ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

かるさんともんぺ その1

2006-08-23 22:20:56 | 着物・古布
何度か出しております「かるぱん」です。
元は紫のお召しの着物、今はもう洗濯しすぎて白っちゃけちゃいました。

今日は、先日の「かるさんもどきぱんつ・かるぱん」について、
その作り方を・・なんですが、実は作り方はいたって簡単なんです。
それで、あのかるぱんの作り方の前に、まずは大元の「もんぺ」から、
いろいろお話してみたいと思います。

元々もんぺは和服に部類するものですから、用布は「反物」、
つまり、幅34センチくらいの布から作るわけです。
「かるぱん」のところで「マチ」をいれることでゆとりを作る・・と
マチ部分の写真を載せました。
このマチが、マジックアイテムなんですね。
昔のもんぺの作り方を見ますと、着物のように形が一つに決まっていません。
このマチの形がそれこそ「マチマチで」ってシャレてる場合じゃありませんが・・
下の図を見てください。もんぺをもっとも単純に作るなら・・という場合です。
つまり、元の反幅を利用して、あとはマチをはめ込んで余裕を出す・・。
この、もっとも単純な形が、いわばもんぺの原型。


            


その下は原型の足の部分を細くすると、ブカブカパンツがスッキリするという図。
またマチの形を正方形から「ひし型」にすると、下のほうは細く、
太もも辺りにゆとりが出ます。ちょっと大胆図形です、ははは。


           



更にこの前の部分と後ろにあたる部分を、大きくヒダをとって縮めると、
袴スタイルになり、脇がV字にあく・・というわけです。
その最終の形がこちら。ちょっと斜めになっててすみません。





私は「袴」に憧れがあったので、後ろに腰板をつけました。
正式な袴の腰板は当然決まり事がいろいろありますが、
これはあくまで「もどき」ですから、それらしく見える形で、
ホンモノよりカンタンに・・そういうゴマカシは得意?!。
野袴風の小さい腰板ですが、はいてみたとこはこんな感じ・・。
ちょろっと上に見えるのは「私の髪」です、前にするの忘れてました。
お眼汚しで、すみません。





それから、私はいずれまた解いたときに「長方形」に戻るように、
どこも裁ち落とさず、折り曲げて、ハタハタとジャマになるところは、
みみぐけとか、三つおりぐけなどでとめつけました。
本体ができたら、あとは紐をつけ、お好みで足首にカフスを・・。
後ろも腰板をつけなければ、前と同じように紐をつければいいのです。

上にアップした図にはほとんど「寸法」が入っていません。
実は、自分の体にあうように作るには、寸法は自分で決めるのが一番なのです。
たとえば先日のトップ写真「一番最初」のかるぱんは、短めです。
よく女性用の袴を履くと、下から足袋と足首がちょっと見える・・、
というあれをねらったのですが、実際には立ち座りでひざがツレて
あまりよくありませんでした。今日の最初の写真の紫のものは、逆に長めにして、
わざとカフスを大きくしたもの。
マチは正方形を使っていますが、これはズボンの部分全体を細身にするためです。
マチもひし型にして、更に前につくマチと後ろにつくマチの形をかえると、
より「洋服のズボン」に近づく、つまり、人間の体の曲線にあってくる・・
と言うわけです。私はもんぺもかるぱんも、カンタンに作れるのがいい、
と思いますので「正方形」か「ひしマチ」でも単純なものがいいと思っています。
写真を並べてみました。上が正方形、お手製、下は「市販のもんぺ」で
3枚マチ、つまり前は三角2枚、後ろは大きい三角一枚です。
これはかなりゆとりたっぷりです。







いかがですか?曲線はありません。「このあたりからほそくしてみようか」
「このへんでVアキとめようか」・・と好きなように作れます。
イメージがわからなかったら、まずパジャマとかジャージーなどのような、
ラクなパンツをはき、腰周りのゆとりとか、足首までの長さとか、
股上の長さとかを自分で感じ取って測ってください。
そこから「この辺まであったほうがラク」とか
「もう2センチくらい短くても」とか・・決めればいいのです。
マチだけは「16センチ角」が私のはいているものだ・・
ということしかいえなくてすみません。
決してきついとか動きにくいということはありません。

上の市販のものとお手製のものを並べてみました。
白い○は光です、すみません。


               


コレだけ違っても丈はほとんど同じです。
どこをどう替えると、出来上がりの形がどうかわるか、
今日は「もんぺ」の基本と、アレンジするところのお話をしましたが、
わかりにくかったでしょうか。
次回は実際の「作り方」です。




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27 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2006-08-23 23:20:37
とんぼ様のかるばんスタイルは

いつ見ても素敵ですね。

そしてイラスト、パッと見て解るように

どうしてそんなに上手く描けるんだろうと

感心しています。
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-08-24 12:15:13
陽花様

ありがとうございます。

もうちっと「ヤセ」られたら、

更に「ホソミ」に作れる??

実はぶかぱん・ぺんぎんぱんが、

いちばーん似合うとんぼですー。
返信する
Unknown (百福)
2006-08-24 18:37:35
長羽織とかるぱんの色のコーディネートが素敵!よくできてますね~。楽そうですねえ。切り落とさずにあちこち縫って形をつくる、全く無駄がないです。スバラシイ♪



対丈着物のアドバイス有難うございました。

まずはお腹を減らして、チャレンジしますっ。



返信する
エプロン袴 (うまこ)
2006-08-24 21:35:48
私の場合は、HPに載せたように、お茶の本で見た

エプロン型のさっと履く袴というので

自転車に乗りますが、

何せ後ろがあいているのでずっと履いていて

歩いたりするのには、不適です。

次回は是非この形で長く履くタイプのものを

作ってみます。

戦国時代のように馬に乗って弓を射らなくちゃ♪(うそです)
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-08-24 22:46:39
百福様

「反物」というもの、

ホントに知恵の塊だと思います。

この文化はなくしたくないですね。

対丈の記事、お役に立ててうれしいです。

おなか、なかなかへこみませーん。



うまこ様

コレ履くと、駅の階段でもかけあがれちゃうので、

おしとやかでなくなっちゃいます。

あっ、もとから私おしとやかじゃ

ありませんでした?!



返信する
Unknown (ばけ)
2009-11-01 08:33:09
ありがとうございます、早速ブックマークいたしました。参考にさせていただきます。
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Unknown (とんぼ)
2009-11-01 12:18:18
ばけ様
コメントわざわざありがとうございます。
何かお役に立てることがあればうれしいです。
今後ともよろしくお願いいたします。
返信する
ありがとうございました (kawamoto kumie)
2009-12-06 08:19:30
誰かが書いてくださっているのではないかと検索し、このサイトに来ました。

母(今、年満100才で他界)の雨コートは広幅物で後ろ身頃で2枚取るには幅が狭く、狭い幅は後ろズボンに向かないのではないかと、前後とも前身ごろ胸下寸法で裁ち、広いベルトで前後の丈を変えました。

生地が厚いので紐は裁ち目をミシンでたたいた一枚仕立て、途中で絹糸がなくなり木綿糸。他人には着せられないおっつけ仕事ですが、どうしようもないと思っていた小柄の母の雨コートが再生できました。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-12-06 22:18:09
kawamoto kumie様
ようこそおいでくださいました。
お役に立ったようでなによりです。
この記事へのアクセスが、
何かとありますので、もう少しわかりやすく
まとめて書き直したい…と思いつつ、
ずっとそのままになっております。
雨コート利用の雨用、これはいいアイデアです。
どうしても雨の日に着物ってこともありますから、
ただコートを着るより確かですね。
次にまとめるときには、このアイデアも
書かせていただきます。
こちらこそ、ありがとうございました。
返信する
はじめまして (着物ライダー)
2011-07-11 09:44:30
はじめまして。
もんぺで検索中にここにたどり着きました。
もんぺを作るときに参考にさせていただきました。
ありがとうございます。
返信する

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