十勝の活性化を考える会

     
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本の感想

2023-01-26 05:00:00 | 投稿

 

先日、昨年の10月に出版されたエマニュエル・トッド著“我々はどこから来て、今どこにいるのか?”の本を読んだ。この本は、フランシス・フクヤマ氏が40年前に“歴史の終わり”に書いていた内容と全く逆である。

すなわち彼は、冷戦の終結により資本主義は勝利し世界平和が訪れると書いていた。フクヤマ氏は1952年生まれ。政治経済学者の日系3世で、スタンフォード大学教授を務める。本には資本主義、共産主義、人間の理性や欲望、気概(誇り)のこと等を書いていた。一方トッド氏は、アメリカや日本の資本主義である「直系家族型社会」、中国・ロシアの共産主義である「共同体家族型社会」に関して書いていた。

いま世界は、冷戦終結後30年を経てウクライナ戦争などによってひび割れを起こし、大変な不安定期に入ってしまった。国際秩序だけではなく、経済世界も、国内政治も、そして情報コミュニケーションの秩序も大きく揺らいで、世界中に不安が広がっている。また、“悪法も法なり”とはいえ、個人情報保護法により人と人とのつながりが失われようとしている。

それに加えて、私たち人類の共通の星である地球が、もはや取り返しがきかない危険性に陥っているのである。それは、最近の世界で多発している異常気象を見れば分かるだろう。まさに、絶体絶命の状況なのである。

私は理性が大切であり自己中心的に生きていけば、人類の歴史は終わるのではないだろうかと思っている。理性とは、人間に本来的に備わっているとされる知的能力のひとつとされる。我々が子作りする場合、性欲により無意識に動かされているのと同じで野生的ともいえよう。だから私は、野生的な人間といわれることが多い。

人間が理性的行動、つまり計画的行動を行なうことが出来るのは、現在だけにとらわれず過去や未来を考慮するからである。いわば、自らの欲求を抑えているにすぎないのが現実で、本来の理性に起因するものではない。例えば、ウクライナ戦争のような場合、計画的行動により極めて大きな悪を実行することが可能である。ユダヤ人の大量虐殺があるように、そのことは歴史が実証している。

理性は純粋に精神的能力であり、情動や性欲が肉体的な作用である。大変に騒がしい場所にいる時や大変に悲しんでいる時には、理性的な判断を下すのが困難になるのである。

このことは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を見ていると、プーチン大統領や側近にも言えるのではないだろうか。地球温暖化に伴う異常気象なども考慮すれば、人類は歴史の終わりに近づいていると思わざるを得ない。

「十勝の活性化を考える会」会員


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