goo blog サービス終了のお知らせ 

ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

向こうに見えるもの

2006-07-24 | 砂時計
テレビのチャンネルを、ムスコがチッチと変えていたら、「透視」という文字が眼に入った。
新聞の番組欄を見ると、どうやら行方不明の人を霊能者が探す、というような番組だったらしい。
行方不明になる、というのは普通に考えたなら事件性を帯びていると誰しもが考える。
私の住む街でも、昨年の春に小学生の女の子が山の中で行方不明になった。
散々捜索したが、結局見つからないまま翌年を迎えている。
時折街角に貼られた、「探しています」のポスターを見るたびに、ご家族の心労が続いているのだと思うと気の毒になる。
この番組にも、情報の提供を求めたりされているのだろうか。

そんなことを考えながら、先日行きつけの美容師さんと話した内容を思い出す。
彼女は今年36になる一児のママさんスタイリスト。
そんな彼女には、同い年で独身のヘアスタイリスト仲間がいる。
その人は、結婚願望が強いのにその歳になるまで、男性とつきあったことがまるでなく、それが悩みの種なのだそうだ。
私の美容師Nさんは、悩んだときに観てもらう霊能師を知っていて、その友人にも勧めたらしい。
その霊能師は、この近隣諸国で一番の霊能者という評価を何かの雑誌で紹介されたそうで、観てもらう人がひとが後を絶たないらしい。
たまたま、私は別の友人がこの霊能師のことを信奉していると聞いたことがあるので、まんざらガセネタというわけでもなく、ふんふんと聞いていた。
さて、その件の彼女を連れて行くと
「お母さんの名前を言ってみて。」と聞かれたそうだ。
お母さんの名前を告げると
「なるほど。このお母さんがアンタの男運を全部持って行っちゃってるわね。」といきなり言い出したそうだ。
「お母さんの横にはスーツ姿の男の人が見える。アンタのお母さんは毎日外を出歩いているでしょう。男の人に会ってるわね。言ったらなんだけど、アンタのお母さんは今までずーーっと男の人をきらしたことがないわね。とんでもないオンナだわね。海千山千のオンナってアンタのお母さんみたいなひとを言うのよ。」
という衝撃の内容を一気にまくしたてたそうだ。
名前を告げただけ、である。
Nさんによれば、そのお母さんは保険の外交員で、常に外へ出ている。
家にお風呂があるにも関わらず、お風呂好きということで毎夜お風呂に入りに外へでていくのだそうだ。
お父さんとの夫婦仲は良くないらしい。
本当に、そんなことまで見えるというのか。
だが、Nさんはその裏づけとなるその霊能師の話を続ける。
以前、別の友人を案内して行ったとき、
庭先で、その友人をつかまえて
「だめだめ。そのまま家に入らないでちょうだい。アンタ、ここに来る前に誰か自殺した人の死んだ場所へ行ってきたでしょ。ほら、助手席に乗ってるよ、そのひとが!
そんなまま家に入られたらとんでもない!!私が振り払うまで入っちゃダメよ。」
と、ズバリ言い当てられたのだそうだ。
たまたま会社の同僚が、海に投身自殺して、その場所へ参ったあとに訪れたのだそうで、そんなことは一言も告げていないにも関わらず、それが見えたのだという。
背筋が寒くなる話である。
この霊能師は、テレビで活躍している占術師のようなきらびやかな服装をしているわけでもなく、普通の民家で、普段普通の主婦として暮らしている。鑑定料もお心のまま、らしい。
それだけに、話は余計に本物っぽい。
人によっては、鑑定を断られる場合もあるらしくて電話の向こうで
「だめだめ。アンタには悪い気がついている。そんなものをウチに持ち込まれちゃ困るから、いま一緒にいる男の人を切ってからなら、みてあげるよ。」と即刻断られる人もいたそうだ。
本人が出向かなくても、観てもらいたいひとの身につけていたものを持っていくだけでも、それが見えたりするらしい。

それが本当ならば、行方不明になっているあの小学生の行方を観てあげることはできないのだろうか。
私が親族ならば、どんな少しのことでもわかることがあるのなら、知りたいと思うだろう。
余計なお世話かもしれないが、そんなことで行方不明の何かがわかるなら、尋ねてみてもいいのじゃないか、なんて無責任なことを思ったりした。
本当に、その向こうにあるものが見えるのなら、ね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。