第1章空中線と電波伝搬
(6)アンテナと給電線の
整合その2
今回は、 送信機の電力を アンテナへ送る方法には、”
平衡形” と ”不平衡形” がある事をお話します。(アン
テナに誘起した電圧による電流を受信機へ送る場合も同
様です。)
同軸ケーブルは 、不平衡形である事をすでにお話を致し
ました。
そして、アンテナにも”不平衡形”と”平衡形”があります。
半波長ダイポール・アンテナは、”平衡形”になります。
[平衡や不平衡とは何か?]
まず、”平衡”とか “不平衡”とは、どう言う事かをお話致
します。
不平衡
図-1の上側の図をご覧ください。緑は、大地(アー
ス:地球)です。
左側に電源(丸にSIN波のマーク)が有ります。
電源の上側に繋がれた導線は、負荷(負荷とは 電力
を消費するものです。)の上側に繋がれています。
負荷の下側と 電源の下側は、それぞれ大地へ繋がれ
ています。
電源の上側から流れ出た電流は、 負荷を通して大地
を通り、電源に戻ります。
この様な電気の繋ぎ方をするものに電車があります。
変電所から架線に繋がり 負荷となる電車のパンタグ
ラフ→ モーター(実際の負荷) → 線路( 先ほど
の説明の大地に当たります。) → 変電所へと繋が
ります。
図-1
交流の場合、逆向きにも電流が流れます。
ここでは、電流の通路の一つが大地です。通信装
置の中では、大地の代わりとなるアースとかグラ
ンドと呼ばれる電流の通路を作ります。また、装
置の筐体(装置のケース)も装置の中のグランド
と繋がれています。
装置の中のグランドは、最終的には、大地に接続
されています。
よって、装置内のグランドと大地は、同じ電圧レ
ベルになります。
電気の全ての基準は、大地(地球)です。
アース(earth)とは、地球の事です。
ここまで、電流についてお話をしましたが、電流
が流れる為には、負荷の両端に電圧の差がなけれ
ばなりません。
大地は、基準ですので、常に、0 [V] です。
負荷の下側は、 グランド(大地)につながれてい
ますので常に 0 [V] です。
電源又は、信号源の電圧が仮に +10 [V] ~ -10
[V] 迄変化するとします。負荷の上側が +10 [V]
の時は、グランドが 0 [V] で良いのですが、電源
又は、信号源のグランド側が +10 [V] になった時
は、どうなのでしょう?
続きは、9月の「法規」と「工学」のページでお読み下さ
い。
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