写真は正直

先の土曜日、夫の中学時代の同窓会があった。
最初は欠席を連絡していたが、幹事が幼馴染であることもあり、泣き落としにあって不承不承参加した。

が、行ってみれば楽しいものだったのか、るんるん気分で帰ってきた。
1学年600人も卒業生がいるようなマンモス校だったらしいが、今回参加したのはたったの70人足らず。
卒業して33年も経てばそんなものなのかもしれない。
夫は、かなりわがままな性格なので、自分の興味のないことはすっぱり忘れている。
人の話も、興味のある話しか耳に入れないので、自分が興味のないことや関係ないことは
まったく頭に残さない。
そんな人間なので、中学時代のことも興味のないこと、興味のない人のことは全然おぼえていなかったらしい。
会うひとごとに、
「アンタ、だれ？」と聞いてまわったそうだ。
相手は、皆、夫のことを覚えていて
「いやあ、ｘｘちゃん、私のこと覚えてくれてへんの？」とそれぞれに言われたらしい。
彼が、今回ごきげんさんで帰ってきた理由のひとつに、みんなから
「うわぁ、全然かわってへんなぁ！」と言われたことがある。
彼のことをよく知っている女の子などは
「着てる洋服まで一緒やん！」と言ったそうな。
そりゃそうでしょ。
中学のころから、アメリカントラッドオンリーの彼は、いつの時代もちょっと改まった席では紺のブレザー、B.Dシャツ、コットンパンツ、ローファーしか着て行かないのだから。

そんなこんなで終わった同窓会。
さすがデジタル技術が進んでいて、その日のうちに記念集合写真が出来上がっていた。
持って帰ってきたそれを見ると
「え。このひとら、ほんまに同い年なん？」と聞きたくなるような方々がちらほら写っている。
総体的に見れば、女性より男性のほうが、どうも老け込むのが早いようだ。
髪のボリュームが減ったことや、太ったことなどが主な理由だが、やはり、皆苦労しているんだろう。なんか、しょぼくれている。
それに比べて女性の溌剌としていることといったら！
やっぱり、いまはどの年代も女性は元気。

ああ、それにしても写真のなんて正直なこと。
どこかのフィルムメーカーのCMじゃないけれど、
「綺麗な方は綺麗なままに。そうでない方はそれなりに。」という状態で写っている。
証明写真に写った自分を見て、ゲンナリするのは自分のありのままを突きつけられるからなのかもしれない。
同窓会へ行くことはあっても、記念撮影には収まるのはやめておこう。