「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
『究極の打法』オースチンからボンズまで
 Amazonにて発売中

沢村栄治

2008年11月16日 | 投法
 沢村栄治のフィルムがYouTubeにあった! 

 新たに発見されたのか? タイ・カップのフィルムを見て以来の感動だ。結構残ってるんだねぇ。ロジャース・ホーンスビーも殿堂にあったし・・・

 沢村については投法(43)で取り上げた。そこでは「アーム式だったんじゃないか?」と書いたが、ご覧のとおり間違いで、普通の投法だ。心霊写真のように見えるはずのないものを見ていたわけだ orz 今後の自分への戒めとしたいが、当ブログをごらんの方も警戒を怠らないでいただきたい。

 それにしても画像と映像の差をつくづく感じる。動画なしに写真だけで動作を論じるのはひかえた方が利口かもしれない。村上豊はタイ・カップのこの写真をもとにいろいろと論じていたが、これは写真撮影用に彼独特のグリップを見せたもので、彼のスイングにこのような局面はない。村上は動画を見てないのだろう。
 しかし映像も万能ではなく、そこからキネティックなことがら(力の使い方)を判断をする過程でも間違いは入り込む。打撃の大変革のひとつの要因としてビデオの普及を挙げ、視覚的データ獲得に細心の注意を払ったジャック・マンキンでさえ、キネティックな解釈を間違えている(A型)。自分も似たようなことは何度も経験してきたし、ブログにも書いた。
 裏を返せば、「動作解析法がいかに有力か」ということになる。ところがなかなか現場で役立ちそうな目覚しい成果が得られない。研究者が野球の素人で、被験者の選択やデータの解析が不十分なためだろう。しかし、仮にその辺がうまく行ったとしても、動作解析法にはおのずから限界がある。過去のプレイヤーについては、データが得られないから、考察の対象となり得ないからだ。昔のフィルムからモンタージュ写真を作るようにして、フォームをデジタル化し、それについて動作解析法を用いてキネティックな知見を得る―なんてことができないものか? 過去の名プレーヤーについては、現象面にとどまらず動作原理にまで考えを掘り下げたい、つまりキネティックな言語を使って語りたいというのが当然の欲求だろう。

 

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。