古い物と新しい物のコラボ

このセーターに出逢ったのは。
デパートの北海道展だった。
丹念に編まれたそのセーターの、模様の緻密さとトリコロールという色の取り合わせにノックダウン。
セーターにしてはかなり値が張ったが、迷うことなくレジに直行していた。
幾重にも糸が渡ったそのセーターは、とても暖かいものだったけれど、重いのと分厚いのとで、日常生活では不向きなことに気がついた。
それでも、とても素敵に編まれた手編みのセーターを簡単に捨てることなどできなかった。
衣類を仕舞っているお茶箱を、季節ごとに開けたり閉めたりしては、そのセーターの存在を目の端に認めていた。
このまま捨てるのは惜しいな。
だけど、今の私が着るには可愛すぎる。
そうして、この二つのバッグが生まれた。
義妹と姪に贈る母娘バッグ。
両袖で、義妹のトートバッグと姪のポシェットが取れた。
縮ませるために洗濯機でがらがら回したけれど、空気を含んだ毛糸はちっともフェルト化することなく、ふんわりしたままだった。
はさみを入れる直前まで、ためらいがあった。
だけど、思った以上に可愛くリメイクできたので茶箱の底からたたき起こされたセーターも満足してくれると信じている。
くたっとしたニットと、糊がきいたパリッとしたダンガリー。
古い物と新しい物のコラボレーション、義妹たちが気に入ってくれると嬉しいな。

（素材）C&Sインディゴヘビーシャンブレーと「アリスファーム」製編み込みセーター
持ち手は、革端布を麻糸でステッチ