快読日記

日々の読書記録

「紙幣は語る」中野京子

2010年12月17日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《12/16読了 洋泉社新書y 2001年刊 【歴史】 なかの・きょうこ》

「怖い絵」シリーズの中野京子の本。
各国の紙幣に描かれた肖像とその背景を解説してくれてるんですが、この前半がつまらなかった。
というのも、取り上げられている紙幣の一部しか図版が掲載されておらず、
文章で「この国のこの紙幣の図案はこうだ」と説明されても二階から目薬、かえってフラストレーションがつのるばかり。
人物の紹介も短くて概略だけで、これ挫折本になっちゃうのかなーと思いつつ我慢しながら読み続けると、後半一気に逆転します。
クララ・シューマンやマリア・モンテッソーリ、ガブリエラ・ミストラル、マリー・キュリーといった女性たちの生涯の話題になってからは一気読み!
言いよどみが一切ない歯切れのよい文章と、時折挟まれる考察や指摘がスカッとして、すごくおもしろい世界史の授業みたいにワクワクしました。
最近、新刊が出たと思っても「怖い絵」の焼き直しみたいな本でがっかりさせられることが続いてますが、とりあえず今後も追いかけていきたいです。