goo blog サービス終了のお知らせ 

ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

百か日

2011-03-20 03:26:44 | つれづれ

 

先週だったのですが、とにかく世の中騒然としています。停電や余震で落ち着きません。

とくに遠方からの身内には、とてものことにきてくださいなどとはいえない状態で…。

逆に茨城の親戚には、なかなか電話が通じなくて、無事を確かめるのに半日かかりました。

仏さまのことは、早めに済ませることはあっても、遅くなることはありません。

それでもこんなですから、さすがに「ばーちゃんだってわかってくれるよ」と、一応延期…としたのですが…。

父は、母のこととなると、どうしても…と考えていたようで、一人で行ってくる、と突然電話をかけてきました。

 

通常「百か日」は、菩提寺でやるわけですが、我が家は百一日目のお寺として有名な、

大山の「茶湯寺(ちゃとうじ)」に行きます。手抜きといえば手抜きなのですが…。

大山といえば「阿夫利神社」ですが、そのためのケーブルカーの駅があります。

茶湯寺は、それより少し手前です。

元々「百か日」は、故人が四十九日がおわってあちらの世界にゆき、

百日を以って「先祖」の仲間入りをする…茶湯寺は、家族が故人の成仏を感謝して

百一日目にお参りするお寺…というわけです。

故人は、それを知っていて、参道で待っている…といわれてまして、

故人によく似た人に会う、とか、蝶やトンボがふっと現れてまとわりついて消える…といわれています。

 

四十九日や百か日のように、前もっての予約などはしなくても大丈夫です。

とまぁ、知ったようなことを書いていますが、実は、私は祖父母の時、二回ともいかれませんでした。

それでハナシにきいているだけなのですが、大山信仰の参道ですから、階段と坂道で、

日ごろ運動不足の人にはちときついそうです。あたしだ…。

終わったあとは「お茶の葉」と「干菓子」をいただけます。

 

参道ですからおみやげものやさんや茶店などが並び、名物料理はいわずと知れた「大山豆腐」。

豆腐懐石がいいそうです。

 

さて、そんなわけで、父が一人で行くと申しましたが、おりしも「計画停電」、電車の本数なども減っていますし…。

すると父は、朝早く出る、別に帰りが夜になったっていいんだから…と申します。

とめて聞くような人ではアリマセンから、ではお願いしますといいました。

9時前にでたようなので、帰りは夕方かな…と思っておりましたら、お昼過ぎにはただいまー。

えぇーっはゃっ!

大山は伊勢原ですから小田急線です。地元の私鉄で途中までいって乗り換えです。そこからバス。

それが駅に着くと電車が来る、乗換駅でもすぐ電車がきて、駅降りたらバスがいて、乗ったらすぐ出発…

おまけにそんなときですから、ほかにお参りする一団もなく、で、すぐ始まってすぐ終わり…。

11時ちょっとすぎには「豆腐のお店」にはいっていたそうな。

ばーちゃんに似た人にあった?と聞いたら「おまえ、こんな日に誰も歩いてないよ」…それもそーだ。

蝶やトンボには早かったしね。それでもハイキングスタイルの人は何人かみかけたそうです。 

 

本当は、仏前にお供えしてからだけど、お前いかれなかったから…というので、

ばーちゃんお先に…と、いただいてきたお茶の葉でお茶を入れ、干菓子をいただきました。

どっちもほんとにおいしかったです。「ほっとした」と父はさっぱりした顔をしていました。

ほんとに早いもので、三ヶ月をすぎたわけです。

元々余命を限られていましたから、なんとか生き延びても、すでに今頃は…だと思います。

恐ろしい地震も知らず、原発も知らずにすんで、今はかえってよかったです。

お位牌は安定が悪いので、今も地震が来るとすぐに仏壇から転げ落ちるので、

しばらく下の小さな台のせておくという…まぁほんとに変則的ですが、仕方ないですね。

夕べも大きな余震がありましたから。

 

北の国では、たった一日で、たくさんの人が仏さまになりました。

四十九日までは、それぞれの家にとどまる、といいますが、その家さえもなくなって、

きっと家族のそばで心配そうに付き添っているのでしょう。

それを思うとほんとに切ないです。一日も早く、全部の仏さまがご供養されますように。

安心してご先祖さまの仲間に入れますように。

 

今夜はスーパー・フル・ムーンでした。夕方見たときは、ちょっと薄曇りで、

朧月夜みたいだったのですが、深夜に見たら、煌々と輝いていました。なるほどいつもより大きい…きがする…。

なんでも、地球に一番近づく日だそうで、いつもより14パーセント増し…といわれてもわかりにくいですが、

大きさ比較の写真のページを教えてくださった方がいました。

思わず手を合わせました。なぜだかわかりませんが、死者にも正者にも優しいなと、そんな気がして。

「生きられた人」が、一日も早く、落ち着いて、また前を向いて歩き始められるように、

日本中で応援していきたいですね。

 

写真はまたたくさん咲き始めた雲間草、色が濃い感じがします。

ここだけは「春」…。 


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一週間 | トップ | 気持ちの切り替え »
最新の画像もっと見る

6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
早いですねぇ・・・ (りら)
2011-03-20 16:34:21
もう百箇日になるのですねぇ。
お父様のお心、拝読していてじんときました。
きっと、天のお母様が、大変にならないようにと采配されたのではないでしょうか?
状況は大変でも愛する故人を悼む・・・
そういう気持ちを、忘れない人間でありたいものだと思いました。

お母様も安心してご先祖様のお仲間入りをされたでしょうね。
返信する
Unknown (陽花)
2011-03-20 21:22:45
百一日目にお参りいするお寺は初めて
聞きました。こういう大惨事のあと、
出掛けても帰りの電車が動くかどうかの
心配もあったでしょうが、きっとお母様が
待っておられたからスムーズに行き来
できたのでしょうね。

返信する
気持ちも (akkommam)
2011-03-21 10:38:23

 お母様の百か日を済まされた
 とのこと、大山の阿夫利神社
 は下からその上の見晴らし台
 まで歩いたことがありました。

 百一日のお話ははじめて知り
 ました。

 早いものですね、とんぼさんの
 ブログにたびたび見え隠れする
 お母様への優しさに、ほろりと
 することも多かったのですが、
 この頃はあまりにも大きな
 出来事に心を奪われていました。

 お父様もきっと気持ちが少し
 落ち着かれ、また違った寂しさを
 感じていらっしゃるのではと
 拝察しております。

 私も昨日はお墓まいりでした。
 高速はガラガラで、
 ガソリンスタンド渋滞にびっくり
 してきました。

 もう少しで本格的な暖かさが
 やってくることでしょう、
 東北地方の早い復興を応援しながら
 の毎日ですが、今日は非情の雨です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2011-03-21 20:35:09
りら様

私も、母が采配してくれたんだなーと思いました。
父はきっと母に似た人に会うか、蝶でもなんでも
なにかしら見たかったのだと思います。
祖父のときは蝶がきたそうです。
「101日目」でなきゃならないわけですから、
どうしてもいきたかったんでしょうね。
とりあえずほっとした…といってました。
母もきっとご先祖さまのニューフェースで、
今頃すでにうるさがられてるかも?
返信する
Unknown (とんぼ)
2011-03-21 20:36:37
陽花様

名前からしておもしろいお寺ですよね。
きっと母がちゃんとみちびいてくれたのだろうと、
父も言ってました。
無事すんでよかったです。
返信する
Unknown (とんぼ)
2011-03-21 20:45:29
akkommam様

ほんとに早いものです。
おかげさまで、なんとか父だけでもお参りできてよかったです。

まさかこんな大災害がおこるなんて…。
いえ、昔から「忘れたころに…」といいますから、
日ごろの気の緩みを締められたきがします。
お彼岸ももうすぐ開けます。
春になるのでしょうね。
今年の桜はのんびり花見…とは行きませんが、
それでも前に進まなきゃと思います。
北国に、早く暖かい日ざしがふりそそぎますように。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

つれづれ」カテゴリの最新記事