ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

今日は「岡重」ふう…

2013-04-18 10:41:20 | 着物・古布

 

トップは「その羽裏」のついている羽織。

黒絵羽織です。丈からいって昭和30年代のものかと思いますが…。

「御所人形のお祭柄」、それも海辺のどこかのお祭、ですかね。着物も扇子も波頭の柄です。

 

       

 

こちらは袖の方で踊っているコ、やっぱり波柄。

 

          

 

この羽織の羽裏がこちらです。ね、岡重風でしょ。

 

        

 

絵としてはなかなかのもの。この羽裏「染の薄さ」が特徴??失敗したのか元々なのかわかりません。

色がさめたというのではなく、最初から濃く染められてないんです。こんな感じ。

文字通り「眼が点」になっちゃってたりして…。

 

            

 

もし、もっと鮮やかに染められていたとしたら…

 

            

 

               

 

こんなかな?濃くしてみると、まぁまぁでしょう?なかなかいいお顔に描けています。

実物は薄ですから、表地が多少明るい色でも、いけますかねぇ。

 

これは岡重の「百美人文様」の写しですね。

「岡重」、実は知人に同じ字で「おかしげ」さんがいるもんで、つい「おかしげ」といってしまうのですが、

「オカシゲ」ではなく「オカジュウ」…、オカジュウさん、ずっとちゃんと呼んでなくてごめんなさい。

 

創始者は明治期の「染色家」、二代目の「重助」さんが、羽裏などの裏地を染める技術で、

名前を知られるようになりましたが、ここでも戦争ってものがねぇ…。

それでも戦後復活、三代目、今の四代目と続き、四代目さんは、着物だけでなく、

いろいろ新しいものも広めようとやっておられます。

 

岡重の羽裏といえば…というくらいで、コレクションなどの本も出ていますが、

この百美人もその一つというわけです。

羽裏やじゅばんの染でありながら、表地に負けず劣らずの染は、型紙も何十枚も使うものもあります。

表地より高い…というのも、めずらしくなかったそうな。

でもねぇ…今大正期の復刻版などもでていますが、実を言うと私「すごく好き…」ではありません。

柄としてはすばらしいと思うのですが、ちょっと表地と張り合いすぎるキライが…と思ってしまって。

なので、今回のこの写し、元々写しだという立場で控えめで、更にやたら薄いために

すごく謙虚になっちゃってるところも、なんか気に入ったんです。

 

昨日のコメントにもありましたが、古着についている羽裏は前がカットされていますし、

使いたいと思っても、サイズがあわなくてだめなときもあります。

これは私は羽裏として使うより「見せたい」ので、たとえばバッグの中側に使いたいですね。

トートのようなバッグで、表地と突合せで作れば、もっているだけで、中がチラッと見えますし、

例えば外付けのポケットの飾りフラップなど作って、そこに使って中とおソロにするとか…。

知っている人には「あっ岡重もどき…」といわれるかもしれませんけどねぇ。

私は知ってて使っているので、きにしません。

 

岡重さんのではありませんが、母のものだったこんなじゅばんがあります。

なんでも柄にしてしまう、日本人のたのしいところだなぁと思っています。

もっとこういう柄、でませんかねぇ。

 

      

 

さて、トップの羽織の方ですが、丈が短いだけで、ダメージはほとんどありません。

ただ、もともとの「黒」の染めの具合ですかねぇ、ちょっと白っぽい黒…に見えています。

でも柄はかわいいし、長く伸ばして裏表で色の違いがなければ、作り直して着ようかな~です。

羽裏はちと小さめのように見えるので、それこそ「ゴソゴソ」と探して、いいのをつけたいですねぇ。     


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アール・ヌーボーふうの羽裏 | トップ | ちょっとずつ模様替え »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今日も楽しく読ませていただきました。 (まあや)
2013-04-18 18:12:05
とんぼさんのブログを読める日は、一時の幸せを感じています。
今日は息子に、「この着物、夏に近づきすぎているんじゃない?」と言われ、気にしてくれてありがとう、と感じています。
まだ4月、春から初夏へ、と考えて‥…。
気づいてくれる人が居るのを楽しんで……。
これからも、色々教えてくださいませね。
返信する
Unknown (陽花)
2013-04-18 22:04:01
百美人、本当に美人さん揃い!
簪や着物の色、柄などよくこれだけ・・・と
感心します。
せめて中間ぐらいの色の濃さぐらいあったら
なおいいのにと思ってしまいます。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-04-19 18:56:30
まあや様

あらまぁ、そんなふうに言っていただくと、
書いている甲斐があるというものです。
ありがとうございます。

気づくということは大切なことですよね。
こちらもあちらも。
見て感じてほしいものはたくさんあります。
季節感を大切にしてきた民族のDNAは、
みんなもっているはずですし…。
今週末はまた寒いそうですが、すぎればまた
着物が着たい季節ですから、楽しんでください。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-04-19 18:58:35
陽花様

珍しく、いいお顔ぞろいでしょう。
一色の濃淡でもいいから、もう少し濃いといいですね。
まぁ着るのが「美人さん」でないことを、
考慮してるのかも???
返信する
Unknown ()
2013-04-19 22:01:52
バックの中の裏地は 汚れるので・・・
と 思っていましたが
まさに 本日 
黒のバックで裏地も黒
その中に 黒の長財布と黒の小銭入れ 
黒っぽい小物入れが入り
いやはや 探し物をするのが大変でした

トートバックの裏地・・・解いた羽裏の使用
考えようっと
とんぼさんの様な素敵な羽裏は無いけれど
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-04-20 15:19:44
惠様

たしかに汚れやすいですが、柄のこまかいものや、
派手なものなら、それほど目立ちません。
私はコントラスト付けたいほうなので…。

羽裏の弱ったのは、接着芯で裏打ちしてから使います。
羽裏としてジミでも、中に使うとおもしろい味がでることもありますよ。
返信する

コメントを投稿

着物・古布」カテゴリの最新記事