煙の火もと

ふと気づくと、左の耳に耳鳴りを覚えるようになった。
こうして夜、パソコンに向かっているとずーっと金属音が鳴り響いている。
事故直後は、打撲の痛みの方が強くて、他のことは気にならなかったのだが、日にちが経つにつれ、耳鳴りが気になり始めた。
そんなワケで、本日、大病院の耳鼻科に出向く。
手には、救急でかかったＩ医院の紹介状。
最近、大病院は紹介状なしに飛び込みでは診療が受けにくくなっている。
紹介状は、水戸黄門の印籠の役割を果たすのか、と思っていたがそういうわけでもない。
朝8時半すぎに受付を済ませ、診察が終わったのは12時！！

大病院ならば仕方のないこと、とそれはそれでやむを得ないことなのだが。
問題はそれ以前にあった。
紹介状を書いてくれたＩ医院。
私は「耳鳴り」が気になるので、事故との因果関係を調べて欲しい。と言った。
なのに、紹介状には「めまい」が気になる、ということになっていた。
耳鼻科の医師が、受付で私の書いた問診票と紹介状の内容との差異を見つけて
「紹介状にはめまいが気になる、と書かれていますが・・」と不思議そうに言う。
「私は、一言もめまいを感じるなんてことは言ったことはありませんけど・・」
と言えば、担当の医師も思い当たる節があるのか、苦笑いを浮かべていた。
ああ、やっぱり・・・

救急車で運ばれた後、息子が地元情報に詳しい友人から情報を集めていた。
それに寄れば、私の運ばれたＩ医院はヤブ医者の功名高くの医者だということだった。
幸い、そんなにたいした怪我もなかったので、まぁ、いいか・・とそのままずるずるかかっているが、それを聞くまでもなくその医者のヤブさ加減は見え隠れしていた。
たいしたキズでも無いところをいつまでも治療をしたがる。
毎日ガーゼの交換に来させておきながらキズの箇所を覚えていない。
ほとんど患者もいないのに、毎日来る患者の顔も覚えていない。
湿布薬も貼る位置が定まらない、などなど・・
保険金が欲しいのか、骨折もしていない足の指に固定用の装具を作らせておきながら、私がそれを履いていなくても気づかない。
そして、究極が今日の紹介状だった。
くわばら、くわばら・・
これが痴呆がはじまった高齢者だと、診てもらうべきところは外され、関係のないところの検査をされ、異常なし、の結果が出されたかも知れない。
火のないところに煙はたたない、というが、やはり煙がたつところには、それなりの火元があるということを身をもって知ったのであった。