まめ男じゃないと

お腹が空いた、とわめくのでポテトフライを揚げることにした。
我が家のポテトフライは、かりっと揚げたいので油を火にかける前に、ポテトを投入する。
今日も、そうすればよかったのに、先にポテトをいれ、油をオイルポットから入れた。
あれ？
思いのほかオイルポットの油が少ない。
これじゃ炒め物にしかならないじゃないか、という量。
かといって、ほかの料理に転用するには、ポテトの量も油の量も中途半端である。

育ち盛り、食い盛りの高校生がいるのでサラダ油は常に買い置きしている。
当然、買い置きしたものがあると確信して、ストックヤードを探すが、ない。
えっ！
当の本人は、のんき気に
「さっ、久しぶりにゲームでもするか。」などといっている。
サラダ油だけを買うために、エレベーターを降りて、車を出すのも面倒だ。
かといって、今日は低気圧の移動に伴う強風が吹き荒れている。
自転車で、買いに行くのはもっと億劫だ。
当然のことながら、こういうときは若者の出番である。
アンタの食べたいポテトフライを美味しく食べるためには、サラダ油が足りない旨を話し、買いに行くように息子に命じた。
が。
「えーーーっ！今日はめっちゃ風強いねんで。学校から帰るのも苦労して帰ってきたのに、それだけのために自転車で買いに行くのは嫌や。クルマで買いに行ってきたらええやん！」
と、予想通りのふざけた答えを返してくるので、私もカッとなって
「どーせ、ゲームしかしてないのに、それくらいしたらどーよ！」と怒鳴り返す。
「自分が買い置きし忘れたのに、オレにあたらんといてくれ。」と息子。
ぐ、ぐ、ぐ。。。

結果、我が家にあるそこそこの量の油、といえばオリーブオイルしかなく、それを足して
「身体に優しい」ポテトフライを揚げた。
エキストラバージンのオイル。。サラダ油の３倍のお値段だよ。。

アンタねー、今の世の中男はマメじゃないと彼女も出来なきゃ、結婚なんてましてや出来ないんだよ。
そんなだから、今年もばぁばからしかチョコがもらえないんだよ！
という言葉はぐっと飲み込んだ。
さすがに言葉の虐待になるかなぁ、と仏心が働いたので。
だけど、ほんと、このままずっと家にいつかれても困るなあ。
遅すぎるかもしれないけれど、マメに動く男にしごき上げるしかない。