ずっと探していたのですが、男物ではちょっとあっても女物ではなかなか・・。
蝙蝠柄、紗です。もう少し濃紺です。
蝙蝠は中国ではおめでたいものとされています。
結婚して最初に住んでいたアパート、住宅地のはずれでして、
近くに大きな川や樹木などがあったせいか、夕方になると蝙蝠が飛びました。
この着物、少し前にオークションで落札したのですが、
実は最初に立てた予算よりはるかに高くなったのです。
以前から「蝙蝠柄」の着物がほしい・・と思っていましたが
この柄はなかなかでないので、ある程度は覚悟していたのです。しかし・・
いくら入れても「申し訳ありませんがあなたより高額入札者が・・」という表示。
予算超えたところで「やったろーじゃないの!」と、
ひっさしぶりにアツくなっちゃいました。これが一番怖いのです。
もうちょっとだけなら・・と、ちょっと入れる、まだおいつかない、
いったいどれだけ入れてるのよぉ・・も、いーわ・・。
さすがにいくらなんでも・・と思いあきらめて降りました。
予算オーバーして落札すれば、喜んでばかりもいられません。
結局そこまででやめて、べつのところをあちこち眺め、
最後に「あの蝙蝠ちゃんはいくらになったかな」と結果を見に立ち寄ったら、
落札者、どっかでみたID・・ってあたしじゃん!!
よくよく見たら、スンごく高値をつけてたヒト、入札取り消してました。
たぶんゼロひとつよけいに書き込むミス・・たまにあるんです。
千円のつもりが1万円、1万円のつもりが10万円、なんて!
その人が取り消したので、結局予算よりお札一枚余分に
入札しちゃってた私のとこにきたわけです。
落札価格を見たときにはうれしいというか悲しいというか・・。
泣き笑いになりました。ははは、なんで落ちるのよ・・うれしいけどっ!
オークションには魔物がすんでいる!!ってほんとですー。
私はずっと仕事で落札してきましたから、そっちではけっこう「冷静」なんです。
以前は、病気でリタイアしてしまった友人と二人で品物をよぉく検討し、
予算はここまで・・と決めたらそれ以上は出さない、商いで使うわけですから、
最終的に採算がとれなくてはなんにもならないからです。
ホントにステキ・・・と思う着物でも、あっさりあきらめてきました。
ところが、自分のものとなると、妙な欲がでたりするんです。
相棒がリタイアしたあとも、ちゃんとシゴト用は冷静にやってるんですが、
自分の買い物となるとそばで「やめときなさいよ」と
いってくれる人がいなくなった分、「えーい、いっちゃえー」・・。
この「蝙蝠さん」は、その最たるもの・・しばらく個人の買い物は控えないと、
って言ってても、見ちゃうとねぇ・・やっぱり魔物が・・あたしを呼んでいる?!
ともあれ、念願の蝙蝠柄、紗なので今年はもうきられませんが、
来年、きてみましょー。
さて、ちょっと話題はかわりますが、
先週大手呉服屋「たけうち」という会社が倒産しました。
少し前には「愛染蔵(あぜくら)」が倒産し、社長が自殺という
とんでもない事態になってしまいました。
どちらも「ムリな商法」で、訴訟を起こされたりしていた会社です。
以前「とんでもない展示会」のお話を書きましたが、典型的なその商法。
「たけうち」の倒産については、同業者からも「自業自得」という声が聞かれ、
こうなってから、あーだったこーだったと、情報がダダ漏れで出てきます。
こんいう事態になると、当然連鎖倒産も起きますし、
沢山の人が職を失うことになり、もっとたいへんなのは、
職人さんの仕事がなくなり、結局はその優れた技術が伝承されるまもなく、
消えてしまうという危機に直面するわけです。
倒産で耳にしたのは「悪徳商法」、という言葉、たいがいこれがでます。
展示会に行くと、何人もで取り囲むようにして、次から次へと着物を出し、
お題目のように「ローンを組みましょう」と、言い募る・・。
買わなきゃ帰れないような雰囲気になって、ついつい・・・。
確かにその商法そのものも問題ですが、もうひとつ大事なこと。
私も呉服屋さんとはいろいろとお付き合いがあるものですから、
「裏話」なども耳にしますし、なにより着物の価格の成り立ち・・
といったものを少しは知っています。そういうことからすると、
そうやって高いローンを組まされて購入した着物や帯が、
実はそれほどの価値のないものだったということ。
ある「作り手(つまり染元とか織元)」の人が「産直」というような
そういう形で売りたいから出店してくれと言われて行ったら、
自分のところで卸す金額の100倍とか、そういう考えられない価格で
売るように言われて、即、断った・・と、言っていたそうです。
高くても妥当な価格であるならまだしも、
それじゃサギですよね。作り手はマジメにシゴトをしているのに。
倒産すれば、品物は正当な価格で取引されるなどということはなくなり、
まさに「叩き売り」になってしまいます。
作り手のプライドはズタズタですよね。
呉服屋さんと言うのは、お客様も大事にすると同時に
「作り手」も大事にする器量がなければならないと思います。
いいものとお客様を引き合わせるのが役目なのですから。
落札して超嬉しい!!って時と、うっ、って時とありますよね
さて、たけうちですが。
エンドユーザーとしてみれば、むべなるかな、と思います。
しかし、そことどうしようもなく付き合わざるを得なかった業者さんの連鎖倒産が今後起きるとすると、胸が痛みます。泥舟と分かっていても降りられないというのは、確かに個々の責任なのでしょうが。
呉服も、外資系が入ってみたら、面白いかもしれません。
喜んでいいのかですよね。
でも念願の蝙蝠柄の紗の着物ゲット
出来てよかったですね。
涼しげないい色ですごく透け感が
ありますね。来夏はぜひ着ている
写真見せてくださいね。
自分では3000円で一杯一杯、と思って入れたものが、最後は9000円越えてました。難しいです~~~。
見る目があると思って、自分を誉めておきます。
最近は限度額以上は100円でも付けないようにかたーく心に誓っているんです
でも、フクザワとソーセキが何人か飛んで行った。
コレッと思ったら、落札するまで値を吊り上げそうなので、
ネット・オークションには、手を出してません。
第一、物を見て、確かめられないので。
あれっ、触っても見てもわからないのに、どーする。
あ、は、は、、、
あ~っ!蝙蝠ですねっ。蝙蝠、桃、大好きです。おっと私じゃないですよ。主人が蝙蝠襦袢をずっと欲しがっていますが、でないんですよねえ。
ヤフオクの延長に続く延長、すごくイライラします。時間で切るようにすればめちゃくちゃな落札価額になることはないだろうに。つりあげたろか!という誘惑にかられますが、無論しません、しません。
オークションで時々落札させていただたいてた方が人気出品者になっちゃうと、よかったねと思う反面、よよよ(泣)。参加するときは、PCの画面に「ここまで」と金額を書いたポストイットを貼ってますが、誘惑にまけてせりあがり、おののいて逃げたことも何度か(笑)。やっぱり個人で無名の出品者の隠れた逸品を探すのが一番楽しいです。
たけうちの件、聞きました。お決まりの倒産パターンですね。
いいものを造っても売れない、これはどんなものでもあることですが、だからこそ人と人との出会いを大切に、お客さんと作り手さんと、呉服屋さんが、みんなで美しいものをうみだしていく共同作業、いいサイクルが生まれれば、おのずと育つものでしょうか。私は消費者だけど、やっぱりつくり手さんと話して、アイデアを投げ合いながらつくっていくのが一番楽しいですね。
最後の10分で熟慮をすばやくできたら・・
こんなに悩まないんですよぉ・・!
きゃりあつんでも自分のものはアツくなります。
陽花様
今やってる「破産管財」、針も欲しいんですけど、
あの数じゃねぇ・・一生分ですわー。
来年までに、この紗は仕立て直しします。
スマートなひとのものだったんですー!
ぶりねぇ様
はい、見事に飛んでいきましたがな。
それでも最終に出ていた金額の半額でしたから。
ケタ間違えて入れちゃった人、あせったでしょうね。
古着に関しては、あまりハズさなくなりましたが
自分かほしいと思ったものは要注意です。
なーんにも見えなくなりますから。
こーもりですー!!ホントになかなかでませんね。
以前出した「こうもりが脇役で出てる襦袢」、
売るつもりが手離せなくなってます。
ご覧になったかもしれませんが、こちら。
http://blog.goo.ne.jp/tombo624/e/6b8d1e57ec8ee57e190d4770f89c871d
全体に蝙蝠のとんでいるもの、探索中です。
職人さん、問屋さん、呉服屋さん、私たち・・
小さなサークルでいいはずなんです。
昔はみんなそうだったんですよね。
いいものを残していくには、みんなが同じように
かかわっていきませんとね。
狸の里とわざわざ教えてくれてるわけですね。この蝙蝠、巧いですね!単純で強い線、ぼかしの妙。羽の動き。風さえ感じる。これだけで一枚の絵になります。全体の空間のとらえかたもとても面白いですね。日本ならではの絵だと思います。この蝙蝠の置きかた、屏風になりまっせ。
しかし、ないないといってるだけでは我ながら情けない。よし、なければつくろうじゃないの!
昨日京都駅で、アメリカの方のはず、金沢で切り絵作家さんとどこかの本で見かけたかた、洒落た夏の着物をきてらして、英字新聞を読んでいらっしゃるのに遭遇、180センチはあろうかというかた、こげ茶の大きな絣柄、白地の献上博多の独鈷、これも紗らしかった、男着物のきりっとした姿、ほんとしゃきっときれいでした、裄短くはないようだったけど、幅が余計ある生地だったのかしら、見ほれました。
こうもりの飛び交う着物、夏の宵にきてもらうと素敵でしょうね。