールで送ってください。
もう少しマシなことがお話できるかも
しれません。メールはメニューのブックマーク
一番上にあります。
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-07-17 18:16:49
maymayman様
おからかいになっちゃあいけません。
私はいつも、メイさまのところで、
「ふむふむ、めもめも」とやってます。
町の呉服屋さん、たいへんでしょうけれど、
がんばってくださいねぇ。
返信する
綿ちりめん (うんちく)
2008-07-17 23:09:03
とんぼさん綿ちりめんの解説ありがとうござい
ました。ちりめんではありますが、木綿ですの
でいわゆる普段着なんでしょうね。
この綿ちりめんを売ってるショップの解説で
は、とりあえず数回はドライに出してそれから
水洗いすればそれほど縮まないと書いてありま
した。いきなり水洗いしたら。着丈141センチの着物が6センチ短くなったそうです。
でも、しっかり引っ張って伸ばしたり、アイロンを掛けたりすれば8割方は戻るとも書いてありました。
いずれにしても、水洗いはやめといた方が無難だと思われます。

返信する
Unknown (とんぼ)
2008-07-19 20:18:53
うんちく様
ドライは石油系ですから、
油脂汚れは落ちますが、汗には弱いんですよ。
だから汗をかく夏物は、できれば水洗いが
いいのです。いわゆる「京洗」などの系統は「水洗い」で汗を落とします。
自宅で洗っても、伸びる素材ですから、
アイロンでかなり戻りますが、
手間はかかりますね。
返信する

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