ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

かわいい羽裏

2021-01-30 18:15:18 | 着物・古布

 

いただいたものの中に、地味目の羽織がありました。

今日は日差しがあったので、玄関で解きました。

表地は弱りがあって、ちょっと縫い目を引っ張ったら裂けてしまうところもあって…。

こんな羽織です。わかりづらいのですが、ところどころにごく薄いピンクがさしてあります。

そのピンクをちゃんと見たとしても、かなり地味。

今の時代なら私くらいの年代でしょうね。

 

        

 

その羽裏が、トップ写真のものです。もう一度出します。

かわいいでしょう?おもちゃ尽くし(尽くしというほどたくさんありませんが)

 

          

 

おんまさんは「春駒」、首の下から出ている細い棒の先には、小さな車輪がついています。

首をもって棒にまたがり、ハイヨーと…自分が走るわけです。

左下は花の形ですが「独楽」、そして左上と右上にちょっとずつ出ているのは、

でんでん太鼓です。

 

この羽織自体が、長着を繰り回したものと思われます。

返しがたっぷりなので、羽裏は量が少ないです。

たぶん、羽裏も子供のものを取っておいて、これにつけたのでしょう。

少ないがために返しを多くして、羽裏がちいさくてもなんとかなるようにした…

着物の繰り回しのワザをかいまみせてもらいました。

 

昔の羽裏は、いまよりずっとハデめで華やかです。

裏勝りの文化は女性にももちろんありましたから、若いかたの羽裏は、

表地よりもさらに華やかで、だいたいが赤、ピンク、黄色に緑、青…と、

色の洪水のようなのも、しかも柄は大きくて華やか。

子供のものはひたすら愛らしいとか、男の子のものなら勇ましいとか。

この羽裏は、色はかわいいですが、使われているのが春駒に独楽ですから、

男の子のものだったのでしょうね。

羽織は元々、着物よりは若い色柄でもいけるものですが、羽裏はもっと際限ナシ。

羽織は脱がないもの、脱がなくていいもの、というくくりのなかで、楽しんだのですね。

いつのころからか、羽裏もじゅばんも、なんだかメリハリのない、

ただ色がきれいですね…みたいなものにかわってしまいました。

みたとたんにドッカーンときて「やられたぁ」と思うようなものに出会わなくなったのも、

今の時代の不幸だなぁと思っています。

久しぶりの解き仕事でしたが、なんとも今度はハサミの具合がよくありません。

使いたくないリッパーのお世話になりました。

 

さてさて、あっというまにもう1月も終わりです。

今年は節分が1日早いのだ、たった1日でも春がちょっと早く近づくような気がしてます。

まぁ今年の桜も、静かに通り過ぎるだけのお花見かもしれませんけれど、

逆にこんな時でもちゃんと芽吹き、花咲く植物の強さを見習いましょう。

いただいたネモフィラも、寒さに負けず育っています。

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2 コメント

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Unknown (着物のこと知りたい❣️)
2021-02-01 15:05:45
検索から、こちらのブログを知りました。
羽裏、そうですよね〜。
まさに今 探しているのですが、なかなか私がトキメクお品に巡り会えなくて、コートや羽織も来シーズンに着れるかな… って感じです😢
Unknown (とんぼ)
2021-02-02 12:39:10
着物のこと知りたい❣️様

お越しいただきありがとうございます。
羽裏は「これっ」という出会いがなかなかありませんね。
だからと言って見えないからこれでいいや…はいやだし。
しっかり楽しく悩んでください。



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