ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

着物っておもしろいです。

2009-07-03 20:53:20 | 着物・古布
写真は、私にしては珍しい「花柄ゆかた」です。
手持ちの中では、もっとも華やか…かなぁ。
お天気がよくなくて、ポツポツ来る前に…朝顔の前です。
だいぶ伸びてきました。てっぺんはすでに「折り返して」います。
うちわは「和紙折り紙」でのお手製です。


私の着方の師匠は「母」です。
但し手取り足取りなんて、そんなやさしーことは、
なにによらずしてくれない母でした。実践あるのみ…!?
母は全体に紬でも長めに着るのが好きでしたから、私もそうです。

母から伝授でそのままやっているのが昨日の「帯揚げ止め」、
但し、母は最初からこれを使わせず、交差する方法で締めよと、
まず教えました。結ぶのはしていません。
なにより母は、帯に結びジワがつくのを嫌う人でした。
だからいつも交差・仮止め…それを覚えてから帯揚げ止めを買ってもらいました。
「帯はシワ寄ったらそこから傷むし結ばんときや」と、
そういって、きっちり結ぶのは半幅だけでしたね。

こういうことは、今にして思えば、本当にありがたいことだったわけです。
さて、着物って不思議なもの…です。肌襦袢と裾除けをつけた状態で、
これから襦袢と着物を着るとします。(帯締める一歩手前ってことです)
さぁ、最低何本のひもだの伊達締めだのがいりますか?
私は紐二本と伊達締め一本、実は今太めになりましたので、
紐一本に伊達締め二本です。
究極のお話をしますと、ひも一本あれば着られます。
まず襦袢を着て、いつもより少し上に紐を締めます。
結びは蝶結びで前に。着物を着ておはしょりを持ち上げ、
褄を上げたりの一連の動作を終えます。
ここで、上前を押さえた手、つまり左手の腕を使って前を押さえ、
右手で襦袢を締めていた紐を解いてしまい、これを腰紐として締めます。
おはしょりを整えておしまい。
実はこのあとも締めようと思えば帯も締められます。

そう、着崩れをあとから全部修正するんです。
それなら紐一本で着物は着られるんです。
なんだぁ、それってヘン…とお思いですか?
そもそも、着物は洋服のように「体の曲線にそってない」のです。
洋服は元々が人間の体の曲線に合うように裁断され、縫い合わさっています。
そして、きたときに身体にそうように、伸縮する素材を使ったり、
ボタンやスナップ、ファスナーなどがついていて、
それをひとつひとつ留めたりしめたりすることで、からだにピッタリ合わせます。
着物はそれが全くありません。
それをあちこちつまんだりひっぱったりして、身体に合わせているのです。
元々が着崩れて当たり前のものなのですよ。
それを少しでもふせぐために、襦袢を着たら伊達締めで押さえたり、
腰紐を締めたり、おはしょりを中でたたんだりしているわけです。
それがボタンやファスナーの代わりです。
だから究極「とりあえず襦袢と着物をなんとか着る」
だけなら紐一本でできるのです。
着崩れたら直さなきゃならない、それが着物の弱点です。
洋服は、ファスナーひとつ壊れたら、サイズがあわなくなったら着られませんね。
これが洋服の弱点です。

ところで着物の着姿で、鎖骨アタリから下のへこみと、肩甲骨の上の丸み、
これが一番「年齢」を感じさせるところです。
母は姿勢のいいひとで、洋装でも和装でもシャンとした形をとれる人でしたが、
70後半ころから足腰がよわったこともあって、
どうしても背筋が伸ばせない、それをどうやら父の撮った写真で確認したようで、
その時ポツンと「もう着物着とうないわ」と言いました。
年をとっても、背筋がしゃんとしていれば、たとえ丸みがついても
それはそれでまた年齢のよさというものがあるものですが、
よれよれと足元もおぼつかなくなって、背中を伸ばせなくなって、
母は自分自身の姿勢が「美しくない」ことが許せなくなったのだと思います。

私は若いころやせこけてまして、ついでに胸もペタンコ、
そりゃあもぉ「母なる大地」…広々とどこまでもまったいら…でしたから、
着物を着ると胸元、とくに鎖骨付近とその下が貧弱でした。
面倒なので補正もいれず着ると、母が必ず
「胸元の貧弱なのはばぁさまに見える、ついでに品もない」と言いました。
胸を張っていても、前かがみにひしゃげて見える、ババくさいんですよ。
着物ってふしぎなものですね。

昔々、着物だけで暮らしていたころは、そんなことも
たいして気にしないことだったと思います。
だって毎日あちこちに補正なんかいれてられませんよ。
だからみんな「グズグズ」で「ヨレヨレ」で「ダレダレ」だったんです。
明治大正の写真なんか見ると、もー好きなよーに着てます。
着物が特別なものになってしまってから、着るならきちんと、になったんですね。
それはそれで時代の流れ、今更グズグズで着ていたら
「片肌脱ぎ」と競っちまいますから、そうはしませんが、
そのかわり「自分流」の自分だけのカッコイイ着方ってのを目指してほしいです。
それにはやっぱり、回数こなすことと、教科書を覚えたら、
「応用編」をどんどん実践することです。
洋服を着るとき、衿の立て方や袖のまくり方一つでも、
カッコよくと思いませんか?
スカーフの結び方や、ブローチの付け位置なんかに気を使いませんか?
着物も同じです、自分に似合う着方を「考えて」着ることがダイジなんです。

私は「ちょうどいい体型」の時期に、様々な理由から着物を着られませんでした。
ガリガリから一気ににダボダボですから、そりゃもーたいへんでして、
とりあえず、一番気に入っていて、よく着る着物を二枚だけ、
仕立て直してもらいましたが…手持ちの着物…全部お直しかいっ!

というわけで、着物の方のお直しではなく、
自分のボデーの方のお直しをすることにしました。
ははは、今まで何度となく「三日坊主」どころか、入り口でザセツしていた
あの「ダイエット」ってヤツですがな…。
公表した以上、今度ばかりは続けてみようと思います。

元のサイズを書くのはちとはばかられますので、
今のところのマイナスは、2週間でヒップ1センチ減です。
次の話題は、そのダイエット、です。
ワクワクしてる~?

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6 コメント

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Unknown (陽花)
2009-07-03 22:13:11
あら、とんぼさ~んて声を掛けたくなる
素敵な着姿ですね。
冬場は補正も苦になりませんが、暑い時は
一枚でもはぶきたいのが本音です。

ダイエット頑張っておられるようですね。
体に負担が掛からない様に徐々にが一番
いいですね。
返信する
Unknown (あめだま)
2009-07-03 23:37:54
今日も なるほどと読ませていただきました。
ところで、どんなダイエット法なのでしょうか? (差し支えなければ、参考にしたいと…)
返信する
Unknown (りのりの)
2009-07-03 23:51:09
とんぼさん、とんぼさん100回咀嚼ダイエットってのがいいみたいっすよ。
一口を100回以上カミカミしてからゴックン。
少量の食事でも満腹感が得られるし、食後に口直しに甘いものを・・・って気もおこりません。唾液がたくさん出るってのがいろいろ良いみたいです。あやふやですが・・・
欠点は相当意識していないと10回くらいカミカミしたら自然と飲み込んでしまいます。そしてじっくり数えながら100回カミカミしてると食事にえらく時間がかかります。
時間があるときはなるべく実践するようにしてますがなかなか成果はでませんけどね。
あんまり説得力のないダイエット法でした・・・
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-07-04 01:15:33
陽花様
浴衣はさらりと着られて楽ですねぇ。
おなか周りは汗かきますが、
それでも涼しさを感じます。

ダイエット、がんばってまっせー。
絶大な効果ってのを期待しているんですが…。
どうなりますか、楽しみ?です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-07-04 01:16:45
あめだま様
記事アップしました。
本当は「こうやるのよ」まで
書きたかったんですが、本の内容ですので、
全部書くわけに行かず、理論ばっかしですが。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-07-04 01:19:54
りのりの様
これ、知ってます。一度やろうとしたことが
あるんですが、私、昔内耳の手術してまして、
耳の中の骨がちょっと変形アリなんです。
それでずーっとかんでると、顎関節に、
ちっと負担がかかっちゃうんですよ。
普通に食べていても、たまに痛みがくるんです。
ゆっくりたくさん咀嚼すると、
ごはんなんて甘くておいしいんですよねぇ。
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