第35期夏休み特別企画
~ 独学が難しい理由その1~
皆様、今日は。当塾を主宰していますTOITAです。
8月の試験、ご苦労様でした。
試験が終わった時刻からあくる日一杯迄が、当塾で
訪問者が一番多い時です。
皆様、ご自分の答えた答えが正しいか確認される為
や、知らなかったことが出題されたため、その事柄
を勉強する為に訪問されるのだと思います。
試験が終わって「多分、大丈夫」と思っている方や
、「あ~。やってしまった。」と思っている方、そ
して、「受かったかなー?ダメだったかなー?」と
不安に思っている方と様々だと思います。
私ごとですが無線従事者試験を初めて受けたのは、
中学 2 年の頃の電話級アマチュア無線技士 (現第4
級アマチュア無線技士)です。
それから高校2年生の時には 今は、ありません第3
級無線通信士 (名称が間違っているかも知れません
)でした。 最後は、40代での第1級陸上無線技術士
の試験でした。
第3級無線通信士の受験の頃迄は 受験後、皆様と同
じ様な気持ちでいました。
最後に受験しました 第1級陸上無線技術士試験の合
格率は、当時、9%。60年程前には、3%でした。
第1級陸上無線技術士等 幾つかの上級資格は、合格
率が低く、これらの試験は、極一部の方だけが合格
出来る特別なものでした。
よって、普通の方には、合格出来ない崇高なもので
した。
当時は、合格者のみにハガキで通知され不合格者に
は、何時までたっても連絡が来ないと言うシステム
でしたので 不安も大きく、 また、 合格した時の例
えようのない喜びは、今では、味わう事もありませ
ん。
さて、私の高校時代までの受験勉強ですが、勿論、
周りに教えてくれる人もいませんので本屋で受験参
考書を買ってきての独学です。
当塾を始める前、 そして大学で第1級陸上無線技術
士の受験指導を始める前までは、独学以外に受験勉
強の方法を考えた事もありませんでした。
しかし、航空無線通信士の資格に限って言いますと
一部の大学でも受験指導が行われている様です。
ところが、多くの方は、それらの大学に席がないた
め、利用出来ません。
ただ、某団体の講座を利用する方法が有りますので
時間とお金のある方には、オススメです。
しかし、この方法を利用出来る方は、受験される方
の極一部です。
そうしますと、受験される方のほとんどは、やはり
独学と言う事になりますが、独学とは 50年以上前
の方法なのです。
私の子供の頃と違い、学校よりも塾と言う時代です
。皆様は、塾で言われる通りに勉強していれば希望
校に入学出来たと思います。
皆様は、どのような試験問題が出るかやその攻略方
法を一切考える必要がなかったと思います。
学校の受験でも無線従事者試験でも合格する為には
、次の2つの事が大事になります。
(1)合格の為の攻略方法を確立する。
(2)受験勉強を続けて行う。
皆様がやられた事は、(2)だけです。
(1)は、塾の講師の方がされています。
塾の講師の方々がされている事をもう少し掘り下げ
てみましょう。
1-1.過去の出題傾向を徹底的に 分析し、その洞察
力を駆使して、 次回の試験に出題される問題
を予測する。
1-2.過去に出題された問題を分類し、 類似問題を
解くためのポイントを抑える。
これから、皆様が、独学を選ばれるとしますと当然
塾の講師の方がされる出題される問題の予想や学習
計画をご自分で立てる必要がありますが、未知の航
空通を目指す事になりますとそこで直面する問題点
が有ります。
(1)「無線工学」や「電波法規」の 学習の経験が
ない
(2) 疑問に答えてくれる人がいない
(3) 参考書は、試験範囲を 全て網羅していない
(4) 出題範囲の予想がつかない
(5) 受験資格の難易度が分からない
(6) 現在の実力を判定出来ない
(7) 学習のペースを保てない
以上の理由が、独学を非常に難しいものにしていま
す。
皆様には、塾講師もいない訳ですから、東京から札
幌迄、飛行機で行くのが当たり前な時代に各駅停車
の電車を乗り継いで行く様なものです。しかも、ど
の線を乗り継ぐのかも分かりませんし時刻表すらな
い様なものです。飛行機なら航空券を購入して空港
へ行くだけです。
(1)から(7)が 航空無線通信士の試験において 60%
以上(受験を趣味とする人を除くと 70%)の人が
不合格になる理由です。
それでは、更に以上の理由を細かく見て行きましょ
う。
(1)「無線工学」や「電波法規」の学習が初めて
航空無線通信士の受験をされる方は 航空無通
通信士の仕事がら文系の方が多い様です。
当然、無線工学は、理系の範疇です。
それでは 「電波法規」なら暗記ものだから大
夫とお考えの方も多い事と思いますが 「 電波
法規」は、 法律用語の塊で 述べられている事
もありますが、その内容は 無線機器等につい
て述べられていたりしますので それらの知識
がありませんと理解出来ません。
当然、 無線通信の経験が無い場合には 無線の
の特性すら分かりませんので電波法で規整され
る理由すら分かりません。
そこで、皆様の中には、過去問とその答えを暗
記すれば良いのでは?と考えられる方が多いの
ですが、受験に失敗される方が多い理由がそこ
に有ます。
人の命を預かる航空関係者に 国が [暗記力] を
求める試験をするわけが有りません。
試験には、それぞれ、何を試すかと言う目的が
有ります。
無線従事者試験の 最高峰の第1級陸上無線技術
士では、 短時間にその技術力を見極める為、2
時間半の時間で 25 問の問題を 解かなければな
りません。1 問当たり 6 分です。ゆっくりと考
えている暇は、ありません。つまり、直ぐに 答
えられるだけの知識があるかを 見ているのです
。
(大学での 受験指導では、 速く答える 訓練もし
ています。)
試験問題を出す側の目的が分かりませんと 「無
線工学」 や「電波法規」の試験に受かる事が極
めて難しくなります。
(2) 疑問に答えてくれる人がいない
一つ二つの疑問には ネット上の「教えて○△」
等で知ることも出来ますが それらは、断片的で
皆様を 合格に導く為の継続的な指導では、 あり
ませんし 体系的な知識を授ける為のものでも無
いのは、当然です。( 解答の中には、 質問者を
バカ呼ばわりするものもあります。)
よって、知識は、断片的で その理解が正しいか
どうかも曖昧ですので受験しても 結果が発表さ
れる迄は、合否も曖昧になります。
(3) 参考書は 試験範囲を全て網羅していない
私は、受験指導の為に市販の参考書がどの範囲を
どの様に説明しているかを調べる為に購入してい
ます。
すると特に新設問題について参考書には記載が無
いと言う事が 分かりました。又、試験に出題され
ない範囲の説明も書かれていますので 受験される
方には どこが必要でどこが不必要か分かりません
ので 無駄な時間を使う事になります。
参考書に記載されている事柄での 学力が十分な方
であれば 参考書に出ていない問題が出題されても
、参考書に書かれている範囲で合格点を 取る事が
出来ますので問題無いのですが、 書かれている範
囲での説明で 合格点を取るだけの実力が無いとし
ますと 参考書に出ていない事柄の問題が出題され
ることは、合格を 更に遠避けるものになります。
また、再度、受験するにしても、 また、想定外の
新設問題が 出題されると手の出しようがなくなり
、受験自体がいやになってしまいます。
新設問題は、 試験を出題する側にとって受験者の
実力を見るのに都合の良い問題です。
また、 永年出題されてこなかった問題を出題する
のも、 出題者にとっては、受験者の実力を見る為
の良い方法です。
次回は、(4) の ”出題範囲の予想がつかない”からお話
致します。