ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

たまには「イマドキの本」

2009-06-22 17:26:26 | 本・マンガ・絵
「言葉」とか「文字」がすきなので、タイトルに引かれて買ったのですが、
「つん読」してまして…。
テレビで「おもしろい本」として紹介されていましたので、
あぁそれじゃ読まなきゃ(なんなんだ…)。
「日本人の知らない日本語」、日本語学校で教師をしている方の書いたもの、
「本」といってもコミック・エッセイでして、絵もかわいいです。


   
日本人の知らない日本語
蛇蔵&海野凪子
メディアファクトリー

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で、読みました。大爆笑でした。
外国人との「日本語を学ぶときのあれこれ」です。

「ワタシは日本も日本人もやさしくて大好きです。
 駐車場まで励ましてくれる」
「?」
「前向きに、って」

もう、ツボですねぇ。
こういうズッコケ会話ばかりが書いてあるわけではありません。
表題どおり、まちがった敬語の使い方とか、言葉の語源とか。
いや敬語って、難しいですよね。
よく聞く、といいますか、つい私も言ってるんじゃないかと思うのが
「○○さん、おられますか」、おる、は居るの謙譲語…敬語ではありません。
これ、職場で先輩に言われたんですよ、それで覚えたのに、慣れはコワイ、
きをつけなきゃいけません。
結婚してすぐのころ、オットが先輩に電話をかけることがあって、
いままさにダイヤル(当時はこれ)しようというときに私が、
「もし奥様だったら『おられますか』じゃなくて『いらっしゃいますか』よ!」
と言ったがために、オットの口から出たのは
「先輩はおらっしゃりますか」どこの言葉じゃ…。

「ものの数え方」で
「人間は?」
「一匹」
「どうして」
「辞書に『男一匹』とありました」

いや、笑いつつ、もしワタシがこれをどうして「匹」というのかといわれたら、
説明できませんねぇ。
日本人だから、何気なく使っていますけれど、よく考えてみると、
どうしてだろうと思うこと、あるものですね。
「キングギドラはアタマがみっつだけど一匹でいいのか」…イイトオモイマス…。

実は、テレビで中身を、いくつか紹介したのですが、
花札の「あかよろし」、あれをほとんどの人が「あのよろし」と読みました。
あれは「可」から変化した変体仮名なんですが、
私くらいの年代なら、誰でも知っていると思ったら、そうでもありませんでした。
子供のころ、近くの商店街に「みやこ」というお蕎麦屋さんがあったのですが、
その暖簾の「みやこ」の「こ」は「古」という字の変体仮名、
これは変換にないので言葉でいいますと、十の下にひらがなの「い」を書く。
これが読めなくて、母に「ねぇ『みやじゅうい』って何屋さんなの?」と
聞いた覚えがあります。

何にも気にせず毎日「日本語」しゃべっていますが、
知らずにいることってけっこう多いんですね。
少し前まで、ふるーいお店に行くと、もう真ッ茶色になった紙に
「○○しませう」なんて書いてあったりしました。
子供のころに、そういう言葉がおもしろくて母に聞いたとき、
「せうは『しょう』、かうは『こう』、昔は『か』のことを『くわ』と言った、
(すみません「わ」の小さいのが出なくて…小文字の「わ」です)
天皇陛下(昭和です)は今でも国会をこっくわいと言う」と。
聞いたことあります?

以前「ドラマなどで主人公がタイムスリップして…という設定で
『現代語』と『侍言葉』で話しているが、実際にはああはいかない」と
何かで読んだことがあります。
同じ武士でも地方の武士はお訓言葉丸出しだったから、
江戸以外のところでは、なおさら町言葉の人とはなかなか話が通じなかったとか。

普段着物のことばかり「こうかわった、あぁかわった」とやってますが、
言葉だって、変わっているんですよね。
平安時代の人が、今の「ギャル語」なんか聞いたら、
「唐天竺の言の葉でおじゃりまするか?」なーんてね。



もうひとつお話し。
あるサイトで、きもの関係のオフ会メンバーででかけた…という写真。
さんさんと日が輝いていた「梅雨の晴れ間の真昼間、
女性は数人が「ゆかた」、そして写っていた三人は三人とも「タビ」にゲタ。
もちろんゆかたは紺地に大きな花柄の「ユカタユカタした柄」でした。
一人はあのレースタビ?か、カラータビかです。
男性がひとり、昔の書生さんのように着物に袴、素足にゲタでした。
まぁ着物のよれ具合だの見た目の貧弱さはともかく、
暑かったであろうその日に、さっぱりに見えたのはその男性の方でしたね。
なんかもぉ…この夏、外でもしそういう女性に出会ったなら、
「ナニくわんがえとる」と言いそう…。

頼むから やめとくなはれ 暑苦し。

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10 コメント

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Unknown (陽花)
2009-06-22 20:06:15
言葉って何気なく使っているけれど、わたし
間違って使っている言葉も結構あるんではと
思います。つい癖で・・・言ってしまうんです
よね。気を使って話をしようとすると舌を
噛んでしまう。あぁー気を付けなきゃ!
返信する
書く言葉もあやしいかも^^; (えみこ)
2009-06-23 04:41:07
井上ひさし氏の文意教室を読んで、角川必携国語辞典片手に
書き始めたら…なにも書けなくなりました。
当時ネットもブログもない時代ですから、正調なのは理解できるものの
「合わない」一字下げ、改行句読点…ああどうにかして!
いまだによろよろしています。
返信する
難しいけど、考えながら...です。 (akkomam)
2009-06-23 15:21:40
 
  パソコンでこうして文章を書いているときに
 変換すると、とんでもない漢字が現れてびっくりしたりすること
 しばしばです。それにこの場合はどっちがふさわしいか?
 なんて考えることもあります。
 パソコンの変換文字に試されたりして...。

 他国語に強くない私ですが、日本語の表現の豊かさは
 好きですね。 それだけに気をつかって間違いのないようにと
 選びながら書いているのですが...。
 読み返して、えっ?っとこれはおかしいでしょ!!なんて
 ことはたびたびです。
 美しい日本の言葉遣いを正確に...難しいですね。
返信する
この本は (sacco)
2009-06-23 17:44:27
ずいぶん前から気になっていましたが、
おもしろそうですよね。
国内でも違う土地に住むと、言葉の違いが
身に染みて…気をつけるようになりました。

「ら抜き言葉」などは、全国区だと変な
表現のようですが北海道ではごく普通の
言い回しだったり。
「助けられる」→「助けれる」とか?

会社用語だと「お疲れ様でした」と
「ご苦労様でした」の使い方が
会社によって違っていたり。

そういえば昔、同僚が「少々お待ち下さい」
を噛んで「少々お待ち下され」と言って
笑いをとっていました。

最後のは関係ありませんが、言葉の使い方は
難しいです、ホント。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-06-23 21:07:05
陽花様
いくつになっても目上のヒトに
敬語を使うのは緊張しますねぇ。
一度アタマの中でくみたててから言ったり。
一度結婚式の受付で、
「本日はあけまして…」って言いかけて…。
「あけっめでとうございます」って…。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-06-23 21:09:13
えみこ様
「本書き」はたいへんです。
作文のようなわけにはいきませんね。
日本語は、世界でも難しい言語だそうです。
とりあえずしゃべってるし、
まっいいかってことで。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-06-23 21:12:15
akkomam様
パソコンはねぇ、融通がきくのかきかないのか
時々噴出すような変換、してくれますね。
今ヤフオクやってて、毎度出るのが
「ご落札」が「娯楽殺」…怖いです。
単語登録してしまえばいいのに、
まだやってなくて…毎度「殺してませんっ!」

微妙な言い回しとか雅な表現とか、
ほんとに素晴しい言語だと思います。
大事にしたいものですね。
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Unknown (とんぼ)
2009-06-23 21:30:00
sacco様
なかなかおもしろいコミックですよ。
「ら抜き」で思い出しましたが、
永井愛の「ら抜きの殺意」という戯曲、
お読みになったことありますか。
ぶっそうなタイトルですが、殺人事件などは
おこりません。
通販会社にバイトで入った男性が、
言葉にものすごくうるさく、
元からいる社員が、ものすごく汚い言葉、
ギャル言葉で、特に「ら」を抜くのが
気になって気になって、けんかになる…。
という舞台の本なんですが、
合間に方言もでてきまして、
おもしろいですよ。

私はほとんど「ご苦労様」を使いません。
やっぱり気になります。
郵便やサンや宅配のかたには「お世話様」、
父やオットには「お疲れ様」ですねぇ。

返信する
「ら抜きの殺意」 (sacco)
2009-06-29 22:40:04
さっそく図書館で借りて読みました。
戯曲というモノを読むのは初めてでしたが、
読みやすいですねえ。
で、内容もとても面白かったです♪

どうしても引っかかる言い回しや方言、
自分らしい言葉使いとは…
それに「人は言葉で立場を使い分ける」という事にも
ハッと気づかされました。

言葉の使い方の難しさを軽妙に人に伝えるには
とてもふさわしい本ですね(^_^)
紹介して頂いたおかげで楽しい時間を過ごせました。
ありがとうございます。
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Unknown (とんぼ)
2009-06-30 22:40:37
sacco様
おぉ、お読みになられましたか。
私もゲラゲラとわらいながらも、
なるほどねぇといろいろ思いました。
日本語は奥が深いですねぇ。
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