「メジャーの打法」~ブログ編

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打法の分類

2010年01月04日 | 打法
 フロントサイド、バックサイド。

 去年、掲示板のやりとりのなかで、この動画を紹介した。YouTubeを探したら、ほかにもこれこれがあった。みんな同じ格好、つまりB型を教えている。マウアーもペドロイアも子供のころからこういう打ち方を教わってきたわけだ。

 打法を分類するのに、まず手でバットに加える力に注目し、現代主流の打法をトップハンドで『引く』Ⅱ型とした。そしてさらにそのⅡ型を、トップハンドの使い方(ThrowかPushか)でA型、B型に分けたのだった。
 この手法を覆すつもりはないが、打撃動作を眺める視点はほかにもある。たとえば、こちらの動画の12:10頃に語られている、『フロントサイド主体の打法』と『バックサイド主体の打法』に分けるやり方だ。『主体』というのはヘッドスピードをもたらすエネルギーの生産をどちら側に多く依存するか?、いいかえれば、筋肉が短縮性収縮してパワー(エネルギー)を発揮するのはおもにどちら側か?ということだ。

 この見方のほうが、打撃技術のとらえ方としては、総体的で、的確に思えなくもない。打撃動作のメカニズムを論じるばあい、「いかにしてパワーの発揮し、それをヘッド加速につなげるか?」が根本になければならないが、上の分類法はそのことを踏まえている。「手でバットにどういう風に力を加えるか?」などというのは、指標に過ぎないとはいえ、いかにも枝葉末節な感じを受ける。しかも、B型を特徴付けるのに、『バックサイド主体の打法』というのは当を得ている。B型を形容するためにある言葉のような気さえする。

 B型についてのこの見方はわたしの見方ともほぼ一致する。下半身の動作についての認識、つまり、「腰のTurnではなく、右脚のKickである」ということとも特に矛盾はない。しかし、打法の大分類として、まず、この二通りに分けるのはかならずしも適当ではない。この分類法から外れる打法も出てくるし(ボンズ、グリフィーの打法のこと)、打撃技術史の語るには大雑把で、結局、手の使い方に言及しなければ話が始まらないからだ。

 このふたつの分類法を比較しながら、打撃技術を歴史的に振り返るのもおもしろいかもしれない。
 
 (つづく)


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