それって。

夫の友人にばったりと会った。
レジで並んでいて、ふと後ろに並んでいる人に目をやると誰かに似ている。
最近、人の名前、ものの名前、店の名前が咄嗟に出にくくなっている私だが、彼の名前はすぐに思い出せた。
だが。
こんなに老けてたっけ？
そう、思い始めると別人のようにも見えてきた。
家路を急がなければならない時間だし、無駄話をしている間はない。
私の友人ならともかくも、夫の友人である。
ま、見て見ぬ振りして通り過ごしちゃお。
と、勘定が終わった商品をレジ袋台に運ぶ。
それでもチラチラ見ていると、見たことのある女性が彼に近づいた。
あ、やっぱりＴ君だ・・・。
すると、レジの終わった商品を私の隣にどさっと置いた。
思わず
「Ｔ・く・ん！」と声をかける。
一瞬、まばたきして激しく自分の記憶回路を働かせたようだ。
「あ、ｘｘｘちゃん？フンイキが変わってたからわからんかったわ。」と言うではないか！
なに～～～？
聞き捨てならないことをおっしゃるじゃありませんか！！
フンイキが変わったって？
彼に直近で会ったのは、一昨年の夏のことである。
２年も経たずして、そんなに変わったとな！
ふがーっ！めっちゃショック！
どうフンイキが変わったのか、問い詰める勇気もなく、お互いの近況をさらっと伝え合って別れたが。

家に帰るなり、鏡で確認しましたとも。
「鏡よ、鏡よ、鏡さん・・」
うーーーーーん、本人にわかるわけない。
毎日見ている顔なんだから。
まてよ。
私が彼だとすぐに確信できなかったのは、彼が思いのほかあの夏の日より老けていたから。
ってことは。。。。
うっぎゃーーーー！！
やっぱり４０を過ぎ、５０の声も近く聞こえるようになると老いの加速は倍速になるってこと？

ああ、もう、これからは昔の知り合いにむやみやたらと声をかけるのはやめておこう。
固く心に誓う私であった。